XPユーザーが今すぐOSを移行すべき3つの理由2014年4月、Windows XPのサポート期間終了

2014年4月のサポート期間終了を目前に控えながら、今なお多くの企業がWindows XPを使い続けている。だが、サポート期間終了後も使い続けることのリスクを考えれば、今からでもOS移行計画を進めるべきだ。

2012年11月30日 08時00分 公開
[Robert Sheldon,TechTarget]

サポート期間終了後も、多くの企業で継続使用が予想されるWindows XP

 米Dimensional Researchは2010年、「Microsoftが2014年4月にWindowsXPのサポートを終了した後、ユーザー企業は同OSをどのように扱うか」について、950人の企業のITプロフェッショナルにアンケート調査を行った。その結果、48%が「同OSを使い続ける」と答えた。

 2012年に米IDCがリリースした報告書では、「サポート終了時点でWindows XPが動作しているのは、Microsoftベースの商用クライアントのうち11%にすぎない見込みだ」としている。ただし、この調査のスポンサーは米Microsoftであり、調査対象企業もわずか9社だ。2014年の時点で相当数の企業が依然としてXPベースのシステムを利用していると見るのが現実的だろう。これらの企業はサポート終了に伴い、3つのリスクに直面する恐れがある。

1.マルウェアの感染リスクが増大

 MicrosoftはWindows XPのサポート終了後、同OSのソフトウェアアップデートの提供を中止する。最大の懸念は、ウイルスやワームなどのマルウェアからコンピュータを防御するセキュリティフィックスが提供されなくなることだ。

 Microsoftの「Security Intelligence Report」によると、現在もセキュリティのアップデートが提供されている唯一のバージョン、「Windows XP Service Pack 3」がマルウェアに感染する危険性は、32ビット版の「Windows 7 Service Pack 1」に比べて2倍以上、64ビット版の「Windows 7 Service Pack 1」と比べると3倍近くあるという。セキュリティアップデートが提供されなくなればWindows XPはさらに脆弱化する。Windows XPのサポート期間終了後、サイバー犯罪者たちは同OSへの攻撃をさらに強める可能性がある。

2.時代遅れの技術により、生産性が低下

 コンシューマライゼーションの進展に伴い、「生産性」と「IT」はますます密接な関係になっている。その点、Windows XPは約10年前に製造されていたハードウェア上で動作し、当時の技術と連携するように開発されたOSだ。10年前のものより高速かつ効率的になった今日のソフトウェア/ハードウェアをフル活用することはできない。例えばWindows XPでは今日のPCのメモリ機能を十分に生かせない。

 加えて、最近のクライアント端末は高解像度ディスプレー、タッチスクリーン機能、高速USBポート、Bluetooth、Wi-Fiといった機能をサポートしている。Windows XPでは、こうした機能をネイティブでサポートしていない場合が多い。これは近年のハードウェアの機能をフルに利用できるOSに比べて、XPベースのシステムは生産性が大幅に劣ることを意味する。特に家庭用システムや携帯端末に組み込まれた最新のインタフェースに慣れたユーザーほど生産性が阻害されるはずだ。

 企業にとっては、利用可能なサードパーティー製ハードウェア/ソフトウェアが減ることも大きな問題となる。周辺機器に対応ドライバが含まれなくなり、新製品だけではなく、従来製品のアップデート版もWindows XP上では動作しなくなる日がそう遠からず来るはずだ。

 「既存システムを今と全く同じ環境で運用する」という企業もあるが、それはあくまで一時的な解決策でしかあり得ない。例えば、米Mozillaは「SP3以前のWindows XPをサポートするのは、Firefox 12が最後のバージョンになる」と発表した。つまり、ほとんどのXPユーザーにとって当面は安心だということになる。しかしFirefoxやその他のブラウザがSP3へのサポートも打ち切れば、ユーザーは最新のアップデートを受け取れなくなるため、自社システムを大きなリスクにさらすことになる。ブラウザ機能のアップデートを必要とする新しいWeb技術を利用することもできない。

3.運用コストの増大

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