導入企業に聞く「Zoom Phone」の活用法【前編】
バイオ製薬会社が「Zoom Phone」を選んだ“合理的”な理由
Gilead Sciencesは新型コロナウイルス感染症の影響で、社内外のコミュニケーションを「Zoom」のWeb会議に置き換えた。同社は次の展開として音声クラウドサービス「Zoom Phone」の導入を進めている。その理由は。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の中で、企業はコミュニケーション技術への投資を見直し、テレワークとオフィスワークのハイブリッド状態を長く続けられるかどうかを検討する必要に駆られた。その結果として一部の企業はITインフラを簡素化し、メインのベンダー1社を決めてツールを連携させ、標準化することでIT担当者の管理性と従業員にとっての選択の幅を確保しようとした。
Web会議ツール「Zoom」を提供するZoom Video Communicationsで、「Zoom Phone」の責任者を務めるグレーム・ゲッディーズ氏は「ZoomのユーザーにとってZoom Phoneを利用するメリットは、このシステムがZoomと共通するインフラを使用していることだ」と説明する。Zoom Phoneは、従来のPBX(構内電話交換機)と同等の機能を備える音声クラウドサービスだ。Zoomと同じデータセンターで稼働し、PSTNを利用できる点で、Zoom PhoneはZoomの延長線上にある。
本連載は2021年5月に音響メーカーEPOS Groupが開催したオンラインイベント「Enterprise Connect Virtual」における講演を基に、Zoom Phoneの導入事例を紹介する。
バイオ製薬会社がZoom Phoneを選んだ“自然な理由”
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バイオ製薬会社のGilead Sciencesは米国カリフォルニア州に本社を置き、世界35カ国以上で事業を展開している。同社はCisco Systemsのユニファイドコミュニケーション(UC)製品「Cisco Unified Communications Manager」をオンプレミスインフラで利用していた。COVID-19のパンデミックを受けて「従業員がより柔軟にコミュニケーションを取れるように、クラウドサービスへの移行を急がなければならなくなった」とGilead SciencesのITディレクターを務めるケビン・アトキン氏は説明する。
Gilead Sciencesは社内外のコミュニケーションに関する従業員の要望に応じるために、ZoomをメインのWeb会議ツールとして利用した。アトキン氏によると、Gilead Sciencesはパンデミックの間にZoomで延べ5億2000万分(約867万時間)以上のWeb会議を実施した。PSTN(公衆交換電話網)の利用時間は延べ4200万分(70万時間)だった。
「合理的に考えると、次のステップはZoom Phoneの導入を検討することだった」とアトキン氏は語る。従業員はZoomのアプリケーションから直接電話をかけたり、受けたりできる。Gilead Sciencesはまず試験的に、テレワーク中の従業員が私物の電話を使わずに通話の発信ができるようにした。これまでのところ、同社はZoom Phoneを北米、中央ヨーロッパ、オーストラリアにおける7つの事業所に導入済みだ。
中編は、Gilead Sciencesが採用したZoom Phoneの導入方法を紹介する。
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