テニス界のデータ活用【前編】
テニス四大大会7度優勝のビーナス・ウィリアムズがアナリティクスを愛好する理由
データは試合に大きな影響を与え、時に命運を握ることさえある――。そう語るのは、テニスのグランドスラムで7回の優勝を果たしたビーナス・ウィリアムズ選手だ。ウィリアムズ選手がアナリティクスを使う理由とは。
あらゆるスポーツでアナリティクスの使用が広がっている。テニスのビーナス・ウィリアムズ選手もデータ愛好者の一人だ。
意思決定プロセスを推進するためにアナリティクスを広く利用する企業がある。同様にチームスポーツのプレイヤーや個人スポーツ選手の一部もデータを重視するようになっている。
ウィリアムズ選手は、シングルスではウィンブルドン選手権(全英オープン)で5回、グランドスラム(ウィンブルドンを含むテニスの四大大会)では合計7回、ダブルスではグランドスラム14回の優勝を果たした実績を持つ。ウィリアムズ選手は、データの持つ力を信じ、アナリティクスを試合に役立てている。
ウィリアムズ選手は「アナリティクス」の何を評価しているのか
Oracleが2021年3月に開催したオンラインイベントで、ウィリアムズ選手は次のように語った。「まさしくデータを活用している。アナリティクスを使用することで、対戦相手について学ぶだけでなく、自分自身についても学ぶ。そうすれば自身のパターンと弱点を確認できる」
近年、スポーツで使用されるデータは、劇的に複雑さを増している。
2020年11月にOracleが主催した類似のウェビナーで、NBA(米プロバスケットボール協会)参加チームのゴールデンステート・ウォリアーズ(Golden State Warriors)でプレジデント兼COO(最高執行責任者)を務めるリック・ウェルツ氏は、チームの練習施設に150台のカメラを設置していると説明した。各選手のあらゆる動きを追跡して、選手が力を最適に発揮できるようにするためだ。
米プロ野球MLB(メジャーリーグベースボール)で、打率や防御率といった従来の指標を超えた統計分析をいち早く進めたチームは、オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)だ。現在のMLB参加チームは、アスレチックスが2000年代初頭に採用したKPI(重要業績評価指標)よりもはるかに複雑な指標を使っている。例えばミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)は、投手の投球1回につき100個の異なるデータポイントを取得している。
ウィリアムズ選手の専門であるテニスでも同様の技術が使用されている。カメラがショット(打球)を撮影して回転率を割り出し、選手がサーブ(始球)を打ち、コート内を動き回り、ボレー(ボールが地面に触れる前の返球)を打つときのメカニズムを細分化する。
アナリティクスが最も役立つのは「対戦相手のプレイパターンを予測するときだ」と、Oracle製品のユーザーであるウィリアムズ選手は語る。対戦相手のサーブのコースがワイド(コートの外側を狙ったコース)とセンター(コートの中心を狙ったコース)のどちらになるかなど、ある瞬間におけるプレイの予測が可能になるためだ。特定の状況では、コートのどの部分にボレーを打つのかといった予測もできるようになる。
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