VMware Horizonのブラックスクリーン問題を招く「解像度」「GPO」の問題「VMware Horizon」トラブルの原因と対策【前編】

「VMware Horizon」で仮想デスクトップが正常に利用できなくなる「ブラックスクリーン」問題はなぜ起きるのか。主な原因のうち2つと、それぞれの対策を説明する。

2021年01月08日 05時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]

 VMwareのVDI(仮想デスクトップインフラ)ソフトウェア「VMware Horizon」で頻発する一般的な問題に「ブラックスクリーン」がある。ブラックスクリーンは、エンドユーザーが仮想デスクトップに接続すると、ディスプレイに黒い画面が表示され、すぐに接続が切断されてしまう問題だ。

 VMware Horizonのブラックスクリーンは、仮想デスクトップ管理者であれば簡単に解決できることがある。大抵の場合、原因となるのは単純な設定ミスだからだ。本連載はVMware Horizonのブラックスクリーンの原因となり得る代表的な5つの問題と、その解決方法を説明する。

問題1.画面解像度の設定ミス

会員登録(無料)が必要です

 物理デバイスのディスプレイの解像度がVMware Horizonの利用に適していないことが原因で、ブラックスクリーンを引き起こすことがある。具体的には、IT管理者が構成した仮想デスクトップのテンプレートが、クライアントデバイスで利用できない高さの画面解像度を設定している場合に問題が起きやすい。

 管理者は、仮想デスクトップの配信を制御するコネクションブローカー「Horizon Connection Server」(Horizon接続サーバ)の管理画面にログインし、デスクトッププール(用途に応じた仮想デスクトップの分類)の設定にアクセスすることで解像度を確認できる。画面解像度が静的な値に設定されていた場合は、その設定が全てのクライアントデバイスで利用できる解像度になっていることを確認する。仮想デスクトップの画面解像度をクライアントデバイスに合わせて自動で調整するように設定することでも、問題を解決できる。

問題2.グループポリシーオブジェクトの破損

 VMware Horizonは、エンドユーザーの認証や管理にMicrosoftのディレクトリサーバ「Active Directory」を利用する。「Group Policy Object」(GPO:グループポリシーオブジェクト)は、Active Directoryのポリシー設定群だ。仮想デスクトップに接続するためのDNS(ドメインネームシステム)に関するGPOが破損すると、仮想デスクトップが利用できなくなる。この場合は、VMwareのサーバ管理ソフトウェア「vCenter Server」を使って仮想マシンを制御しながら、「Local Group Policy Editor」(gpedit.msc:ローカルグループポリシーエディター)を使ってGPOを置き換える必要がある。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 SB C&S株式会社

仮想化環境のモダナイゼーションを加速させる、新しい運用管理方法とは?

さまざまなメリットをもたらす仮想化環境だが、2023年にVMwareが買収されたことで、ユーザー企業は難しい判断を強いられている。そこで、コストメリットも大きい、仮想化環境のモダナイゼーションの方法について解説する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

データ利活用基盤を強化:NTTコミュニケーションズのストレージ導入事例

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

製品資料 横河レンタ・リース株式会社

Windows 11への刷新はデータ移行が重荷、作業負荷を大幅に軽減する方法とは?

OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。

事例 ニュータニックス・ジャパン合同会社

サーバ250台の移行事例、東海理化が仮想環境を刷新した理由とその効果とは?

技術や市場の変化が激しい自動車業界にあって、長年、数多くの自動車メーカーに部品を供給してきた東海理化。同社は変化に柔軟に対応するためのDX推進に当たって、これまで運用してきたレガシー仮想環境からの移行を断行する。

製品レビュー ニュータニックス・ジャパン合同会社

クラウド同士の連携と運用の課題解消、WebスケールITの基準を採用した基盤とは

ハイブリッド/マルチクラウドへ移行する企業のIT環境だが、クラウド同士の連携は複雑な上に、運用も非効率になりがちだ。そこで、この問題を解消するためのハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームを紹介する。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...