シンプルさが魅力のハイパーコンバージド
ローカルディスクに逆戻り、「ハイパーコンバージド」がIT部門を脅かす?
成長を続けるハイパーコンバージドインフラは、IT部門の役割にも少なからぬ影響を及ぼす存在だ。SANからローカルディスクへの逆戻りは、ストレージ管理者に何をもたらすのか。
企業に導入されたハイパーコンバージドインフラがもたらす最も厄介な問題は、ハイパーコンバージドインフラ自体に関するものではなく、IT部門のスタッフに関するものになるかもしれない。
IT業界の多くの人は、ハイパーコンバージドインフラに移行することでコストを削減できるが、既存のIT部門のスタッフで運用していく方法を見いだす必要があることにも気付いている。
米国で2015年6月末に開催された「Red Hat Summit」では、グローバルに銀行業を展開している豪National Australia Groupでインフラアーキテクトを務めるドナルド・キャンプベル氏が次のように語った。「企業にはどのような影響があるのだろうか。全ての物事に対応するスタッフを雇用していた時期もあるが、専門家を雇用する形態にシフトした。そして、今は以前の状態に戻ろうとしている」
ITは循環する業界だ。変化があることを理解しているが、また2年後に専門家を雇用する必要に迫られ事態は避けたいとキャンプベル氏はいう。Red Hat SummitのあるセッションでIT担当者は、ハイパーコンバージドインフラを利用することで、1つのインフラチームを作れるという話を聞いている。
数年前、ネットワークとストレージに対応するシステム管理者が存在していた。そして、National Australia Groupも多くの企業と同様に専門家のポストを用意した。
「この専門家をどうするのかは、コンバージドインフラがスキルセット、プロセス、駆け引きに与える影響次第だ」(キャンプベル氏)
シンプルなストレージ管理が必要な企業は、ハイパーコンバージドインフラを使用してストレージを仮想マシン(VM)レベルで管理することに魅力を感じるだろう。National Australia Groupでは、長い間、ローカルディスクストレージを使用していたとキャンプベル氏は語る。
「当グループは、長い年月を掛けてローカルディスクストレージからSAN環境に移行してきた。今、知りたいのは、ローカルディスクからSANに移行したのに、(ハイパーコンバージドインフラの採用によって)ローカルディスクに戻る理由だ」(キャンプベル氏)
ハイパーコンバージドインフラはソフトウェアを中心に設計されている。ハイパーバイザー、コンピューティング、ストレージをスケーラブルで大幅に自動化された1つの小さな筐体にまとめている。Red Hatのシステムは、Linux、「oVirt」の仮想化、「GlusterFS」のストレージを組み合わせている。
一部のRed Hatユーザーは、オープンソースのコンポーネントを使用して自作のハイパーコンバージドインフラを組み立てている。そう語るのはRed Hatでストレージ製品の主要責任者を務めるショーン・マーフィー氏だ。
「ここ数年、この現象が増加している状況を目の当たりにしている」(マーフィー氏)
米IDCによると、ハイパーコンバージドインフラの市場は、2014年に162%の成長率を達成している。また、2015年には100%の成長率が見込まれる。これから2年以内に50%の企業がハイパーコンバージドインフラにVMを導入することが予想されている。
Red Hatで上級アーキテクトを務めるポール・カズナー氏は「Glusterのストレージを切り離して、何が機能して、何を変える必要があるのかを見極めなければならなかった」と語る。
カズナー氏によると、Glusterはストレージとコンピューティング環境が相互に踏みつけないようにしながら、セキュリティを最重要事項に掲げる役割を果たしていたという。
「私たちにとって重要なのは、箱を開けたときに、特定の1台のVMが全権を持って全ての帯域幅を消費し、環境のバックエンドが機能しないような事態が初日に陥らないようにすることだ」(カズナー氏)
ハイパーコンバージドには、中小企業から大企業に至るまで、ほとんどの市場区分で関心が寄せられているとマーフィー氏はいう。
「関心が寄せられているのはシンプルさだ。調達、計画、導入、使いやすさ。これらが市場区分に関係なく全ての人の共感を呼んでいる」(マーフィー氏)
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