PowerPointのヘビーユーザーはわずか2%との調査も
実は使っていない? 不要な「Microsoft Office」ライセンスが分かる方法
ユーザーのキーボードとマウス操作を感知してアプリケーションの利用状況を計測する新しいソフトウェアが、Microsoft Officeの必要なライセンス数を減らすことに役立ちそうだ。
イスラエルの新興企業SoftWatch Technologiesが開発したSaaSアプリケーション利用分析ツール「CloudIT」は、Microsoft Office内でのキークリックとマウス移動をキャプチャーするアルゴリズムを用いている。IT管理者はその分析結果を基に、どれくらいのユーザーが実際にこのソフトスイートを使っているかを知ることができる。
特に、ほとんど利用しないOfficeアプリケーションを削除して、「Google Apps」などのクラウドベースの代替製品へ移行することを検討しているIT部門に、このデータは役立つだろう。
この製品の技術は、従来の高度なライセンシング管理に用いられてきたソフトウェア資産管理ツールの一部だ。この分野の製品としては、SoftWatchのCloudITの他に、英1Eが開発した未利用サーバやエンドポイントソフトウェアライセンスを視覚化する「AppClarity」などがある。
「ライセンシングと適切な(ソフトウェア)監査の必要性に関する認識は高まりつつある」と語るのは、1Eの製品マネジャー、ダニエル・オコナー氏だ。同社のAppClarityを利用すれば、IT管理者は同時ライセンシングのプールを統制するルールを設定でき、それによって企業は特定のアプリケーションに対して過剰なライセンス料を支払う必要がなくなる。
米Pica Communicationsのアナリスト、ポール・デグルート氏によると、資産管理ツールの多くは、ユーザーがバックグラウンドでアプリケーションを実行しているかどうか、実際にそれが利用されているかどうかを判断することができないという。
「多くの顧客が、どれくらい(のアプリケーションを)実行しているか知る術を持たない」と同氏は語る。
CloudITは、エンドポイントにインストールされたエージェントを使って、特許出願中のアルゴリズムがWindowsやMacマシンでアプリケーションを利用する際のキークリックやマウス移動のログを取る。このソフトウェアはオンプレミスに置いても、クラウドに置いてもよい。
「われわれが開発した製品は、ソフトウェアアプリケーションの実際の利用状況を明らかにする」と、SoftWatchの共同CEO、モシェ・コズロフスキー氏は説明する。
CloudITでは、IT管理者が独自の基準でサービスをライトユースまたはヘビーユースのアクティビティに設定することが可能だ。例えば、「Microsoft PowerPoint」のライトユーザーはPowerPointを1日当たり12分しか利用せず、ヘビーユーザーはそれより長い時間利用する、といった定義ができる。
こうした設定により、IT部門はクラウドに移行するかどうか、あるいはどの組織、どのグループを対象にするかなど、明確な情報に基づく選択を行うことが可能になる。
Microsoft Officeスイートのヘビーユーザーは意外と少ない
SoftWatchは2014年4月下旬、15万人のユーザーを対象とする自社のベンチマークを公開した。それによると、PowerPointのヘビーユーザーは全体のわずか2%、「Microsoft Word」のヘビーユーザーは9%、「Microsoft Excel」のヘビーユーザーは19%だった。こうした情報を基に、企業はMicrosoft Officeスイートの利用を続けるべきか、Google Appsのような安価なプラットフォームに移行すべきかを判断することができる。
SoftWatchの今回のベンチマークはMicrosoft Officeが対象だったが、コズロフスキー氏によると、他のソフトウェアでも同様に利用状況の追跡が可能だという。
ある公共セクタのIT管理者は匿名を条件に、SoftWatchの技術を1年半にわたって利用したことを明らかにした。同氏の組織は「Windows XP」から移行しようとしていたため、Microsoft Officeスイートへの全面依存を止め、3000人の職員にGoogle Appsや「Chromebook」、仮想デスクトップを配布するには良いタイミングだった。
「CloudITはユーザーをより深く理解するチャンスを提供してくれた」と、この管理者は語る。それまで利用していたMicrosoftの「System Center Configuration Manager(SCCM)」では、アプリケーション利用状況の視覚化に限界があり、ユーザーがアプリケーションをどれくらい長く実行していたかを知ることくらいしかできなかったという。
CloudITを利用することで、それぞれのユーザーがどの程度アプリケーションとやりとりしているかが見えてきた。
同ツールには「データの可視化とリポート生成能を改善する余地がまだある。それは期待できる点でもあり、残念な点でもある」と同管理者は指摘する。しかし、このツールで得られたデータは、そういう点を差し引いても十分有益だとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー