金融×AIの最前線【前編】
Mastercardが「AI」で不正検出 同社幹部が語るその中身とは?
Mastercardは不正利用防止のためにAI技術を活用している。どのように生かしているのか。同社幹部に聞いた。
金融サービスの提供企業は、詐欺を予測して不正行為に立ち向かうため、長い間機械学習などのAI(人工知能)技術を利用してきた。中でも著名な一社がMastercardだ。同社は2017年にAI技術ベンダーのBrighterionを買収。以来、AI技術に多額の投資をしている。
Mastercardは詐欺防止のためのAI技術を自社で利用すると同時に、他社向けにAIサービスとして販売もしている。同社のAI技術は詐欺防止だけでなく、顧客の満足感を維持しながら財務の安全性を確保するのに役立つという。
米TechTargetは、MastercardによるAI技術の使い方とAIサービス販売の取り組みについて、Brighterionの最高幹部でありMastercardのシニアバイスプレジデントも務めるスディール・ジャー氏に話を聞いた。インタビュー内容を前後編に分けて紹介する。今回はその前編だ。
Mastercardは「AI」をこう活用している
―― Mastercardにおける詐欺防止に活用するために、Brighterionが自社のAI技術に加えた注目すべき改善点や変更点を教えてください。
ジャー氏 Mastercardは10年以上にわたって、顧客との取引のライフサイクル全体でAI技術を活用している。その目的は、Mastercardの決済ネットワークを経由する取引のセキュリティを向上させ、詐欺に対処するためだ。Mastercardは顧客の行動や詐欺師の手口が変化することを前提に、顧客体験を向上させる目的で、詐欺などのセキュリティリスクを正確に予測するようAIモデルに磨きを掛けてきた。
高度にパーソナライズしたAIモデルを開発して展開できることと、大規模な取引データからインテリジェンス(意思決定を支える情報)を引き出せることが、Mastercardの重要な差異化要素だ。Mastercard自体は、自社の決済ネットワークで発行したクレジットカードに関する信用リスク情報を持っていない。Brighterionの技術を活用して、金融機関がより効率的に信用リスクを管理できるようにしている。
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