2011年上半期のセキュリティ動向
Androidユーザーの3分の1はWeb脅威に遭遇 マルウェア感染率は2.5倍
Lookoutが発表した2011年上半期のセキュリティ動向報告書によると、Android端末を狙うマルウェアが増加しており、感染手口も巧妙化しているという。
米セキュリティ企業Lookoutの報告書によると、米Googleのモバイルプラットフォーム「Android」ベースのOSを搭載したスマートフォンは、わずか半年前に比べて同端末を狙ったマルウェアに感染する確率が2.5倍に増加している。
Lookoutがセキュリティカンファレンス「Black Hat 2011」を前に発表した2011年のモバイルセキュリティ動向に関する報告書では、スマートフォンを脅かす攻撃の増加とAndroid端末の危険性に焦点を当てた。Lookout共同創業者のケビン・マハフィーCTO(最高技術責任者)によると、Androidのセキュリティ問題を分析するに当たり、同社のチームは世界の70万以上のアプリと1000万台の端末から情報を集めた。
マハフィー氏は報告書発表のブログで次のように記している。「マルウェア作者たちは、ユーザーにマルウェアをダウンロードさせる手口に関してどんどん巧妙になっている。第一の目的は金もうけのようだが、スマートフォンに保存されている大量の個人情報も、攻撃者の創意工夫をかき立てる標的になっている」
アプリを端末の重要プロセスから隔離するセキュリティ機能の「サンドボックス」を採用するスマートフォンメーカーも増えたが、報告書によると、攻撃者はこの制限をかわして携帯電話を制御する方法を見いだしている。さらに、Android端末のユーザー10人のうち3人は、自分の端末で年に一度はWebベース攻撃に出くわす可能性が大きいとした。攻撃者が一般的なフィッシング詐欺のさまざまな手口を使ってユーザーを攻撃サイトにおびき寄せようとする中、悪質なリンクもさらに広がっているという。
さらに、悪質広告、アップグレード攻撃、多段階攻撃といったマルウェア拡散の新手の手口の利用も増えるとLookoutは予想する。悪質広告では、正規の開発者がアプリ内広告に用いる手法をまねてユーザーをだまし、Android Marketに見せ掛けた偽のWebサイトからマルウェアをダウンロードさせる。また、Lookoutがアップグレード攻撃と呼ぶ手口では、正当なアプリを開発してユーザーベースが増えるまで待った後に、そのアプリをアップデートしてマルウェアに置き換える。マルチステージ攻撃では、一見正当に見えるアプリに仕込んだ隠しコードを使い、サーバからダウンロードした設定の変更に基づいてアプリの動作を切り替える。
Lookoutの報告によると、マルウェアに感染したAndroidアプリの件数は今年1月の80件から、6月には400件以上に増えた。その一因は、マルウェア作者が既存のマルウェアを使って新しい、さらに危険な亜種を作り出していることにある。例えば「DroidDream」の亜種はさまざまな開発者名の下、80以上の感染アプリに使われていた。「GGTracker」の作者はサードパーティーのAndroidストアと代替Androidダウンロードサイトで15種類の感染アプリを公開している。GGTrackerはユーザーを高額のSMS着信音サービスに加入させ、携帯電話の月額料金にサービス料を上乗せする。
Lookoutの報告書では、米AppleのiPhoneもWebベース攻撃やモバイルマルウェアの影響を受けないわけではないと指摘した。ただ、AppleのApp Storeのセキュリティ制限と検証プロセスが、サイバー犯罪集団による悪質なモバイルアプリの配布を食い止める一助になっているという。AppleのiOSを搭載したスマートフォンは脱獄(Jailbreak)させてユーザーがサードパーティーからのアプリケーションを導入できるようにすることも可能だが、これによって感染するリスクは増大するとLookoutは述べている。
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