「クラウドDR」の基礎用語【後編】
「クラウドDR」の契約前にこれだけは覚えておきたい5大用語
「クラウドDR」を契約する前には、細かい規約や条件を読み解く必要がある。各社のサービスの違いを見分けるためにも用語の正しい理解が切だ。クラウドDRの選定に役立つ5つの用語を紹介する。
災害復旧(DR)に関する機能をクラウドサービスとして提供する「クラウドDR」を選ぶ際、聞いたこともないような重要な用語や概念に出会う可能性が高い。前編「『クラウドDR』4大基礎用語 クラウドバックアップやDRaaSとの違いは?」に続く本稿は、クラウドDR市場を見回すときに目にする可能性がある5つの用語と、クラウドDR選びにおけるそれらの用語の意味を紹介する。
クラウドベンダー
クラウドインフラやバックアップなどのサービスを提供するクラウドベンダーは、オンデマンドやサブスクリプションベースでクラウドDRを提供する。クラウドベンダーのサービスは企業のニーズに合わせて調整でき、DRプロセスの重要な側面に対処する。プライベートクラウドだけでなく、パブリッククラウドやハイブリッドのオプションを提供する場合がある。コストの高いDR環境はこうしたオプションが役に立つ。
企業の中には、利用しやすさと信頼性を求めてクラウドDRの利用を考えているが、一部のミッションクリティカルな復旧プロセスはパブリッククラウド以外に維持したいというニーズもあるだろう。その場合はハイブリッドクラウドを選ぶのが適切だ。
本稿執筆時点の主要クラウドベンダーにはAmazon Web Services、Microsoft、Googleなどがある。クラウドDRを専門に扱うベンダーとしては、Zerto、Axcient Systems、Sungard Availability Servicesなどが挙げられる。
SLA
包括的なサービスレベル契約(SLA)があるかどうかが、クラウドDR選びの際には欠かせない。クラウドDRのSLAには、災害時にベンダーが満たすことについて同意する重要な要件と目標が盛り込まれる。SLAの内容に影響する可能性が高い要因には、業界、コンプライアンス要件、地理的な位置などがある。
クラウドDRの利用に関しては、
- ベンダーとユーザー企業の責任分担
- パフォーマンス
- 対象となるサービスとアプリケーション
- 稼働時間の条件
などをSLAで扱う必要がある。
アップタイム
アップタイム(システム稼働時間)はSLAで取り扱う可能性が高い条件の一つで、クラウドサービスにアクセスできる時間を指す。現在はほぼ全てのデータがミッションクリティカルだと見なされている。そうした前提により、99.9%以上のクラウド稼働時間が一般的な条件になっている。これは、1年当たりのクラウド障害が約9時間発生することに相当する。
クラウド障害
簡単に言えば、クラウド障害とはクラウドDRを利用できない期間を指す。障害は、自然災害からランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃まで、幾つもの要因によって引き起こされる恐れがある。クラウドDR選びの際には、ベンダーが地域災害時にサポートできるユーザー企業の比率や、災害宣言のためのガイドラインなどについて必ず質問する必要がある。
クラウド保険
「クラウド保険」は、SLAで詳細に述べられた障害について責任を負うクラウドベンダーにとっての、一種のリスク管理になる。クラウド保険は約束したサービスを提供できなかった場合にクラウドベンダーを守るだけではない。これはユーザー企業にとってもメリットがある。クラウド保険は、クラウドDRを利用できないときに機会を逃したビジネスについて、企業に補償を提供することもある。セキュリティ侵害が発生した場合にも補償を提供できる。クラウド保険は、サードパーティーの保険会社からも購入可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「クラウドDR」の基礎用語
クラウドサービスを利用して災害復旧(DR)の計画を立てるには、まず複雑な専門用語を正しく理解しなければならない。計画策定とベンダー選びの際に必ず目にすることになる用語を解説する。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
[コパード株式会社] 約9割が負担を実感 Salesforceのテスト業務に関する実態調査で見えた課題とは -
市場調査・トレンド
[コパード株式会社] 「Salesforce」開発・運用におけるAI活用実態調査レポート -
事例
[テクバン株式会社] 1画面でITサービスデスク業務が完結 太陽ホールディングスに学ぶデバイス管理 -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] ライセンス無料 Drupalベースの「多言語ECサイト開発用パッケージ」の実力は? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 日本発グローバル企業用Drupal「Risley(リズリー)」の実力とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
3
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
4
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
5
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
6
「サイバー犯罪株式会社」に潜入 現地調査で判明した“犯罪者求人”の実態
-
7
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
8
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
-
9
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
10
見落としが多発、AI普及&データ急増に伴うネットワーク課題の意外な原因とは?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
8
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
9
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
10
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー