Windows 8に向けてIT管理者が準備すべきこと(後編)
IT管理者が知っておくべきWindows 8のブート、仮想化、管理機能
Windows 8では、ブート機構にも影響の大きな変更が加えられている。IT管理者にとってこの変更は歓迎すべきものなのか、厄介事の原因となるものなのか。
前編「IT管理者がチェックすべきWindows 8の機能と仕様」では、Windows 8を管理する立場からユーザーインタフェースのMetro、アプリインストールシステムのAppX、Internet Explorer 10を再確認した。後編では、残りの機能について解説する。
ブートプロセス
Windows 8では、再度初期化をしなくても済むように、ハードウェアドライバを含むイメージを部分的に休止状態にすることで、起動時間をかなり短縮している。他にWindows 8のブートプロセス関連で、これまで大きく注目され物議を醸しているのは、ブート時のマルウェアによる攻撃を防ぐための技術「Unified Extensible Firmware Interface(UEFI)」と「セキュアブート」のサポートだ。
一部では、UEFIが搭載されているコンピュータにWindows以外のOSをインストールすることが難しくなるのではないかとの懸念が表明されている。Microsoftは、手動でセキュアブートプロセスを変更することやUEFIを無効にすることは禁止しないと発表しているが、コンピュータメーカーがこれを許可しない可能性がある。Windows 8の搭載マシンではセキュアブートを有効にしないと、Windows 8ロゴの使用が認められないためだ。
そのため、特にUEFI搭載ハードウェアにMicrosoft以外のOSをインストールする必要がある場合は、ハードウェアとOEMの動向に注意してほしい。主要ハードウェアメーカーが、エンドユーザーからもIT管理者からも反感を買うことなく、UEFIやセキュアブートを無効にできるとは思えない。しかし、ニッチ市場を狙うOEMであれば、主流メーカーほどの反発を受けることはないだろうから、筆者としては望みを残している。
仮想化
Windows 8には多数の新しい仮想化機能が組み込まれている。Hyper-VクライアントハイパーバイザーとOSとが統合され、以前のバージョンのIEを使用できる構成済みの仮想マシンなど、Hyper-V上で実行可能な他のOSをウィンドウを使って直接起動し、実行できる。また、Hyper-Vの実行中はシステムをスリープ状態や休止状態にできなかった問題も解決されている。
となると、VMware PlayerやVirtualBox(参考:VMwareやMicrosoftの仮想PC製品に匹敵する無償ソフトウェア)など、サードパーティーのデスクトップ仮想化製品が不要になるかどうかが、多くのユーザーの気になるところだ。一言で答えると、「その場合もある」。Hyper-V以外の製品が必要かどうかは、実際にユーザーが利用するシステムの機能と、それらの機能をWindows 8のHyper-V実装でも問題なく運用できるかどうかによる。
例えば、VirtualBoxはマルチモニターをサポートするが、Hyper-Vはまだのようだ。ただし、特定のOSのサンドボックス上でアプリケーションのちょっとしたテストを実行する場合や、Microsoftが提供するIEの互換性検証用仮想マシンを使用する場合など、要求が厳しくないほとんどのケースでは、Hyper-Vで十二分に対応できる。
展開と管理
Windows 8の新しい展開機能と管理機能の幾つかは、展開前に確認しておく価値がある。例えば、リフレッシュ機能とリセット機能はシステムの復元のような働きをするが、より高度な機能を提供する。リフレッシュ機能の場合、ユーザー設定やWindowsのアプリケーションストアから購入したアプリケーションを維持したまま、システムを特定の時点の状態に戻すことができる。
リセット機能は基本的に高速化された再インストールであり、全てが消去される。なお、社内で設定した状態にリフレッシュするなど、IT管理者がリフレッシュやリセットの動作をカスタマイズしてシステムを展開できるかどうかについては、今のところ不明である。
もう1つの重要な展開機能は、Windowsでこれまで折に触れて試みられてきたリムーバブルドライブからのOS実行である。Windows 8の「Windows To Go」機能がまさにそれで、完全に機能する独立実行型のWindows 8をUSBドライブから実行できる。契約社員用にシステムを一時的にプロビジョニングする場合などに備えて、この機能は要マークだ。Windows To Goは、特殊な構成が必要なOSを使って自宅から仕事をするような状況にも便利だ。
ところで、Windows 8をSystems Center Configuration Manager 2012から展開できるのだろうか。一言でいうと「できる」。ITエキスパートのジェームズ・バンナン氏は実際にこれを試し、テスト用のワークステーションにWindows 8のプレビュー版を簡単にデプロイできたことを報告している。また、Microsoft Deployment Toolkit 2012を使用しても展開できる。
情報収集と準備はいつからすべきか
Windows 8で約束されている機能のほとんどは、提供までに少なくともまだ1年ある。Windows 8の新機能がIT管理者の業務にどのように影響するかを正確に示すことはできない。多くは実装次第だし、今からリリースまでに、エンドユーザーとIT管理者に対してどのような形でそれらの機能を提供するか調整する時間はたっぷりある。それでも、今から情報収集を始め、各自のニーズと制約を踏まえてWindows 8をテストする設備を確保しておきたい。
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Windows 8に向けてIT管理者が準備すべきこと
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