NFLがAWSのAIで構築した「選手のデジタルツイン」とは?選手の安全性向上のためのAI活用

AWSとNFLの新たな提携は、機械学習などのAI(人工知能)技術を利用して、選手のけがのリスクを軽減することを目指している。この提携は、両者が「Next Gen Stats」プログラムで進めてきた協業に基づいている。

2020年01月24日 05時00分 公開
[Mark LabbeITmedia]

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 National Football League(以下、NFL)は、Amazon Web Services(以下、AWS)のAI(人工知能)技術関連の製品とサービスを利用して、選手のけがのシミュレーションや予測の精度を高めようとしている。選手の健康と安全を向上させる狙いだ。

 NFLとAWSは2019年12月5日、AWSの年次イベント「AWS re:Invent 2019」の記者会見で新たな提携を発表した。会見にはAWSのCEOであるアンディ・ジャシー氏と、NFLのコミッショナーであるロジャー・グッデル氏が登壇した。「この提携は、アメリカンフットボールを大きく変えるだろう」と、同イベントでグッデル氏は語った。

 「戦い方、指導方法、選手に求める試合への準備の仕方が変わっていくだろう」(グッデル氏)

 この提携は、NFLとAWSがデータサービス「Next Gen Stats」(NGS)で進めてきた協業に基づいている。この協業は、NFLが選手のデータを収集、処理するのに役立ってきた。2017年に発表されたNGSにより、選手の肩パッドとボールに新たにセンサーが組み込まれ、選手とボールの位置、速度、加速度のデータをリアルタイムで収集できるようになった。

 収集したデータはAWSのデータ分析および機械学習ツールに取り込まれ、ファンや放送局、NFLクラブに、画面で統計データや予測(予想されるキャッチ率やパス成功率など)をライブ配信するために使われる。

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