容量無制限のサービスも
スマホの空き容量が心配な人に贈る「写真/動画保管サービス」8選
スマートフォンを使い続けていると、写真や動画で容量を食い尽くしてしまうことは珍しくない。幸いなことに、データの退避先となり得るサービスが充実している。主要サービス8つを紹介しよう。
iOSやAndroid端末のカメラの進化はとどまるところを知らない。だがその進化にはマイナス面もある。スマートフォンで写真を撮ることが多くなり、もともとそのためにあるデジタルカメラを使わなくなることだ。スマートフォンで生活のさまざまな場面を記録に残すようになると、それらを全部失う羽目に陥らないように、バックアップを取ることが必須になる。
最近のスマートフォンはイメージセンサーが高性能化してピクセル数が増えており、撮った写真のファイルサイズが大きくなっている。写真がたまってライブラリが肥大化すると、それらの保存場所が必要になる。
幸い、米Appleも米Googleも、写真をクラウドに保存する方法を提供している。この方法を使えば、安全にバックアップを取り、スマートフォンのローカルストレージをアプリケーションや音楽、その他のデータのために空けることができる。
Appleは、オンラインストレージ同期サービス「iCloud」の新しい写真用サービス「iCloudフォトライブラリ」のβ版を提供している。Googleの「フォト」アプリは、コミュニケーションサービス「Google+」によるクラウドバックアップオプションを備える。それぞれについてセットアップ方法、写真をクラウドに移すプロセスの自動化方法、クラウド上の写真へのアクセス方法を見ていこう。
写真のバックアップに適した8種のサービス
写真をクラウドにバックアップできるサードパーティーアプリはたくさんある。その中から人気のある「Amazon Cloud Drive」「Box」「Dropbox」「Flickr」「OneDrive」「Shoebox」を取り上げる。これらにiCloudフォトライブラリとGoogle+を加えた8種それぞれについて、無料ストレージの容量、料金プラン体系、ファイルのサイズや種類に関する制限を説明していく。
1. iCloudフォトライブラリ
まず直接アドバイスしたいのは、写真を撮ろうとしたら「ストレージの空き容量が足りない」との警告メッセージが表示されたことがある「iPhone」の16Gバイトモデルユーザーだ。こうした厄介なメッセージが表示されたら、写真ライブラリがやたらと肥大化していることが主な原因だと見てまず間違いない。例えば、「iPhone 5s」は8Mピクセルカメラを搭載し、写真のファイルサイズは平均2.5Mバイト程度。ごく単純に計算すると、1Gバイトのストレージに保存できる写真は約400枚になる。
iOS 8.1を使っているユーザーは、大規模な写真ライブラリを扱うための最新のiCloudサービスであるiCloudフォトライブラリを利用できる。iCloudフォトライブラリはまだβ版だが、だからといって敬遠するのはもったいない。リリース以来、われわれはiCloudフォトライブラリを使っており、これまでのところ使い勝手は申し分ない。iCloudフォトライブラリを有効にすると、フル解像度の写真や動画がiCloudに保存され、iPhoneには写真の軽量バージョンが保存される。iCloudフォトライブラリは全ての写真と動画をオリジナルのフォーマットで保存する(JPEG、RAW、PNG、GIF、TIFF、MP4など)。ユーザーはiPhoneのストレージに写真が占める容量を減らせるだけでなく、他の端末から自分の写真へアクセスできる。
軽量バージョンの写真がiPhone内に残るので、写真をスマートフォンに保存する従来の方法と比べて、ユーザーの操作感に違いはないだろう。軽量バージョンであっても、iPhoneではフル解像度の写真と全く変わらないように見える。写真がローカルに保存されているおかげで、タイムラグなく写真へアクセスできるのも利点だ。スワイプするごとに「写真」アプリがクラウドにアクセスして、iPhoneに表示する写真を見つけるとなれば、そうはいかない。
iCloudフォトライブラリを有効にするには、「設定」→「iCloud」→「写真」と選択し、画面最上部の「iCloudフォトライブラリ(Beta)」のトグルスイッチをタップする。すると、iCloudへの写真ライブラリのアップロードが始まる。写真の容量はiCloudのストレージ領域である「iCloudストレージ」の使用容量としてカウントされるので、この動作に伴い、iCloudの有料プランのいずれかを選択する必要が出てくる可能性がある。写真ライブラリが大きく、iPhoneのローカルストレージが足りなくなる心配があるなら、iCloudが提供する無料ストレージ容量(5Gバイト)では焼け石に水だろう。iCloudの有料プランは、20Gバイトまで月額0.99ドル(国内価格は100円)のプランから、1Tバイトまで月額19.99ドル(同2400円)のプランまで4種類ある。
写真がiCloudにアップロードされても、これまで通り写真アプリでアクセスできるが、アップロードプロセスで幾つかのフォルダが変更される。写真アプリの「アルバム」に「カメラロール」および「自分のフォトストリーム」がなくなり、代わりに「すべての写真」というアルバムで、iCloudフォトライブラリにリンクした自分の写真が全てまとめて表示できる。
iCloudフォトライブラリのセットアップ時に検討すべき1つの設定項目がある。このサービスを開始するためにオンにしたトグルスイッチの下に、2つのオプションが用意されている。デフォルトでは「iPhoneストレージを最適化」が有効になっている。これにより、前述したようにフル解像度の写真がiCloudに保存され、「デバイスに最適化された」小さなファイルがiPhoneに保存される。
iCloudフォトライブラリを、iPhoneの空き容量を増やすのに役立つ疑似的なバックアップサービスとして使うのではなく、本当のバックアップサービスとして使いたいという人もいるだろう。その場合、もう1つのオプションである「オリジナルをダウンロード」を選択する。こうすれば、写真のフル解像度バックアップをクラウドへアップロードする一方で、フル解像度バージョンをiPhoneにも保存しておける。
iCloudフォトライブラリはiOSの写真アプリに組み込まれている。Appleは「Mac」用には、iOSデバイスのようにMacからも自分の写真に簡単にアクセスできる専用アプリはリリースしていない。だが同社は、こうしたMacアプリを開発中であることを明言している。ただし、現時点でもiCloudのWebサイトから写真にアクセスすることは可能だ。写真を見たり、お気に入りに登録したり、ダウンロードしたりできる。
2. Google+
AndroidユーザーはGoogle+の「自動バックアップ」機能を使い、写真や動画をクラウドに保存できる。この機能をオンにするには、「Google+」アプリを開き、メニューボタンをタップし、「設定」を選択する。最上部の「全般設定」セクションで「自動バックアップ」をタップし、最上部のトグルスイッチをタップする。
バックアップは、充電時のみ、あるいは無線LAN接続が使用できる場合のみに実行するように設定することが可能。全ての写真を今すぐバックアップするオプションもある。最も検討すべき設定項目は、Google+にアップロードする写真のサイズだ。「フルサイズ」と「標準サイズ」(低解像度のコピーを指す)という2つのオプションを用意する。標準サイズでは、バックアップは写真の長辺が2048ピクセル以下になるようにサイズが変更されるが、写真をGoogle+に無料で無制限にアップロードできる。フルサイズを選択すると、バックアップは全てオンラインストレージ同期サービス「Googleドライブ」のストレージ使用容量としてカウントされる。15Gバイトまでは無料であり、100Gバイトまでの料金が月額1.99ドル、1Tバイトまでが月額9.99ドルとなっている。
紹介するに値する設定項目がもう2つある。赤目処理や露光補正などの編集を写真に適用する「自動補正」と、雪が降っているようなアニメーションを追加したり、一連の似た写真をGIFアニメーションに変換したりするなど、特殊効果を写真に施す「おまかせビジュアル」だ。
自動バックアップは、スマートフォンの容量節約には直結しない。この機能は写真をAndroid端末に残しつつ、コピーをクラウドにアップロードするだけだからだ。だがクラウドへのコピー後に写真を端末から削除することもできる。それらの写真はデバイスの「端末内」と「すべて」の両方のビューから消えるが、コピーがクラウドに残る。スマートフォンやクライアントPCなどからGoogle+アカウントを使ってそれらを見たり、ダウンロードしたりできる。
3. Dropbox(iOS、Android、Windows Phone)
クラウドストレージサービスの老舗であるDropboxは、写真や動画のフル解像度コピーをDropboxのフォルダにアップロードする「カメラアップロード」機能を以前から用意している。最近では、素早くバックアップできる上、フォトビュワーも利用できるアプリ「Carousel」も提供している。このビュワーでは、クラウドにある写真や動画をスワイプして見たり、コレクションを友人と共有したりできる。
Dropboxへの写真のバックアップを開始するには、Carouselを起動し、左上隅のボタンをタップして「設定」を選択する。さらに、最上部のセクション「バックアップのオプション」で「写真と動画をバックアップする」のチェックボックスをオンにする。このセクションでは、バックアップ方法として「Wi-Fiのみ」「動画にWi-Fiを使用、写真にWi-Fiとモバイルデータ通信を使用」「Wi-Fi & モバイルデータ通信」のいずれかを選択できる。また、バックアップ時のバッテリー使用量について「制限なし」「制限あり」「充電時のみ」のいずれかが選べる。
他のオンラインストレージ同期サービスの無料プランと同様、Dropboxの無料容量も写真を撮りためていくとあっという間に足りなくなってしまうだろう。Dropboxは、無料のボーナス容量を獲得できる各種特典のキャンペーンを盛んに実施しており、Carouselではユーザーがメールアドレスを確認すると、アカウントに無料容量が3Gバイト追加される。それでも、Dropboxのボーナス容量の獲得に血道を上げている人以外は、無料で使える容量は10Gバイト未満だろう。
残念ながらDropboxは、低解像度コピーをアップロードするオプションを提供しておらず、有料プランも1種類しかない。ただし、ファイルサイズの上限はない。この「Dropboxプロ」プランは容量が1Tバイト、料金が月額9.99ドル(国内価格は1200円)または年間99.99ドル(同1万2000円)。
4. OneDrive(iOS、Android、Windows Phone)
OneDriveは、「Windows Phone」に加え、iOS、Android向けのアプリも提供されている。利用にはMicrosoftアカウントが必要であり、最初にサインインする際に「カメラバックアップ」を有効にするかどうかの確認画面を表示する。この画面では、カメラバックアップは高解像度の写真や動画を自動的にバックアップする機能だと説明している。「オンにする」をタップしてカメラバックアップを有効にすると、Dropboxと同様に無料容量が3Gバイト追加される。ただし、OneDriveの基本無料容量は15Gバイトだ。合計の18Gバイトでも足りなくなったら、3種類の有料プランのいずれかで容量を増やすことができる。最も安価な100Gバイトまでのプランは月額1.99ドル(国内価格は190円)。
カメラバックアップは、OneDriveの「設定」→「カメラバックアップ」でトグルスイッチをタップしてオンオフを切り替えることができる。アップロードオプションでは、
- アップロードには無線LANのみを使うかどうか
- アップロードに無線LANとモバイル回線を使うかどうか
- 動画を含めるかどうか
- OneDriveアプリを明示的には使っていないときにバックグラウンドでアップロードを実行するかどうか
などを選択できる。実は、便利な機能が1つ削除された。2014年の途中までは、写真のサイズを小さくしてアップロードするオプションが利用できたが、今ではフル解像度の写真しかアップロードできない。
OneDriveの画面左上隅の雲のアイコンをタップして「写真」をタップすると、基本的なフォトビュワーの画面になる。この画面では、写真のスクロール、共有、ダウンロード、プロパティの表示ができる。この「写真」ページのタイトルバナーのすぐ下の「カメラバックアップ」バナーをタップすると、写真アップロードのステータスや進行状況を確認できる。
5. Amazon Cloud Drive(iOS、Android)
OneDriveと同様、Amazon Cloud Driveも写真や動画の自動バックアップ機能のユーザー獲得に力を入れており、最初のサインイン時にこの機能を有効にするかどうかの確認画面を表示する。ただし、Amazon Cloud Driveがこの画面よりも前に真っ先に表示するのは、会員制プログラム「Amazonプライム」会員向け特典の案内だ。
Amazon Cloud Driveのこの確認画面では、自動保存がオンになっており、端末が無線LANえへ接続している場合、端末内の写真や動画は自動的にCloud Driveに保存されることを説明しており、「OK」ボタンをタップすると写真と動画のバックアップを開始する。自動保存機能は、Amazon Cloud Driveの「設定」→「自動保存」で、トグルスイッチをタップしてオン/オフを切り替えることができる。この画面では、写真、動画をそれぞれ自動保存するかどうか、無線LANとモバイル回線を使って自動保存するかどうか、無線LANのみを使って自動保存するかどうかも選択できる。
Amazon Cloud Driveが用意する無料ストレージはわずか5Gバイトだが、Amazonプライム会員は、フォトストレージを無料で無制限に利用できる。Amazonの「Fire Phone」ユーザーも、この端末で撮った全ての写真について無料でストレージを利用できる。プライム会員ではなく、Fire Phoneも持っていないユーザー向けには、20Gバイトまで年額10ドル(国内価格は800円)というプランから、1000G(1T)バイトまで年額500ドル(同4万円)というプランまで、6種類のプランが提供されている。ほとんどのアプリとは異なり、Amazon Cloud Driveでは、追加ストレージを購入することはできない。有料プランを購入するには、WebブラウザからAmazon Cloud Driveへアクセスする必要がある。
6. Flickr(iOS、Android、Windows Phone)
Flickrも、最初の起動時に「Auto Sync」(自動同期)による写真の自動バックアップを有効にするかどうかの確認をユーザーに求める。今回紹介するアプリの中で、無料ストレージ容量が最も大きいのがFlickrだ。Flickrに登録すると、1Tバイトの無料ストレージが手に入る。これはクールだ。例えば、Amazon Cloud Driveを1Tバイトまでのプランで利用するとなると、上述の通り1年に500ドル掛かる。
Flickrアプリのデフォルトビューでは、「Instagram」のようにFlickrでフォローしている相手の写真のフィードを表示する。フィードの写真はコメントを付けたり、お気に入りに登録したりできる。Flickrアプリを使って写真を撮ることもでき、右下隅のプロファイルボタンをタップすると、自分の写真やアクセス設定を確認できる。
設定では、トグルスイッチで自動同期オプションのオン/オフを切り替えたり、無線LANのみを使ってアップロードするように指定したりすることが可能。Flickrは、フォロワーと写真を共有するのに便利なサービスだが、Flickrアプリが自動的にアップロードする写真はプライベートに設定されている。設定画面の「Preferences」(詳細)セクションで「Privacy and safety」(プライバシーと安全)をタップし、写真や自分の位置情報の共有方法について、デフォルトのプライバシー設定を調整するとよい。
カメラロールへの保存のオン/オフを切り替えるトグルスイッチも用意している。オンにすると、Flickrアプリを使って撮った写真をカメラロールに保存する。オフにすると写真をクラウドにアップロードし、端末にはローカルコピーを残さない。
これまで見てきた他のサービスとは異なり、Flickrでは写真しか扱えず、動画をアップロードすることはできない。
7. Shoebox(iOS、Android)
Shoeboxの写真バックアップやオンラインストレージサービスでは、無料で無制限に写真を保存できる。ただし1つ注意点があり、無料プランでは長辺が3264ピクセル以下になるようにサイズ変更されてアップロードされてしまう。これに対し、月額5ドルの「Pro」プランでは、写真のフル解像度コピーをアップロードできる。
Shoeboxアプリを最初に起動すると、プライバシーとセキュリティが確保されていることを強調し、写真の同期を開始するかどうかをユーザーに確認する画面が表示される。Flickrと同様に、Shoeboxでは動画のアップロードはできない。だが気前のよいストレージオプションに加え、多機能のフォトビュワーも利用できる。写真を標準の時系列のビューで見ることができるだけでなく、季節、日、時間帯、カメラなどの条件で検索することも可能だ。バックアップを簡単にダウンロードできるボタンも用意する。これはシンプルな機能だが、他の写真バックアップアプリでは提供されていないか、あるいは見つけにくい。
8. Box(iOS、Android、Windows Phone)
ビジネス利用に力を入れているBoxは、写真や動画の自動バックアップサービスのベストな選択肢ではないだろう。無料プランの「Personal」では10Gバイトの無料ストレージを提供するが、自動バックアップ機能は用意していない。ファイルサイズにも250Mバイトの上限がある。上位プランの「Personal Pro」では、ストレージ容量は100Gバイトにしか増えないが、ファイルサイズの上限が5Gバイトに引き上げられる。料金は年額120ドルまたは月額10ドルとなっている。
組み合わせが吉
スマートフォン内の写真や動画をバックアップするための選択肢はたくさんある。われわれは複数の選択肢を選ぶことをお勧めする。iPhoneやAndroidのユーザーは、まずAppleやGoogleが提供するバックアップサービスから使い始め、次にサードパーティーサービスのいずれかを選ぶとよいだろう。スマートフォンの写真や動画は思い出と結びついているため、慎重には慎重を期して、2つの別々の場所にバックアップするのが望ましい。
例えば、iPhoneユーザーに関していえば、iCloudフォトライブラリをオンにして、Flickrを併用するのがお勧めだ。Flickrが提供する1Tバイトの無料ストレージは捨て難い。ただし、Flickrは写真オンリーだ。たくさん動画を撮り、それらをiCloudフォトライブラリでiCloudにアップロードするのに加えて、別な方法でもバックアップしたい場合は、Flickr以外のサービスを選ばなくてはならない。
Dropboxの容量1Tバイトのサービスプランに年間100ドルを支払うという手もある。既にDropboxにドキュメントなどのデータを預けている人も多そうだ。もちろん、Amazonプライム会員なら、その100ドルを支払うことなく、Amazonが写真や動画のバックアップ用に提供する無制限の容量を無料で利用できる。すなわち、年会費99ドル(国内価格は3900円)でAmazonプライム会員になれば、Dropboxがほぼ同じ料金で提供するよりも大容量のストレージが手に入るわけだ。計算するまでもなく、無制限の容量は1Tバイトよりも大きい。しかもAmazonプライム会員には、「注文から2日後の納品の配送料が無料」などの各種特典もある(国内では「当日お急ぎ便」「お急ぎ便」「お届け日時指定便」の配送料が無料など)。
われわれは、この容量無制限のストレージサービスは、Amazonプライム会員の維持、獲得の道具にすぎないとは思わない。だがこのサービスは、「Prime Instant Video」「Prime Music」「Kindle Owners' Lending Library」といったAmazonプライム会員向けの他の特典はさておいても、採算を度外視した大盤振る舞いだ。
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