LLamasoft製ソフトウェアを導入
医療団体が“脱Excel”してSCM製品に切り替えた理由 眼組織の需要予測に利用
眼組織を回収して医療機関に配送する非営利団体のEversightは、眼組織の需要予測の手段を「Microsoft Excel」からLLamasoftのサプライチェーンマネジメント製品に切り替えた。その理由と効果とは。
非営利団体のEversightは、眼組織のドナー登録と移植、研究を通じて視力の回復に貢献している。ミシガン州に本部を置く同組織は、世界中から提供された眼組織を回収・搬送して、視覚研究や角膜移植に使用している。
一刻を争う眼組織の配送
年間8000個の眼組織を扱うEversightにとって、時間短縮は不可欠だ。眼組織の回収と搬送に使える時間には、厳しい制約がある。そのため同団体は2019年10月に、時間の制約内で眼組織を扱うための高度なサプライチェーンのモデル(設計図)化のために、予測分析とサプライチェーンマネジメント(SCM)のベンダーLLamasoftのソフトウェアを導入した。
「われわれの活動には、非常に厳しい時間制約がある」と、Eversightの臨床サービス部門長であるライアン・シモンズ氏は述べる。シモンズ氏によると、ドナーの死後、摘出した組織を摘出するまでにかけられる時間は最大24時間だという。ただし外科医は12時間以内に摘出することを目標とする傾向にある。摘出された眼組織は、最大7日間保存できる。
「外科医は通常、ドナーの死後4〜5日以内にその眼組織を移植したいと考えている」とシモンズ氏は話す。いつ、どれくらいの眼組織が利用できるかの予測が難しいことも、課題になっているという。
需要予測の“脱Excel“、その理由と効果は
Eversightは以前、眼組織の需要予測にMicrosoftの表計算ソフトウェア「Microsoft Excel」で作成したスプレッドシートを利用していた。シモンズ氏によると、これは役には立ったが、旧来のスプレッドシートのマクロでは、高度なサプライチェーンのモデル化と予測はできなかった。
LLamasoftのグローバル部門責任者であるライアン・パーセル氏によると、同社製品のユーザー企業の多くは過去にExcelを使用していた。「ユーザー企業は、自身の組織に何らかの『転機』が来るまではExcelを使用し続ける傾向にある」(パーセル氏)
その転機がEversightに来たのは2019年のことだった。ミシガン州立大学でSCMの修士号の取得を目指すシモンズ氏は、講義でLLamasoftのソフトウェアに出会った。「非常に強力なプログラムのように思えた」と同氏は言う。同氏はLLamasoftに問い合わせて、このベンダーがEversightに適していることを知った。
Eversightは、LLamasoftの需要予測ソフトウェアである「Demand Guru」を使用して、眼組織の需要予測の精度向上に取り組んでいる。サプライチェーンのモデル化と管理のためのソフトウェアである「Supply Chain Guru」を使用して、より良い配送ルートを計画し、配達コストと速度を最適化するモデルを作成している。
シモンズ氏は、モデルの作成は非常に簡単で、完成した幾つかのモデルはうまく機能していると話す。「サプライチェーンモデルの作成方法の習得は、それほど難しくはなかった」と同氏は言う。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
3
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
4
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
6
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
7
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
8
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
9
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
10
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー