回復に向かう2011年のIT予算と優先課題(後編)
世界2300社が選ぶ2011年のIT投資優先課題、1位はサーバ仮想化
世界2300社のITマネジャーを対象に、2011年のIT投資に関する優先課題を聞いた。ITマネジャーたちが選んだ最優先課題はサーバ仮想化だった。
「2011年のIT投資優先課題、ITインフラよりもアプリケーションへの支出再び」では、調査結果の全体像をお伝えした。2010年までと異なり、ITインフラよりも事業の成長を支援するソフトウェアへの投資が拡大しつつある傾向がみられた。後編では、IT投資への優先度が最も高かったサーバ仮想化と、近年話題になっているクラウドコンピューティングやモバイル関連の2011年の動向をお伝えする。
2011年のワールドワイドでの優先度トップはサーバ仮想化
新技術に関する限り、仮想化は間違いなくメインストリーム入りを果たした。サーバ分野では、サーバ仮想化が最も人気の高いプロジェクトだった。56%の企業が2011年、サーバ仮想化への投資を予定している。また、34%の企業が仮想マシンのバックアップ用に特化した製品や技術に投資する考えだ。ストレージの仮想化もここにきて普及の兆しを見せており、2011年は34%の企業のIT部門(大企業では40%)が投資を予定している。デスクトップ、アプリケーション、ネットワークの仮想化への投資意欲はやや低く、投資を予定している企業は27~29%にとどまっている。
一方、まだ必ずしもメインストリームになったとはいえないが、着実に人気が上昇しているのがクラウドコンピューティングだ。33%の企業のITマネジャーが「2011年は何らかのクラウドプロジェクトを計画している」と答えた。「クラウドストレージ構想に取り組む予定だ」と答えたITマネジャーは22%だった。しかしプライベートクラウドや、パブリッククラウドと連係したプライベートクラウドといったセキュリティを重視したクラウドインフラへの投資意欲はまだ低い。「2011年にプライベートクラウドを立ち上げる予定だ」と回答したITマネジャーはわずか16%で、「パブリック/プライベート連係型クラウドを立ち上げる予定だ」としたのは13%だった。大手企業だけで見れば、クラウド技術の全ての面でやや先を進んでおり、41%が何らかの取り組みを予定している。
多くの企業がプライベートクラウドに向かっているようだ。Macy'sのナム氏は「私はさまざまなフォーカスグループに参加している。先週もそういった集まりに顔を出し、クラウドについて話し合った。プライベートクラウドの導入を考えている企業は非常に多いが、パブリッククラウドへの関心は低い。パブリッククラウドを信頼していない企業が多いからだ」と話している。
大きな話題を呼んでいるもう1つの分野がモバイル技術だ。モバイルの導入をめぐる状況はクラウド技術のそれに似通ったところがある。それは、実用の域には入ったが、期待したレベルには達していないということだ。とはいえ、2011年、タブレットPCの導入を計画している企業は21%に上る。1990年代半ば以来、非常にニッチな製品分野だったことを考えれば、大きな前進だといえるだろう。「業務アプリケーションを携帯端末向けに強化する」という回答が、この分野の現状を最もよく表しているといえそうだ。全世界で20%の企業(大企業では28%)が、その取り組みを進めている。
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