新型コロナウイルス感染症の今後の状況はいまだ不透明で、2021年は不確実性に満ちている。これからの新しい働き方を模索する上で知っておきたい、ユニファイドコミュニケーション(UC)の4つのトレンドを紹介する。
2020年のユニファイドコミュニケーション(UC)市場は、かつてない変化に直面した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が、企業のビジネスのやり方に劇的な影響を与えたからだ。企業はチームがリモートでも機能するためのさまざまなアプリケーションを急ピッチで導入した。大抵の企業では、アプリケーションの徹底的な評価をしたり、統一的な戦略を立てたりする時間がほとんど取れていなかった。
パンデミックの今後の状況や、ワクチンが行き渡る時期は不透明で流動的だ。とはいえ2021年を展望すると、UC市場にはITリーダーの年度計画の背景となる幾つかの将来トレンドが現れている。
「いつの日か、ほとんどの従業員がオフィスでフルタイム勤務していたような、パンデミック前のやり方に戻ろう」という機運はほとんど感じられない。今後の従業員の勤務形態は「フルタイムのオフィス勤務」「フルタイムのテレワーク」「出社とテレワークの併用」という3つが混在するようになると考えられる。
これはITリーダーが物理的なオフィスの見直しをしなければならないことを意味する。例えばWeb会議ツールをどこでも使えるようにする必要がある。さまざまな場所で働く従業員が会議に参加するからだ。オフィスの形式も、従業員が自分専用の固定席を持っていた従来形式から、PCや場所を予約して利用するフリーアドレス形式に取って代わられそうだ。生産性の阻害要因を解消するために、ビジネスチャットツールの使い勝手を向上させたり、ワークフローシステムとの連携を継続して推進したりすることも必要になる。
UC市場はベンダーの再編が続く可能性がある。特定分野に強いベンダーが製品ラインアップを広げ、音声通話、Web会議、ビジネスチャットを連携可能な製品を提供しようと買収を進めているからだ。2020年もさまざまな買収や合併があり、最近ではSalesforce(salesforce.com)がSlack Technologiesを約277億ドルで買収すると発表した。
ユーザー企業側も、スタンドアロン製品からスイート製品への置き換えを積極的に進める可能性がある。コストの削減や管理の複雑さの軽減などが狙いだ。
テレワーカーの管理は、企業が2020年に直面した最大の課題だった。2021年も引き続き大きな難題となるだろう。調査会社Nemertes Researchの調査によると、企業は生産性の確保やセキュリティ対策、アプリケーションパフォーマンス管理、テレワーカーの組織関与度の測定に苦労している。今後は従業員のパフォーマンスに関するインサイト(洞察)を管理者に提供するとともに、一貫したポリシー強制を実現する分析ツール、そしてセキュリティや管理のためのシステムの進化と導入が進むだろう。
企業はより積極的なアプローチで、テレワークに使うITの最適化に取り組むはずだ。例えば従業員の高品質な体験を確保するために、音声・映像機器やその管理ツールに投資すると考えられる。続々と登場しているバーチャル背景といったビジュアル機能をいかに活用するかにも注力するだろう。これらの機能は、会議における対話の活性化を、そしてあえて言えば「会議を楽しくすること」を目的としている。
2020年は、世界的な混乱と変化という点で未曽有の年となった。2021年には、かつての普通の生活を取り戻す道筋が見えてくることを期待している。
ただしパンデミック後のニューノーマル(新常態)でも、UC製品を管理するITリーダーは、テレワークをいかにサポートし、従業員エクスペリエンスをいかに最適化するかに注力し続ける必要がある。4つのトレンドはITリーダーにとって、UC製品の購入判断や戦略を左右することになるだろう。
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