「接触回避」と「清潔管理」は、コロナ禍のオフィス勤務で特に気を付ける必要がある。これらの課題の解決に役立つのが「音声認識技術」だ。主要な技術を紹介する。
在宅勤務などのテレワークに切り替えていた企業がオフィス勤務を再開するならば、非接触型のコミュニケーション技術をいかに活用するかが鍵となる。前編「コロナ禍のオフィス勤務のお供に『音声認識技術』が役立つ理由」に続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の中で、オフィス勤務をスムーズに再開する際に役立つ音声認識技術を紹介する。
一般家庭での利用が広がっている「Amazon Echo」や「Google Home」などのスマートスピーカーは、音声認識に対応した業務アプリケーション用のエンドポイントとしても検討する価値がある。音声操作が可能なスマートスピーカーは、従業員が職場に復帰したときに一層の効果を発揮するだろう。
スマートスピーカーのメリットは、単に非接触型の職場環境に適しているだけではない。これらが搭載する音声アシスタント機能でエンドユーザーの行動を学習することにより、さらに用途は広がる。まずは音声コマンドによる会議支援(会議のセットアップや参加者の招待など)や、リアルタイムの文字起こし機能による議事録作成に利用してみるとよいだろう。
声紋認証も人工知能(AI)技術全体の発展とともに急速に進化しており、ワークフローシステムやチームコラボレーションに応用できる。
生体認証にはさまざまな種類がある。声紋認証には網膜認証や指紋認証といった、以前から利用されている他の生体認証にはない利点があり、非接触型の職場環境を構築する際に大いに役立つ。IT製品導入の意思決定者にはまだ理解が浸透していない可能性があるが、声紋認証において重要なのはAI技術であり、個人の声を聞き分ける能力だ。高い信頼性を確保した声紋認証によって本人確認ができることは、チームコラボレーションにも非常に有用だ。
声紋認証を生産性向上に役立てることもできる。例えば建物(エレベーター、オフィスフロア、会議室など)に入るときに声紋認証を使うと、接触型の認証よりも感染症対策として安全で、素早く認証できる。会議を開催したり出席したりするときにも、PCや専用デバイスで声紋認証を利用すれば、声だけで参加できる。
音声文字変換(STT:Speech to Text)は、日常的に職場で利用できるほどに進化したAI技術の一つであり、オフィス作業にもテレワークにも非常に便利だ。キーボードを使用できなかったり、使いにくかったりする状況で、100%正確な入力を必要としない限りは、STTは有効な手段になる。
STTの用途は次のようなものだ。
機械学習アルゴリズムの向上に伴い、さらに複雑なタスクもSTTで実行できるようになるだろう。従業員が安心してオフィスに出勤できるようにしたい企業にとって、STTは非接触型のチームコラボレーションを実現する重要な要素になる。
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