Web会議の録画、便利で適切な使い方【中編】
Zoomなどの「Web会議」を録画してはいけない倫理的理由と法的理由
Web会議の需要が高まる中、「Web会議の録画」を課題視する企業もある。記録の面で便利な録画だが、幾つかの理由で録画を避けなければならない場合もある。どのような理由か。
Zoom Video Communicationsの「Zoom」をはじめとするWeb会議サービスを利用する上で、企業が是非を検討する必要があるのが会議の録画だ。前編「Zoomなどの「Web会議」を録画したくなる“これだけの利点”」は、Web会議を録画することで企業やテレワーカーが得られる利点を紹介した。中編となる本稿は、Web会議の録画を避けた方がよい状況や、その理由を解説する。
Web会議の録画には利点がある一方で、倫理的または特定の法的な理由により、録画を避けた方がよい場合もある。主な理由を2つ説明する。
理由1.倫理的理由
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響でテレワークが広まった。その結果、Web会議を利用したマネジャーと従業員のコミュニケーションが一般化した。従業員個人に関係するなんらかの問題や、従業員のパフォーマンスに関する課題を議題に挙げたWeb会議の場合、従業員がマネジャーによる会議の録画を不快に感じることがある。管理者はこれらの話題に触れるWeb会議を録画することの倫理的影響について議論する必要がある。
理由2.法的理由
米国の特定の州では、Web会議の録画が違法になる場合がある。録画をするために会議の出席者全員から同意を得なければならないこともある。米国連邦法は、他の当事者による同意のない通話中の録音・録画から米国内の個人を保護する。連邦法では一方の当事者からの同意のみ得れば録画は可能だ。フロリダ州やメリーランド州、モンタナ州、ネバダ州、カリフォルニア州など米国の幾つかの州は、電話またはWeb会議で録音・録画をする場合、全ての当事者から事前の同意を得ることを求めている。IT部門は、従業員に各州に固有のルールがあることを理解してもらう必要がある。
会議が同意なしに録画されたことに気付き、訴訟にメリットがあると判断した場合、従業員は企業に対して訴訟を起こす可能性がある。特に録画データに機密情報や個人情報が含まれている場合は、なおさらだ。IT部門はZoomやCisco Systemsの「Cisco Webex」、Microsoftの「Microsoft Teams」など一般的なWeb会議サービスを利用する場合、録画開始時の音声アナウンスを流したり、会議が録画されていることを示す通知を出したりする設定ができる。
後編は、Web会議の録画データの保持について説明する。
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