「シンプルなファブリック」でSDNは「2016年こそ本当に」離陸できるのか普及を阻むのはベンダーの独善的拙速(1/3 ページ)

「企業はメリットのないものを決して導入しない」「従来技術によるネットワークアーキテクチャは終わりを迎えようとしている」と語るネットワーク技術者が、SDNが普及するために必要な条件を示す。

2016年06月15日 09時00分 公開
[佐熊勇介日本アバイア]

 「Software Defined Networking(SDN)は複雑そうだ」「SDNはうちのような規模の小さい企業には見合わない」

 このようなユーザー企業の声を、この数年何度も聞いてきた。SDNという言葉に対して、日本ではこのような間違ったイメージに基づく誤解が広まっている。その原因は、多くのSDN対応ネットワーク機器ベンダーが、ユーザー企業の課題を解決するためではなく、自分たちの理想とするSDNを主軸とした提案を押し付けてきたことにある。しかし、ユーザー企業は、ビジネスメリットのないものを決して導入しない。

 その一方で、ネットワークを取り巻く環境が急激に変化している。スマートデバイスやインターネットにつながるモノ(IoTデバイス)の普及、ビッグデータの活用が進み、新たなビジネスチャンスを生んでいる。これらのビジネス活用が進む中、ユーザー企業はビジネスプロセスの自動化を求めている。「デジタルトランスフォーメーション」と呼ぶことも多いこの流れがある一方で、支えるネットワークインフラは従来通り設定や構成変更が必要なままだ。この状態はいつまで続くのだろうか。

 今こそ自動化したネットワークが必要だ。そのためにはSDNの概念を実現できる正しいアプローチが必須になる。この記事ではそのステップを紹介する。

       1|2|3 次のページへ

ITmedia マーケティング新着記事

news149.jpg

最も利用率の高いショート動画サービスはTikTokではない?
ADKマーケティング・ソリューションズは、ショート動画に関する調査結果を発表しました。

news131.jpg

古くて新しいMMM(マーケティングミックスモデリング)が今注目される理由
大手コスメブランドのEstee Lauder Companiesはブランドマーケティングとパフォーマンス...

news087.png

Yahoo!広告 検索広告、生成AIがタイトルや説明文を提案してくれる機能を無料で提供
LINEヤフーは「Yahoo!広告 検索広告」において、ユーザーが誘導先サイトのURLを入力する...