「Amazon VPC」は何に使えるのか? ネットワーク制御機能と監視機能を整理「Amazon VPC」と「Azure VNet」の違い【第2回】

AWSの仮想ネットワークサービス「Amazon VPC」は、どのような目的で利用できるのか。Amazon VPCの主な機能を説明する。

2021年06月29日 05時00分 公開
[Adam BertramTechTarget]

 Amazon Web Services(AWS)の仮想ネットワークサービス「Amazon Virtual Private Cloud」(Amazon VPC)は、各AWSサービスで構築した仮想マシンなどのAWSリソース同士を、論理的に他のネットワークから分離した仮想ネットワークで接続する。対象のAWSサービスは、コード実行サービスの「AWS Lambda」やストレージサービス「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)、仮想マシンサービスの「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)などだ。

 他のAWSのネットワークサービスとも連携できる。ゲートウェイサービスの「AWS Transit Gateway」は、Amazon VPCとオンプレミスネットワーク間の相互接続を実現する。プライベート接続サービス「AWS PrivateLink」は、アクティブなAWSサービスとAmazon VPCとの間に安全な経路を作成する。前回の「『Amazon VPC』とは? AWSの仮想ネットワークサービス」に続く本稿は、Amazon VPCのネットワーク制御機能や監視機能を説明する。

Amazon VPCのネットワーク制御機能

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 AWSサービスの管理ツール「AWS Management Console」(AWSマネジメントコンソール)や「AWS Command Line Interface」(AWS CLI:AWSコマンドラインインタフェース)から、Amazon VPCを起動できる。Amazon VPCではネットワークアクセス制御リスト(ACL)を設定できる。このACLがファイアウォールとして機能し、ネットワークを流れるデータをフィルタリングする。

Amazon VPCの監視機能

 運用チームはAmazon VPCの「VPC Flow Logs」(VPCフローログ)を利用することで、ネットワークを流れるデータを監視・可視化し、疑わしいイベントを強調表示できる。「Traffic Mirroring」(VPCトラフィックミラーリング)は、パケットの検査や指定された転送先への転送を可能にする機能だ。脅威の検出や、データ転送に問題が生じたときのトラブルシューティングを可能にする。2つのAWSリソース同士の通信に問題がある場合は、「VPC Reachability Analyzer」で接続のボトルネックを特定することで、問題を素早く解決できる。

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