RDBMSの運用を容易にするクラウドデータベース
AWSのRDBMSサービス「Amazon RDS」「Aurora Serverless」の基本的な違い
「Amazon RDS」と「Amazon Aurora Serverless」は、どちらもAWSが提供するRDBMSサービスだ。両サービスの機能と制約を整理した上で、自社に適したサービスを選ぶための判断基準を説明する。
Amazon Web Services(AWS)はDBMSの機能をクラウドサービスとして提供する「クラウドデータベース」として、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)サービスの「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)と「Amazon Aurora Serverless」を提供している。両者は何が違うのか。本稿は、Amazon RDSとAurora Serverlessの主な違いを確認する。
「Amazon RDS」「Amazon Aurora Serverless」の似ている点と違う点
利用できるRDBMS
Amazon RDSは、開発者がデータベースの実行単位である「DBインスタンス」で使うRDBMSやストレージ容量を選べる。使用できるRDBMSには、AWSの「Amazon Aurora」やOracleの「Oracle Database」、Microsoftの「SQL Server」、オープンソースの「PostgreSQL」「MySQL」「MariaDB」などがある。
Aurora Serverlessは、RDBMSにAmazon Auroraを利用することを明確に意図して設計されている。
ストレージ容量の拡大と縮小
RDBMSにAmazon Auroraを利用する場合、Amazon RDSも、Aurora Serverlessも必要なストレージ領域を自動的に割り当てる。そのため開発者はストレージを構成する負担を軽減できる。
Aurora Serverlessは、仮想CPUとメモリを組み合わせた「Aurora Capacity Unit」(ACU)という単位の利用時間に応じて課金する。ストレージ容量のスケールアップとスケールダウンは自動であり、通常30秒以内に完了する。
Amazon RDSの場合、ストレージ容量の変更は手動の設定が必要だ。そのため最大5分のダウンタイムが発生する可能性がある。Amazon RDSはリードレプリカ(参照専用の複製データベース)の自動スケーリングができるが、DBインスタンスを追加導入する必要があるため、このプロセスには数分かかる。
Aurora Serverlessの方がストレージ容量の設定が容易で、使用率が急増したり、予測できなかったりするアプリケーションに適していると言える。
各サービスが適する用途
Amazon AuroraはMySQLやPostgreSQLとの互換性があるため、アプリケーションにはこれらと共通のソースコードを利用できる。アプリケーションがOracle DatabaseやSQL Server、MariaDBなどのRDBMSを必要とする場合はAmazon RDSを使う必要がある。
Aurora Serverlessは未使用中にストレージ容量をゼロにするオプションを用意している。こうしたオプションは開発環境やテスト環境など、定期的なデータ通信が必要ないアプリケーションに適する。このオプションを本番環境に利用することはお勧めしない。ストレージを再度利用できるようにするには数秒を要し、これによりユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)が低下するからだ。
データベース用のサーバスペックやストレージ容量の拡張と縮小を自動化できる点で、Aurora ServerlessはAmazon RDSより優れた選択肢のように見える。しかし必ずしもそうではない。
例えば本稿執筆時点では、AWSのバージニア北部リージョン(us-east-1)において、同程度の規模で両サービスを利用した場合、Aurora Serverlessの方が利用料金が高くなりやすい。またAurora Serverlessでは、事前にインスタンスを予約することで割引を受けられる「リザーブドインスタンス」を利用できない。Amazon RDSはリザーブドインスタンスを利用でき、場合によっては利用料金を30%から60%程度削減できる。
Aurora ServerlessとAmazon RDSのどちらが自社にとって最適かを判断するには、メリットと機能の制約、利用料金への影響を評価することが不可欠だ。
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