捨てられない業務アプリがそこにある
Windows“レガシーアプリ”をiPad/iPhoneで動かせる注目製品
Windowsで稼働するレガシーアプリをいまだに捨てられない企業は多い。こうした旧来の業務アプリは、モバイル端末でさまざまな問題を引き起こす可能性がある。IT部門はどのように対処すべきだろうか。
現在でも旧世代のアプリケーションを業務に使っている企業は、リファクタリングという開発手法を用いることによって、その寿命を延命させることが可能だ。
米Microsoftの「Windows」で稼働する業務用のレガシーアプリケーションは、米Appleの「iOS」や米Googleの「Android」のようなモバイルプラットフォームが登場する何年あるいは何十年も前から、数え切れないほど作られてきた。そのため、旧式のビジネスアプリケーションはモバイルとの互換性を考えたデザインになっていない。さらに、開発ベンダーは既に存在しないか他社に買収されていることも多く、IT部門は残されたレガシーアプリケーションの対応に頭を悩ませている。
こうした状況から、企業のIT担当者は今、アプリケーションのリファクタリングという概念について理解を深める必要があるだろう。この開発プロセスにより、旧来のWindowsデスクトップ向けアプリケーションをモバイルプラットフォームでも使いやすくすることができる。
具体的には、マウスを使った操作の中で、モバイル端末のタッチスクリーンではうまく機能しない全ての操作をリファクタリングの対象として検討されたい。例えば、デスクトップ環境であれば、メニューバーの「ファイル」や「編集」をクリックして、2~3階層下まで進んで必要なタスクを見つけることは造作もないことだ。だが、モバイル端末で同じことをしようとするとどうだろうか。それから、画面サイズについても、モバイル端末で問題を引き起こすことが多い。23インチディスプレー向けに作られたWin32アプリケーションを、手のひらに収まるサイズの端末で使おうとしても、拡大縮小などをしない限り、非常に見にくく操作しづらいだろう。
アプリケーションのリファクタリングベンダー
アプリケーションのリファクタリングでは、仮想化技術の導入やソースコードの追加によって、上述の問題に対処することができる。具体的には、Windowsのレガシーアプリケーションのユーザーインタフェース(UI)を調整して、タッチスクリーン搭載のモバイル端末で使いやすくする。本稿では、幾つかの優秀なアプリケーションのリファクタリングベンダーについて詳しく見ていきたい。
米PowWowは、Microsoftの「リモートデスクトッププロトコル」(RDP)を活用して、WindowsおよびWeb向けのレガシーアプリケーションをiOS搭載端末に配信可能にするベンダーだ。PowWowはRDPストリームを詳細に分析して、特定のUIコンポーネントを変更する。PowWowのサービス内容は多岐にわたる。例えば、ボタンを押しやすい大きさに変更したり、スクロールバーをタッチ&ドラッグ機能に置き換えたり、ドロップダウンメニューの代わりにポップアップボタンを追加したりすることが可能だ。いずれの処理も、新しいアプリケーションのコードを記述したり、アプリケーションプログラムインタフェース(API)の変更について把握している必要はない。
米Reddoは、Windowsのレガシーアプリケーションのプレゼンテーション層をHTML5アプリケーションに反映して、モバイル向けに最適化するベンダーだ(Webアプリには対応していない)。開発経験のないIT担当者でも、2つのアプリケーションが並べて表示されるデザイン画面でWindowsアプリケーションの特定のタスクや機能(画面遷移やテキスト、色など)を選んで、モバイル対応にすることができる。作成されたアプリケーションのコードは「Reddo Application Server」を経由してHTML5対応ブラウザを搭載した端末に配信される。ブラウザを使用しないローカルアプリとHTML5アプリのハイブリッドアプリとしてデプロイすることも可能だ。
米Caprizaのサービスを活用すると、モバイルデバイス特有の機能をレガシーアプリケーションに追加できる。このような機能には、カメラ機能へのアクセスや位置情報サービスなどがある。IT部門は「Zapps」と呼ばれる変更済みのアプリケーションを、HTML5ベースのWebアプリと互換性のある任意のブラウザに配信できる。Caprizaは、独SAP、米Oracle、PeopleSoftのアプリケーションと「Microsoft SharePoint」に対する専用サポートがある。
米Framehawkはアプリケーションリファクタリングのパイオニアだ。米Citrix Systemsは2014年初頭にFramehawkを買収した。Citrixは同社の「Citrix XenApp」と「Citrix XenDesktop」で使用している「HDXプロトコル」にFramehawkのサービスを組み込む計画を立てている。Framehawkのユニークな点は、「Lightweight Framebuffer Protocol」(LFP)と呼ばれる自社開発のモバイルプロトコルを採用しているところにある。LFPは、PowWowやReddoとほぼ同じ形で従来のデスクトップアプリケーションのリファクタリングを行うことができる。だが、それだけでない。LFPを利用すると、一般的にモバイルデバイスが使用する種類のネットワークで起こりがちな予期しない遅延やパフォーマンスが発生した場合もアプリの使用が最適化される。
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