XP/Vista/7/8/8.1 Previewから8.1へ
XPマシンにWindows 8.1はインストール可能? バージョン別お勧め移行法
2013年10月に正式リリースされたばかりのWindows 8.1。インストールを検討している読者も多いことだろう。ただ、現在使っているWindowsのバージョンによって、思わぬハードルがあるようだ。
「Windows 8.1」をインストールするべきかどうかまだ悩んでいる――そのような読者に対するアドバイスは、その状況によってさまざまである。「使用しているPCのハードウェア構成」「どのバージョンのWindowsを使っているか」「必要な機能は何か」「リスクはどの程度許容できるか」といった要因だ。最も判断が難しいのは、「Windows XP」からの移行だが、「Windows 8」やWindows 8.1 Previewを使っている場合でも、Windows 8.1のインストールは必ずしも容易なわけではない。
以下では、Windows 8.1をインストールする際にユーザーが考慮すべき重要なポイントを、Windows 8.1 PreviewとWindows 8/7/Vista/XPのバージョンごとに解説する。Windows XPからWindows 8.1 Previewまで、リリースの古い方から順に取り上げていく。
Windows XPからのアップグレード:セキュリティ上は必須だが、使用ハードの非力さがネック
世界のPCの3分の1ではまだWindows XPが動いていると推計されている。しかし、米Microsoftが提供しているWindows XPの「延長サポート」の終了まで、残すところ5カ月を切っている。延長サポートの終了に伴い、Windows XPのセキュリティパッチや修正プログラムは提供されなくなる。
「そうなれば、Windows XPが稼働するPCは、セキュリティ上の脅威に無防備になってしまうだろう」――MicrosoftでWindows部門のシニアマーケティングマネジャー兼コミュニティーリーダーを務めるスティーブン・ローズ氏は2013年7月、このように強調した。
Windows 8.1は2013年10月に正式リリースされたばかり。Windows XPが2001年にリリースされてからWindows 8.1に至るまで、世代を重ねるごとにセキュリティが強化されてきた。Windows 8.1には、まったく新しいセキュリティ機能も多数含まれる。例えば、標準搭載のマルウェア対策ソフトウェア、「Windows Defender」に導入されたネットワーク動作の監視技術や、Windows 8.1の全エディションで提供されるBitLockerベースのデバイス暗号化、指紋対応のデバイスセキュリティなどだ。「Internet Explorer」が使用するActiveXコントロールなどのバイナリ拡張を実行前にスキャンできるようにするなど、Windowsの基幹部分にも手が加えられている。
アップグレードするなら断然Windows 8.1、しかし……
Windowsをアップグレードするのであれば、Windows 8.1を選択しない手はない。だが、困ったことに、Windows XPや「Windows Vista」からWindows 8.1への直接移行は推奨されていない。それでもWindows 8.1をインストールしたい場合は、ダウンロード版ではなく、リテールパッケージ版を使い、クリーンインストールするようMicrosoftは勧めている。
ただし、注意が必要だ。Windows XPおよびWindows Vistaからは、ファイル、設定、プログラムの移行が行われない。「ユーザーはファイルと設定を事前にバックアップし、クリーンインストール後にファイル、設定、プログラムを再設定する必要がある」とMicrosoftでコミュニケーションマネジャーを務めるブランドン・ルブラン氏は、Windows 8.1のリリース前にブログで説明している。
Windows 8ユーザーは、Windows 8.1のダウンロード版を無料で入手できるのに対し、Windows XPやWindows Vistaのユーザー(これに関してはWindows 7のユーザーも)は、Windows 8.1に直接アップグレードする場合、119.99ドル(日本での定価は1万4490円)でWindows 8.1のリテールパッケージ版かダウンロード版を購入しなければならない(Windows 8.1 Proはいずれも199.99ドル、日本での定価は2万7090円)。
アップグレードに立ちはだかるハードル
なぜ、古いバージョンからのアップグレードはハードルが高いのか。それには、ハードウェア要件が主に関係している。Windows XPの最小システム要件は、Pentium 233MHzプロセッサ、64MバイトのRAM、1.5GバイトのHDD空き容量といったものだった。
Windows 8.1ではシステム要件が格段に上がっている。Windows 8.1を動かすには、1GHzプロセッサ(PAE、NX、SSE2に対応)と1GバイトのRAMが必要になる。さらに、32ビットシステムでは16GバイトのHDD空き容量、64ビットシステムでは20GバイトのHDD空き容量なども要件に含まれる。
「Windows 8.1をXPマシンにインストールした場合、きちんと動くかもしれないし、動かないかもしれない」と米コンサルティング会社、Directions on Microsoftのアナリストであるウェス・ミラー氏は米TechTargetの取材で語った。
しかし、何らかの方法を使い、既にWindows XPからWindows 8にアップグレードしているユーザーも多そうだ。Windows 8に問題なくアップグレード済みであれば、Windows 8.1にアップグレードできない理由は思い浮かばない」とミラー氏。「だが、うまくいく保証はない」
Windows 8と8.1(およびWindows 7)の基本的なシステムハードウェア要件は、おおむね同じだ。しかし、周知のようにMicrosoftは、計画的陳腐化(新製品の投入によって意図的に既存製品を時代遅れにする)を一貫して実践しており、ユーザーに新しいPCを買ってもらいたいといつも考えている。
一方、Windows 8.1では、Windows XPで使ってきたレガシーソフトウェアプログラムが実行できるかどうか分からない。例えば、Microsoft WebサイトのWindows互換性センターによると、Windows 8.1は、「Microsoft Office 2003」のBasicおよびStandardエディション(いずれもバージョン11)をサポートするが、Professionalエディションはサポートしない。また、単体の「Microsoft Outlook 2003」(バージョン11)はサポートするが、単体の「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Microsoft Office FrontPage 2003」はサポートしない。といった具合で、サポート基準は不明だ。
Windows Vistaからのアップグレード:Windows XPよりもハードルが低いが、ハード増強も検討の余地
Windows Vistaユーザーなら、アップグレードを検討するのにたっぷり時間をかけても、セキュリティ上は問題ない。その理由の1つには、Windows Vistaでは、UAC(ユーザーアカウント制御)などの新しいセキュリティ機能が導入されているからだ。UACは、ソフトウェアがユーザーの知らないうちに管理者権限をこっそり取得するのを防ぐことを目的としている。
だが、さらに重要なことは、まだ3年半近く先の2017年4月11日まで、MicrosoftがVistaのセキュリティパッチと修正プログラムの提供を続けることだ。
しかし、旧式であまりにもシステムが肥大化したWindows Vistaはもう諦めて、OSを移行しようと最終的に決めたのなら、どうなるのだろうか。Windows 8.1にアップグレードする場合、Windows XPマシンよりもWindows Vistaマシンからの方が、うまくいく可能性がはるかに高い
Windows Vistaの最小システム要件は、Windows XPよりも断然高いからだ。Home Basicエディションでは、800MHzの32ビット(x86)プロセッサまたは800MHzの64ビット(x64)プロセッサ、512Mバイトのシステムメモリ、15Gバイトの空き領域がある20GバイトのHDDなど。他の全エディションでは、1GHzの32ビット(x86)プロセッサまたは1GHzの64ビット(x64)プロセッサ、1Gバイトのシステムメモリ、15Gバイトの空き領域がある40GバイトのHDDなどだ。
もっとも、Windows Vistaマシンにしても、Windows XPマシンにしても、HDDやメモリはいつでも増強できる。
Windows 7からのアップグレード:“Modern” UIに対するスタンスが鍵
Windows 7ユーザーにとって、Windows 8.1にアップグレードするかどうかの判断は主に、そのスタート画面とWindowsストアアプリで提供されるUI(“Modern” UIとも呼ばれる)と、それらのアプリを支持するかどうかに掛かっている。
セキュリティに関していえば、Windows 7の延長サポートが終了するのは、まだ遠い先だ。具体的には、2020年1月14日が終了日となっている。
Windows 8と8.1に標準搭載されているWindows Defenderは、アドウェア、スパイウェアに加え、ウイルスなどその他のマルウェアへの対策が可能となっているが、Windows 7に標準搭載のWindows Defenderは、アドウェアとスパイウェアへの対策に特化していた。もっとも、米McAfee、米Symantec、ロシアのKasperskyといった企業のサードパーティーマルウェア対策製品は、Windows XP以降の全Windows OSをサポートしている。
“Modern”環境を本当に使いたくて、そのためには119.99ドルまたは199.99ドルを支払っても構わないというユーザーは、Windows 8.1を導入するとともに、別のパーティションか仮想マシン(VM)環境上で、Windows 7を並行利用する方法もある。
そうすれば、Windows 7の利用を続けながら、Windows 8.1の環境に慣れていける。また、Windows 8.1でドライバーの問題やアプリケーションソフトウェアの非互換性のようなトラブルが生じても、適切に対処できる。
Windows 8からのアップグレード:インストールトラブルに要注意
少なくとも理屈の上では、Windows 8を使って満足しているなら、特にタッチPCを持っている一部の幸運なユーザーの1人なら、Windows 8.1に移行しない理由はほとんど、あるいはまったくない。何しろ、Windows 8.1はただでダウンロードできるのだから。
よく知られている「スタートボタンの復活」をはじめ、Windows 8.1には多くの新機能や改良が加えられている。起動直後にデスクトップを表示する機能、スタート画面にデスクトップの背景を表示する機能、Internet Explorer 11、よりクールになった検索、「SkyDrive」の統合。これらはほんの一部だ。実際、Windows 8と比べ、8.1の方が好ましくない点があるだろうか。
しかし、現実には、Windows 8.1のダウンロード版をインストールしようとしたユーザーが、さまざまなインストール上の問題についてツイートしたり、不満をネット掲示板に書き込んだりしている。例えば、ユーザーに特定のエラーメッセージが表示され、インストールが途中で終了する場合がある。この場合、ユーザーのシステムはWindows 8に自動的にロールバックする。また、ダウンロード中に別のエラーコードが表示され、ダウンロードが中止される場合もある。
だがもちろん、ダウンロードが問題なくスムーズに進むユーザーもいる。
エラーメッセージが表示されたら、オンラインで情報を探してみよう。運良く解決策が見つかるかもしれない。
Windows 8.1 Previewからのアップグレード:アプリの再インストールが必要
皮肉にも、Windows 8よりもWindows 8.1 Previewのユーザーの方が、Windows 8.1へのアップグレードはずっと大変そうだ。
Microsoftの公式説明によると、Windows 8.1 Previewをインストール済みのユーザーは、Windows 8.1の正式版に移行したら、アプリを再インストールする必要がある。これに対し、Windows 8から直接移行するユーザーは、この作業を行う必要がないという。
いずれにしても、Windows 8.1 Previewのユーザーは現実的には、正式版へのアップグレードに踏み切る(しかも、近いうちに)以外に選択肢はほとんどない。前に使っていたOSに戻ってもよいなら、話は別だが。
「プレビュー版ライセンスの有効期限が切れる2014年1月までに、Windows 8.1またはWindows RT 8.1の最終バージョンをインストールする必要があります。プレビュー版をお使いの場合は、PCの使用に支障が生じないように、できるだけ早く最終エディションに更新してください」、とMicrosoftの顧客サポートページには記されている。
WindowsストアからWindows 8.1のプレビュー版をインストールした場合、またはWindows 8の実行中にメディアを使ってプレビュー版をインストールした場合、Windowsストアから無料の更新プログラムをダウンロードできる(個人用ファイルは保持できるが、アプリを再インストールする必要があるとされている)。
しかし、「ISOメディアから起動してWindows 8.1 Previewをインストールした場合、Windowsストアを使ってWindows 8.1 Proの最終バージョンに更新できますが、Windows 8.1ライセンスとプロダクトキーを購入しないと、システムをライセンス認証することができません。そのためには、次の手順を実行してシステムをライセンス認証するか、Windows 8.1 ProのDVDを購入します」と、Microsoftは顧客サポートページで述べている。
Microsoftはこのページで、Windows 8.1 PreviewからWindows 8、Windows 7、Windows Vista、Windows XPにそれぞれ戻す方法も説明している。
また、このページによると、Windows RT 8.1 Previewをインストールする前にWindows RTを実行していた場合、Windows RTに戻すことはできず、Windowsストアを介してWindows RT 8.1にアップグレードする必要があるという。
なお、MicrosoftはWindowsストアで一時的に、無料のWindows RT 8.1更新プログラムの提供を停止していたが、本稿執筆時点で提供を再開している。
Windows RT 8.1は、ARMタブレット向けの最新Windows OS。同更新プログラムの提供が一時停止されたのは、Microsoftのタブレット「Surface」の一部のユーザーがこの更新プログラムをインストールしたところ、“死のブルースクリーン”が表示されるトラブルに見舞われたとの報告がきっかけだった。
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