話し言葉の解析はビジネスにどう役立つのか
いまさら聞けない「自然言語処理」「チャットbot」とは 音声技術ミニ用語集
コンシューマーだけでなく、企業での導入も進んでいる音声技術。主要技術とその主な用途に関するミニ用語集をお届けする。
「Amazon Alexa」や「Google Home」といった「音声アシスタント」(詳細は後述)のユーザーは、スマートスピーカーに話し掛けて天気を尋ねたり、タイマーのセットを指示したりできる。音声アシスタントは、ユーザーの声の認識に音声技術を使っている。音声技術は、音声を扱うあらゆる技術の総称だ。音声を使うアプリケーションのほとんどは、幾つかの種類の音声技術を組み込んでいる。
今や音声技術はコンタクトセンターから一般家庭まで、幅広く利用されるようになっている。音声技術が成熟し、関連ベンダーが差異化を図る中で、新しい用途が登場している。本稿は「技術」と「用途」の2つの観点から、音声技術に関する8つの用語を解説する。
音声関連技術1:人工知能(AI)
「人工知能」(AI)技術を利用することで、人間の知性を模して学習、推論、自己修正するシステムを構築できる。例えばコールセンターの一次対応にAI技術を組み込むことで、顧客との会話から必要な情報を認識して、問い合わせ内容にあった二次対応先に転送する自動化システムを実現できる。
〇機械学習
AI技術の一つである機械学習は、話し言葉の無数のパターンを学習して、システムのパフォーマンスを向上させる目的で利用できる。例えばコンタクトセンターが機械学習を実装したシステムを導入する場合、実際に利用する中で、相手の話す内容に応じた問い合わせ対応をシステムに学習させることができる。学習の結果、システムはより状況に合った応対ができるようになる。
音声関連技術2:自然言語処理(NLP)
「自然言語処理」(NLP)もAI技術の一つであり、文字通りコンピュータが人間の言葉を処理するための技術だ。話し言葉は言い回しや意味、ニュアンスが文脈によって異なる。全てが厳密に指定されたプログラミング言語とは対照的だ。更に音声には無数のパターンがあるため、NLPはプログラミングが特に難しい技術となっている。
NLPは、複雑な話し言葉の内容を理解するために、構文と単語の意味の両方を分析する。これらの分析によって文脈に基づいて単語を認識して、グループ化し、これらの単語の背後にある意味を判断しやすくする。NLPは、機械学習の一つであるディープラーニングと組み合わせることで、ユーザーとのやりとりの過程で音声の処理精度を自動的に改善する。
音声関連技術3:音声認識
「音声認識」は、音声をコンピュータで処理可能なフォーマットに変換する技術の総称だ。個別の具体的な仕組みと用途は、非常に多岐に渡る。特定の単語やフレーズのみを理解できる音声認識は、単純な自動音声応答(IVR)システムに使われている。人間の発話内容を文章として認識できる、より高度な音声認識もあり、これらは通話転送、音声テキスト変換、音声検索といった用途で使う。音声認識の精度は向上しつつある。ただし人間並みの精度を実現するまでには、まだ時間がかかりそうだ。
音声技術用途1:感情分析
会話の内容や会話で使われた単語を基に、人の声に含まれる感情のサインを解析するのが「感情分析」だ。この技術はコンタクトセンターが、顧客からの問い合わせの理由や、顧客の気持ちを見極める手段として使っている。収集した通話データの感情分析を、顧客とのやりとりの改善に使う企業もある。
音声技術用途2:TTS
テキスト入力を基に音声を合成する技術は「TTS」(Text to Speech)という。TTSを利用する企業は、ハンズフリーでメールを確認するためのテキスト読み上げといった用途で使っている。
音声技術用途3:STT
「STT」(Speech to Text)はTTSの逆で、音声入力した内容をテキストに変換する。STTには、文字起こしや会話内容の書き取りといった用途がある。
音声技術用途4:チャットbot
「チャットbot」は、音声またはテキストによる自動応答で、人間とコミュニケーションを取るソフトウェアの総称だ。一般的にはコンタクトセンターが、電話応対の担当者のリソースを節約し、オペレーションを効率化するために使う。AI技術を組み込んだチャットbotは、ユーザーとの個々のやりとりを基に、実運用する中でユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)を向上させることができる。総じてチャットbotは、シンプルなIVRシステムと比べて、入力内容の詳細まで正確に捉えたやりとりを実現する。
音声技術用途5:音声アシスタント
音声アシスタントはNLPを利用した音声認識システムを採用している。音声アシスタントは消費者だけでなく、業務への利用も広がっている。ほとんどの音声アシスタントは、音声コマンドに応答するという原則に従って動作する。AI技術の進歩に伴い、音声アシスタントは、予約を入れたりチケットを購入したりといった、従来の一問一答ではなく複雑な段階を踏むタスクを実行できるようになっている。
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