「脱クラウド」戦略の基本【中編】
「脱クラウド」を成功させるヒント “隠れコスト”に要注意
「脱クラウド」戦略を検討する際は、社内のさまざまな関係者を巻き込み、さまざまな注意点に目を向ける必要がある。具体的にどのようなポイントを押さえておくべきなのか。
クラウドサービスからオンプレミスのインフラにシステムを移行させる「脱クラウド」「オンプレミス回帰」。IT部門がそのための「出口戦略」を立案するに当たっては、さまざまな関係者を巻き込む必要がある。契約、技術、法務、データガバナンスといった業務の担当者などだ。こうした業務の担当者は、考慮すべき重要な事項をさまざまな観点から提示してくれる。例えば
- リソースのスケールアップやスケールダウンにかかる“見えない”コストがあるかどうか
- クラウドサービスで障害が発生した場合に誰が責任を負うべきか
- データを物理的にどこに保存すべきで、その保存場所は規制やコンプライアンスの問題にどう影響するか
といった問題に関する示唆に富んだ意見や指針を示してくれるだろう。
併せて読みたいお薦め記事
「脱クラウド」を引き起こす要因とは
「脱クラウド」時のポイントは
「脱クラウド」の動きは国内でも
脱クラウド戦略で見落としてはいけないポイント
脱クラウドに向けた出口戦略は、自社のクラウドサービスの利用方針に関して包括的な内容にすべきだ。「クラウドベンダーとの関係を終わらせるときに何が起こり得るかを予期しておくことも欠かせない」。テクノロジー系の案件を扱う法律事務所Culhane Meadowsの共同設立者、ジェームス・メドウズ氏はそう話す。
クラウドサービスが連携するサードパーティー製サービスの提供終了、データ侵害、別のクラウドサービスへの移行など、起こり得るシナリオをできる限り多く検討する。「これはチェックリストで確認するような作業ではない」とメドウズ氏は語る。
人的要因も考慮する必要があると、コンサルティング会社UpperEdgeでコマーシャルアドバイザリープラクティスリーダーを務めるジェフ・ラザート氏は指摘する。「出口戦略を検討する際は、利用するクラウドサービスを代替する選択肢に関して、従業員に対する教育や組織の受け入れ準備も必要だ」(ラザート氏)
新しい製品やサービスを調達する際は、提案やデモの要請をするなど、さまざまなベンダーと関係を構築することになる。これには人的なコストが伴う。従業員が新しい製品/サービスの操作や運用方法を学ぶためのトレーニングにもコストが付いて回る。
隠れコストに注意
調査会社Gartnerでバイスプレジデントを務めるイライアス・クナサー氏によれば、出口戦略の一環として考慮すべき見えないコストがある。これを把握するには、次の点を確認しておく必要がある。
- オンプレミスのインフラにアプリケーションを移行させる場合に必要になるハードウェア
- 自社データセンターの有無
- コロケーション設備を利用する必要性
- 移行対象のアプリケーションで必要になる開発作業
- エンドユーザーに対するトレーニングの必要性と、それに要する時間
- オンプレミスのインフラへの移行による生産性低下の可能性と、それによって生じるコストの種類
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
2
AIが本番環境を削除し復旧に13時間 「暴走」ではなかったAWS事例
-
3
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
-
4
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
-
5
「プログラマー不要論」にThe Linux Foundationが示した答え
-
6
SAP保守を分割・離脱も可能に EU承認で変わるECCユーザーの2027年問題
-
7
Microsoft 365の知られざる5つの裏口 パスワードを変えても攻撃者は消えない
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
10
ニトリHDが基幹システムをOCI移行 DR切り替えを12時間から3時間に短縮
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー