“ウェアラブル革命”は本当か
スマートウオッチ速攻比較、ソニー「SmartWatch 2」vs. Samsung「GALAXY Gear」の意外な結果
米Appleの参入もうわさされるスマートウオッチに、Samsungとソニーが製品を投入した。両製品の機能やディスプレー、接続性能などを早速比較する。スマートウオッチの可能性とは?
2013年9月中旬にドイツ・ベルリンで開催された欧州家電見本市「IFA 2013」は、端末市場で全く新しいカテゴリーの製品が開発の実験段階を超えて販売段階に入ったことで記憶されるだろう。その製品とはスマートウオッチ。無線接続されたスマートフォンのセカンドスクリーンとして機能する腕時計型端末だ。
ただし、スマートウオッチ、あるいは少なくとも、ソニーとSamsung Electronicsがそれぞれ開発した最新の2製品は、確実に消費者に受け入れられるだけの成熟度にはまだ達していない。
これらのスマートウオッチは普通の腕時計と比べてはるかに大きく、風変わりで、お粗末なインダストリアルデザインだ。バッテリー寿命はもっと問題がある。両製品とも数日間しか持たないからだ。さらに、スマートウオッチはディスプレーの解像度が低く、チップセットが比較的遅いという点で、エントリーレベルのスマートフォンにも見劣りする。
しかし、IFA 2013が何かを証明したとすれば、それは、この種のガジェットには関心が寄せられており、新し物好きはこうした端末の展示コーナーに行列を作り、購入を検討するだろうということだ。たとえ実用性に問題があるとしても、である。
同見本市では幾つかのスマートウオッチを試す機会があったが、会場で最も注目を集めていたのは、Samsungの「GALAXY Gear」とソニーの「SmartWatch 2」だった。
ディスプレー
スマートフォンと同様に、スマートウオッチでもディスプレーの画質は重要だ。SamsungのGALAXY Gearはこの点で、ソニーのSmartWatch 2をはじめライバルに圧勝している。GALAXY Gearは、1.63インチで解像度が320×320ドットのSuper AMOLED(スーパー有機EL)ディスプレーを搭載し、その画素密度は277ppiだ。SmartWatch 2の1.6インチLCDディスプレーは解像度が220×176ドット、画素密度は176ppiにとどまる。
並べて比べると、違いは明らかだ。ソニーのSmartWatch 2は基本的なアイコンも縁がギザギザになっているが、SamsungのGALAXY Gearでは全ての線が滑らかでシャープに見える。しかも、GALAXY Gearはコントラストが非常にはっきりしており、どの角度からも見ることができる。一方のSmartWatch 2のコントラストはそのレベルに達していない。
デザイン
デザインに関しては、ソニーのSmartWatch 2に軍配が上がる。確かに、SmartWatch 2は重量が122.5グラムで、SamsungのGALAXY Gearの73.8グラムよりもはるかに重い。だが、SmartWatch 2の方がスリムで、腕に着けた感じが自然だ。実際、普通の腕時計を連想させる。
さらに、SmartWatch 2はIP57(防水・防塵の国際規格)準拠の防水性能を持っている。また、付属のリストバンドはシリコン製かメタル製を選ぶことができ、前者はカラーバリエーションもある。GALAXY Gearはシリコン製リストバンドが付属し、バンドにカメラが、留め金具にスピーカーとマイクが内蔵されている。このリストバンドはさまざまなカラーが用意されているが、素材のバリエーションはない。
接続性
接続性についても、SmartWatch 2の方が明らかに優れている。SmartWatch 2は、Android 4.0以降を搭載する全てのスマートフォンと組み合わせて使えるが、GALAXY Gearは当分の間、GALAXY Note 3と新しいGALAXY Note 10.1タブレットにしか接続できない。
Samsungは、GALAXY Note 2、S3、S4も近いうちに、GALAXY Gearをサポートするようにアップデートされると強調している(このアップデートはAndroid 4.3に依存する)。しかし、GALAXY Gearが上記以外のAndroidスマートフォン(最近のSamsungモデルも含む)との組み合わせでフル機能を発揮するかどうかは不明であり、さらに言えば、発揮することはなさそうだ。広範な端末への対応は、SmartWatch 2の大きな強みだ。
機能性
機能性ではGALAXY Gearが大きくリードしている。SmartWatch 2がサポートしないさまざまな機能が利用可能だ。スマートフォンと接続したGALAXY Gearは、顔に近づけて通話したり、写真を撮って画像を接続先のスマートフォンに自動転送したりできる。
リストバンドに内蔵のカメラは190万画素の解像度を持ち、10秒のHD動画も撮影できる。画質も悪くなく、ミッドレンジスマートフォンに匹敵する。SmartWatch 2はスピーカーすら搭載していない。
バッテリー
バッテリー寿命を比べると、GALAXY Gearの方がはるかに短い。1日しか持たないだろう。となると、毎晩充電する必要があるということだ。これは多くのスマートフォンよりも高頻度である。一方、ソニーの公称値によると、SmartWatch 2は通常の使い方で3~4日持つという(周知のように、公称値はあくまで特定の条件下での数字ではあるが)。これならある程度耐えられるが、普通の腕時計と比べると断然短い。
今後、両製品を十分にテストして正式に評価するのが楽しみだ。だが、両製品の制約を考えると、もし“スマートウオッチ革命”が起こっても、もろ手を挙げて歓迎とはいかないだろう。
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