高コストから低コストまで
サーバ仮想化の統合率を向上させる5つの方法
サーバ仮想化にとってサーバ統合は最大のメリットだ。以下、サーバの統合率を向上させるための5つの戦略を紹介する。
サーバ統合率を向上させるための方法は幾つかある。新しいハードウェアやソフトウェアを必要とするものもあるが、中には安い費用で済ませられる方法もある。
サーバ統合は何と言っても、サーバ仮想化の最大のメリットだ。仮想化を使えば、物理サーバを仮想マシン(VM)に変換し、複数の作業負荷を1台の物理サーバ上に統合できる。サーバ統合率が高ければ、ハードウェアやエネルギー、床面積のコスト削減につながり、結果的に仮想化技術の投資収益率(ROI)を高められる。
以下では、サーバ統合率を向上させるための5つの戦略を紹介する。
1.新しいサーバでサーバ統合率を向上させる
古くなった物理サーバをより大容量の新しいサーバに置き換えれば、VMの統合率を簡単に高められる。例えば、2コアのデュアルソケットサーバから8コアのデュアルソケットサーバにアップグレードすれば、CPU性能は4倍になる。
さらに、新しいサーバにすれば、それまでのサーバよりもRAMの容量が増える場合もある。例えば、8Gバイトから32Gバイトになど、メモリ容量が4倍になれば、そのホスト上に作成するVMの数も簡単に4倍に増やせるかもしれない。
ただし、ホスト上に作成できるVMの数を正確に計算するには、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーキングリソースなど、さまざまな要因を考慮に入れる必要がある。とはいえ、メモリとCPUのリソースを追加すれば、サーバ密度も必ずや高めることができるはずだ。
さらに、もしそれまでと同じソケット数のサーバを新たに購入するのであれば、恐らく追加のライセンス料金は不要だ。多くのソフトウェアのライセンス料金は、コア当たりではなく、ソケット当たりで決められているからだ。例えば「VMware vSphere」はソケット数でライセンス料金が決まり、Standardまでのエディションは全て最大6コアまでサポートしている。
2.メモリをアップグレードしてサーバ統合率を向上させる
仮想インフラでは、メモリリソースが制限要因となることが多い。もし新たに物理サーバを購入できないのであれば、既存サーバの物理RAMをアップグレードするといい。メモリの価格は低下しているため、サーバ向けのRAMの追加購入は、サーバを完全に交換するよりもコスト効率の高い選択肢となるはずだ。
米VMwareの「VMware DRS(Distributed Resource Scheduler)」を使えば、RAMのアップグレードがサーバ統合に与える影響を直ちに確認できる。サーバのRAMをアップグレードした後は、DRSが当初よりも多くのVMをそのホストにロードするのを確認できるはずだ。
3.ソフトウェアでサーバ統合率を向上させる
VMwareのソフトウェア製品を使ってサーバ統合率を高める方法もある。ただし、ライセンス条件によっても異なるが、そうした方法はより多くのコストが掛かる場合もある。
例えば、DRSは仮想インフラの効率の改善の他、サーバ統合率の向上に役立つ。VMの電源が入ると、DRSは利用できるリソースが最も多いホストにそのVMを配備する。さらにDRSは、適切なリソースが割り当てられていないVMがあれば、そのVMを他のホストに移動させる。こうしてDRSは最も効率的にホストを活用することで、最適なサーバ統合率の実現に貢献する。
VMware vSphereを最新版にアップグレードするのも効果的だ。VMware vSphereの新版には通常、性能を向上させるための機能が追加されている。例えば、VMware vSphere 4.1にはメモリ圧縮が追加されており、リソースが乏しくなってきたときには、メモリへのより高速なアクセスが提供されるようになっている。これにより、メモリをローレベルでより効率的に使用できるため、メモリが制約された環境であってもより多くのVMを配備できる。
4.VMを適切なサイズにする
昨今、IT部門はいずこも財政事情が厳しい。もしハードウェアやソフトウェアを新たに購入する資金がないのであれば、一切お金を掛けずに既存のリソースからより多くの性能を引き出す方法もある。それは、VMのサイズを適切に設定するという方法だ。
VMを適切なサイズにするためには、リソースの使用状況を分析し、それに応じてリソースの割り当てを調整する必要がある。多くの場合、RAMとvCPUのデフォルトの割り当て量は、VMが実際に必要とする量より多いものだ。VMに割り当てられたRAMとvCPU、あるいはその一方だけでも減らせば、同じホスト上の他のVMにリソースが解放されるため、VMを追加する余地が生まれる。VMは手作業で適切なサイズに設定することもできるが、「VKernel vOperations」や「Embotics V-Commander」などのベンダーツールを使えば、より迅速かつ容易に実行できる。
5.VMのリソースに制限を設ける
ホストのリソースを解放してVMを増やすためにはもう1つ、VMが使用するリソースに制限を設けるという方法もある。そのためには、VMをリソースプールに配備してそのグループが利用できるリソースを制限するのでもいいし、VMのリソースを個別に制限するのでもいい。
リソースを制限することでVMの性能が低下する可能性もあるため、このアプローチは慎重に取り組む必要がある。だがアプリケーションの中には、ファイルサーバやプリントサーバなど、優先順位が低いものもあり、そうしたアプリケーションであれば、エンドユーザーに気付かれずにリソースを削減できる。自分の業務に必要となる量よりも多くのリソースを使っているユーザーに対して、利用できるリソースの量を制限することも可能だ(例えば、動画を見たり、大きなファイルをダウンロードしたりしているナレッジワーカーのリソースに上限を設けるなど)。こうしたリソースを解放することで、既存のインフラにより多くのVMを収容できる。
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