「Web会議」の5大トレンド【中編】
Web会議に慣れた人々が次に求める「アップグレード」は何か?
Web会議を日常的に使うようになると、ちょっとした不便や機能不足を意識しやすくなる。エンドユーザーが次に求める「もう少し良い機能」とは何だろうか。
前編「オフィス勤務とテレワークの『良いとこ取り』な働き方は定番化するか?」に続く中編となる本稿は、Web会議に関する2021年の5つのトレンドのうち、2つ目と3つ目を紹介する。
トレンド2.会議室側ではなく「テレワーカー側」設備のアップグレードが進む
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)前、Web会議の大きなトレンドは「ハドルルーム」(少人数向け会議室)だった。Web会議ツールは管理しやすくなり、価格も手ごろになって、従業員が日常的に利用できるようになった。企業は大きな会議室だけでなく小さなスペースにもWeb会議用の設備を導入し始めた。リモート参加するメンバーがいる小さなチームも、重役会議と同様にWeb会議用の設備が必要になるからだ。
後回しにされてきた「テレワーカー側設備」
ハドルルームはWeb会議の利用機会を促し、小規模チームの働きやすさに貢献した。ただし関連ツールの導入は「通信の片側」に集中していた。企業はハドルルーム側のカメラと音響機器を充実させ、ハドルルームにいる参加者の映像と音声を適切に配信することを設備導入目的の中心に据えていた。ハドルルームの必要性の発端となったテレワーカー側の映像や音声品質に関するケアは後回しだった。企業にとっては、ハドルルーム側の映像と音声がテレワーカーに届けば、まずは十分だったからだ。
パンデミックによって映像と音声品質の重要度は一変した。カメラアングルや照明が良くないと、設備の整った人よりもカメラ映りが悪くなることをこの1年で実感した人々は、設備改善が必要だと考えるようになった。テレワーカーの設備改善の必要性を理解し、従業員宅の設備のアップグレードコストを負担する企業も出てきている。
Web会議ツールベンダーは、自宅用Web会議設備のアップグレードに関心が集まっている時流に乗り、テレワーカー向けキットやバンドル(主にWebカメラとヘッドセット)の提供を始めた。高画質なWebカメラのラインアップも拡充している。顧客応対が必要な担当者には、Web会議で相手に良い印象を与えたいというニーズがあるからだ。
トレンド3.生産性向上に寄与する機能が充実へ
かつてテレビ会議システムは使い方が難しく、高価で、信頼性も十分とは言えなかった。そのためベンダーは競合他社より使いやすく、低価格で、信頼性の高い機能を提供することでしのぎを削っていた。とはいえこれは昔の話だ。使いやすくて価格も手ごろなWeb会議製品/サービスが市場で一般的になって久しい。単に機能するだけのWeb会議ツールではユーザーの注目を集めることはできなくなり、ベンダーは新しい差異化要素を開発する必要に迫られた。
Web会議製品/サービスが成熟した2019年代、一部のベンダーは差異化のために基本的な会議機能に加えて、リモート参加者向けも含めた生産性向上を目指す機能の提供に力を入れ始めた。文字起こし、動画クリッピング、ファイル共有、翻訳、他アプリケーションとの連携などの新機能が次々に登場した。これらの機能はパンデミック前から関心を集めていた。
パンデミックが生じて働き方が変化すると、それまで遠隔会議をほとんどしたことのない人や、定例の会議にしか使ったことのない人が、日々の業務にWeb会議を使い始めた。仕事の計画を立てるためにWeb会議を使うだけでなく、仕事を進めるためにも使うようになった。その結果、生産性向上に寄与する機能はますます進化を続けている。この分野はまだ新しく、完全に成熟してはいないが、今後の中心的な要素になるだろう。
後編は4、5番目のトレンドを紹介する。
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