グループウェア導入事例:GRIDY グループウェア
「モッズ・ヘア」店舗と本社をつなぐSaaS型グループウェアとは?
「モッズ・ヘア」ブランドで知られるエム・エイチ・グループが、SaaS型グループウェアへのリプレースを行った。目指したのは本社と直営サロン22店舗とをつなぐ情報共有基盤の構築だ。
ITとビジネスの両面でグループウェア刷新の必要性
エム・エイチ・グループは、ヘアサロン「モッズ・ヘア」の運営事業を中心に、サロンで使用するプロ仕様のプライベートブランド商品の開発・販売を手掛ける企業だ。パリで発祥した「モッズ・ヘア」のプロフェッショナル精神を引き継ぐスタジオワーク専門ヘアメイクチームを擁し、「パリコレクション」やCM、ファッション雑誌などのヘアメイクを手掛けるヘアメイク事業、スケールメリットを生かして低いクレジット手数料率でクレジット決済が行えるクレジット決済代行サービスを展開する美容室支援など、事業内容は多岐にわたる。
同社は2011年1月、社内で運用するグループウェアシステムを全面刷新した。その背景には社内ITを運用管理していく上で、やむにやまれぬ事情があったという。エム・エイチ・グループ 管理部 マネジャーの宮崎恵子氏は、次のように語る。
「もともと、ある国産グループウェアを社内で利用していたのですが、ユーザー数が増えていくことに対応するため、従来の契約ライセンス数ではまかない切れなくなってきていました」
こうした事情に加え、同社では全社的な経営戦略の観点からも、グループウェア基盤を見直す必要性に迫られていた。同社は全国に「モッズ・ヘア」ブランドの直営サロンを22店舗(直営サロン19店舗、業務委託店3店舗)、フランチャイズサロンを73店舗展開している。このように多くのサロンをスムーズに運営しつつ、かつグループ全体のブランド力を強化していくためには、本社とサロンの間でより密接な情報共有を行う必要があった。そのための仕組みとして、地理的に離れた本社とサロン、あるいはサロン間でのコミュニケーションと情報共有を促進するための、共通プラットフォームの整備が急務だった。
「以前は本社に直営サロン担当が常勤していましたが、現在は直営サロン担当のディレクターとエリアマネジャーがサロンでも営業を行っているため、同じグループウェアを使用することで、本社と直営サロンの距離を少しでも縮めて、よりスムーズかつ確実な情報共有を実現したいと考えました」
しかし、グループウェアのユーザー数を増やすとなると、当然のことながらライセンスコストの負担も増すことになる。そこで、当時運用していたグループウェア製品のサポートが2010年末で切れることを機に、宮崎氏はこれに替わる新たなソリューションの導入検討を開始した。
独自のアーキテクチャと課金体系を持つ「GRIDY グループウェア」
宮崎氏が導入候補のグループウェア製品に求めたのは、まずはユーザー数が増えてもコスト負担が増えないライセンス体系を採用していること、もしくはライセンスが無償であることだ。また、それまで運用していたグループウェアで最も利用されていたスケジュール管理と勤怠管理の機能が充実していること。さらに、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末から利用できることも必須の条件だった。
「営業担当者やヘアメイクアーティストはオフィスの外で仕事をすることが多いので、携帯電話からスケジュール管理機能を利用できることは必須条件でした」
しかしグループウェア製品はほとんどの場合、ユーザー数を基準にライセンス費を課金するシステムを採っている。また無償の製品は機能が不足していることが多く、特にエム・エイチ・グループにとって必須であったモバイル利用に対応していないことが致命的だった。
そんな中、宮崎氏の目に止まったのが、ブランドダイアログの「GRIDY グループウェア」だった。無償版があるということ、そしてモバイル利用にも対応していることがまず目を引いた。
GRIDY グループウェアの最大の特徴は、SaaS(Software as a Service)型でアプリケーションの機能が提供される点だ。オンプレミス製品のように自社内でサーバ環境を構築する必要がなく、ブランドダイアログが運営するデータセンター内で稼働するアプリケーションにネットワーク経由でアクセスして利用する。そのため、通常のオンプレミス製品と比べて初期導入費用を極めて低く抑えることができる。
それに加え、GRIDY グループウェアは独自のアーキテクチャを採用することで、サービス利用料を安価に抑えている。同製品には無償版と有償版があるが、無償版のユーザーはアプリケーションのサービスを無償で利用できる代わりに、PCの余剰リソースをブランドダイアログに提供する契約を結ぶ。同社側ではこうして集めた余剰リソースを独自のグリッド技術で集約することにより、GRIDY グループウェアの稼働プラットフォームを構築しているのだ。
また、有償版の課金がユーザー数ではなく、利用するストレージ容量に応じて課金される点も大きな特徴の1つである。ストレージ容量さえ変わらなければ、ユーザーの数はそれこそ無制限に増やすことができる。この点がまさに、エム・エイチ・グループが求めていた要件と見事に合致した。
「Webサイトを見てブランドダイアログに問い合わせたところ、その日のうちに担当の方が説明に来てくれました。見た目も使いやすそうでしたし、試用もできるということなので、早速使ってみることにしました」
わずかな導入・試用期間を経て本番運用へ突入
宮崎氏は早速、GRIDY グループウェアの試用を開始した。同製品はSaaS型サービスなので、特にハードウェアやソフトウェアのセットアップ作業を行う必要はなかった。ただし後述するように、同製品の機能を有効活用するためには、ユーザーアカウント情報を組織構成に沿って構造化した形で登録する必要がある。この作業は本来、ユーザー自身が行うか、もしくはブランドダイアログが提供する導入サービスを利用する。しかしエム・エイチ・グループで試用を開始するに当たっては、特別にブランドダイアログが無償でほぼ全てのアカウント情報の登録作業を受け持った。
「本番環境とほぼ同等の環境をセットアップしてもらったので、後は私が各ユーザーにURLとID/パスワードを通知するだけで済みました。こうしてほぼ全ユーザーが従来のグループウェア環境の利用と並行して、GRIDY グループウェアの試用環境を試すことができました」
しかし、この時点で既に2010年12月下旬。既存のグループウェアは2010年いっぱいでサポートが切れるため、年明けからはデータ更新ができなくなってしまう。宮崎氏は、「両方の環境が使える内に、GRIDYをぜひ使ってみてください!」と社内のユーザーに訴えかけた。ログインまでの手順をマニュアルにまとめ、社内に配布した。ユーザーが操作に戸惑うことがあれば、直接出向いて操作方法をレクチャーした。
「実際の細かい操作方法まではマニュアル化できませんでしたが、GRIDY グループウェアのヘルプ機能が非常に優れていたので、そちらを参照するようユーザーに案内しました」
間もなく年が明け、旧システムは過去に入力したデータの参照はできるものの、新たな入力はできなくなった。その時点で既に多くのユーザーがGRIDY グループウェアの環境に移行していたものの、一部のユーザーからは問い合わせが相次いだ。「操作性が変わってしまった」「これまであった機能がなくなっている」など、基本的な機能は全てそろっていたものの、細かい見た目や操作感の違いに戸惑うユーザーも少なくなかったという。
「ただ、運用を続けるうちにユーザーも見た目や操作性の違いに徐々に慣れていきました。また、不足していると思われた機能については、ブランドダイアログの担当者にその都度相談に乗ってもらいました」
ブランドダイアログではこうしてユーザーから挙がってくるリクエストのうち、要望が多いものについては製品仕様に適宜反映し、年間に最低でも12回以上のアップデートを行っている。その中には当然、エム・エイチ・グループからの要望が反映されたものも含まれているという。
こうして短い試用期間を経て、早くも本番運用がスタートした。
本部とサロンとの間の情報共有がよりスムーズかつ確実に
2011年1月の本番運用開始後、半年余りが経過したが、GRIDY グループウェアのユーザーへの定着は順調に進んでいるという。導入・活用の旗振り役である管理部はもちろんのこと、従来グループウェアのスケジュール管理機能をフル活用していた営業部門でも順調に活用が進んでいる。
ちなみに、GRIDY グループウェアのスケジュール管理機能にはユニークな特徴がある。先述したように、ユーザーアカウントを組織階層に沿った形式で管理しているため、職位に応じたきめ細かいアクセス制御が可能になっている。例えば、役員が召集する会議の詳細なスケジュール情報を、同じ職位の役員に対してだけは公開し、下位の職位の従業員に対しては「スケジュール予約済み」というステータスだけを見せる、といったような制御が可能だ。
また、ファイル共有機能では、さらにきめ細かい制御が可能になっている。一般的なファイルサーバのように、ただ単にフォルダ単位でファイルのアクセス権を設定するだけでなく、ユーザーアカウント単位でのアクセス権を個々のファイルに対して簡単に付与できる。例えば、ある特定のファイルを自分と部門長だけで共有し、他のユーザーからは一切見えないようにする、といったような制御が可能になっている。
「ユーザーごとのポータル画面では、自分に関連するファイルだけが見えるようになっていて、それ意外のファイルに関する情報は隠蔽されています。余計なファイルが見えない分、目的のファイルを探す手間が省けるので、とても便利だと感じています。また、ファイルの誤った削除や移動を防ぐ機能もあるので、大変助かっています」
同社ではこれまで、本社・サロン間で情報のやりとりをする際、主に紙の書類やメールで行っていたが、「メールを送った、送らない」「メールを受け取った、受け取っていない」といったコミュニケーションエラーが度々発生していたという。しかし、ファイル共有機能を活用するようになってからは、そうした問題も減ってきた。
「サロンによっては、1台のPCを複数のスタッフが交代で勤務しながらメールをチェックすることがあるので、『Aさんに送ろうとしたメールの添付ファイルをBさんが確認しており、Aさんのチェックが漏れた』といったようなことが、故意ではなく発生することがありました。しかしGRIDY グループウェアのファイル共有機能を使うことで、特定のユーザーがファイルを受け取ったかどうかを本社側で確認できるので、そうしたコミュニケーションエラーも減ってきました」
ただし、サロンでのグループウェア活用の度合いは、本社に比べると遅れているのが実情だとも宮崎氏は話す。
「サロンのスタッフは、ファッションや美容などの流行に対する感度は極めて高いですが、IT関連やグループウェアの導入にはなかなか興味を持ちにくい方もいるように感じます。ただし、一度使用してもらえればその便利さは必ず分かってくれるはずだし、実際に活用も徐々に進んでいるので、これからも積極的な利用を訴えていきたいと思います」
またほとんどのユーザーにとって、GRIDY グループウェアの数ある機能のうち、まだスケジュール管理が主たる用途になっているが、同製品には他にもインスタントメッセージ機能や掲示板機能など、さまざまなコミュニケーション手段が備わっている。今後はこうした機能の活用も進め、サロン側からも積極的に情報を発信・共有することで、モッズ・ヘアのブランド力を高めていくことに役立てていきたいと宮崎氏は抱負を語る。
「2011年度は手初めとして、GRIDYを活用して今まで以上に本社と直営サロンのコミュニケーションを密にしていきます。そこで良い形が作れたら、さらにフランチャイズサロンまで適用範囲を広げて、『モッズ・ヘア』サロン全体で日々の活動やさまざまな情報を共有することを提案していきたいと考えています」
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