無線WANサービスをめぐる5つの誤解(前編)
「3G無線WANは遅くて不安定」という誤解
3G/4G回線をWANとして活用することに抵抗を覚える企業は多い。だが、懸念点の中には誤解も含まれている。前編では、2つの誤解を明らかにする。
無線WANサービスのメリットは、有線インフラが整備されていないリモートオフィスにネットワークアクセスを提供できるというだけにとどまらない。柔軟性とセキュリティに優れた安価な方法で支店・支社と接続する手段も提供できるのだ。理屈の上では無線WANサービスは非常に魅力的に思えるが、多岐にわたるモバイル通信用セルラープロトコルや複数世代の技術が複雑に絡み合って多くのIT管理者を混乱させているのが現実だ。この混乱は無線WANサービスの基本的な機能をめぐる誤解を招き、多くのネットワーク管理者が無線WANをバックアップ手段としてしか検討しないという状況につながる可能性がある。
無線WANサービスは、全ての用途に最適な選択肢だとはいえないが、意識の高いネットワーク管理者であれば、特定の環境ではこの技術がベストな接続方式になる場合が多いことを理解できるだろう。本稿では、無線WANサービスにまつわる誤解を解き、この技術があなたの会社のWANに適しているかどうかを判断するための手掛かりを提供する。
「無線WANサービスは支店との主要な接続手段にはなり得ない」という誤解
無線WANサービスは、マシン間の通信以外には主要な接続手段としては使えないといわれることが多い。サービスが不安定でパフォーマンスが低いというのが理由だ。このため、無線WANを安価なバックアップオプション程度にしか考えないIT管理者も少なくない。
現実
確かに無線WANは、全ての用途に最適なオプションではない。だが、大多数のアプリケーションの帯域幅要求が低い支店との主要なネットワーク接続という用途としては十分過ぎるくらいの技術だ。
適合企業
有線方式が利用できない地域にあるリモートオフィスと接続したいが、T1回線を建物に引き込むのは費用が掛かるので避けたいと考えている企業にとって、無線WANサービスは有力な選択肢だ。また、セキュリティを特に重視している企業も無線WANに魅力を感じるかもしれない。セルラーサービスには、通信中のデータを保護する128ビット暗号化などのセキュリティ対策が組み込まれているからだ。既存支店との接続に加え、無線WANサービスを利用すれば、一時的な事業所との接続も素早く(何週間という単位ではなく数日で)確立することができる。
「3G無線WANは遅くて不安定」という誤解
現実
3G無線WANサービスがT1回線の最大速度(1.544Mbps)に及ばないのは事実だが、多くのアプリケーションは3Gの速度でも十分過ぎるくらいだ。POS現場との接続、モバイルアプリケーション間の接続、車両と支店間の接続など、スループット要求がそれほど高くない用途には3Gサービスは優れた選択肢であり、有線WANよりも安価だ。3Gの安定性をめぐる懸念にはそれなりの理由があるが、最近の調査によると3Gの安定性は改善しており、80%以上の信頼性を宣伝しているキャリアも多い。
適合企業
ほとんどの企業にとって、この80%の信頼性という数字は受け入れられないだろう。データ/音声トラフィックの5分の1以上が失われると思うだけでぞっとするかもしれない。
3Gは十分な速度を提供するが、安定性をめぐる懸念のために企業は今後も慎重にならざるを得ないだろう。しかしだからといって、業務環境に3Gが活躍できる場所がないということではない。3Gは有線ネットワークへのバックアップ接続として利用できる他、一部のアプリケーション(ベストエフォート型で十分な無線キオスクなど)では主要な接続手段にもなり得る。こういった用途では、低価格という魅力を備えた3Gが最も有力な選択肢になる可能性がある。
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無線WANサービスをめぐる5つの誤解
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