“クラウド三国志”の行方を占う
“ラスボス”Amazonに斬り込むMicrosoftとGoogleの「魔法の剣」とは?
クラウド市場をめぐる戦いの第1ラウンドにおいて、米Amazonは優位な立場を確立している。米Microsoftと米Googleが勢力を拡大する中、AWSは今後もその地位を維持することができるか。
クラウドの分野では、さまざまな進化が見られる。そのため、クラウド黎明期のことは忘れられがちだ。クラウドサービスプロバイダーは、おのおの拡大を目指し、市場の覇権を巡って争っている。「Amazon Web Services」(以下、AWS)はクラウド市場で首位の座に君臨し、一人勝ちの状態だ。だが、MicrosoftやGoogleをはじめとする他のクラウドサービスプロバイダーは、Amazonを首位の座から引きずり降ろす機会を虎視眈々と狙っている。
市場はまだ十分に大きい
筆者は、米Cloud Technology Partners副社長兼プリンシパルアーキテクトのシブ・クッティー氏と「クラウド市場の未来」について公開討論を行い、MicrosoftおよびGoogleの強みと両社がAWSと首位の座を巡って争う可能性について議論した。
AWSの市場占有率は60%だが、この差が縮まる可能性はある。「クラウドは非常に大きな市場だ。Amazonが今後も成長し続けたとしても、MicrosoftとGoogleがAmazonに追い付く可能性は十分にある」とクッティー氏は語る。
その他にも、以下のようなトピックが議論された。
- クラウド市場は本当に複数のサービスプロバイダーが共存できるほど大きいか
- MicrosoftやGoogleをはじめとする他のサービスプロバイダーは、どのようにしてAWSの背後にある基盤を用意できるのか
- Microsoftにとって強みになるサービスは何か
- その他には、どのようなクラウドサービスプロバイダーが存在しているのか
- パートナーエコシステムの有無がAWSを不利な立場に追い込む可能性はあるのか
- Linuxディストリビューションの「CoreOS」はGoogleがクラウド市場で首位の座をつかむ立役者となるのか
- Dockerに関する話題が絶えないが、Dockerを追加するプロバイダーが増えている理由は何か
- Dockerはクラウド市場の未来にどのような影響を与えるのか。また、Dockerに関する誇大広告が下火になる日は来るのだろうか
議論は尽きないが、もう1つ大きなテーマになったのが、クラウドサービスのネットワーク停止についてだ。米Joyentのサービスが2014年5月末にダウンしたことは、クラウドコンピューティング関連のトップニュースとなった。クラウドサービスプロバイダーはこうした障害について謝罪すべきだろうか。筆者は、ネットワーク停止はクラウドの世界には付きものだと考えているが、本当のところそれを回避することはできるのだろうか。ユーザーはどうすれば障害に対して事前に計画を立てることが可能なのか。そもそも、クラウドへの移行によって、サービス停止などの障害は回避できることになっていたのではないか。
また、障害の責任が誰にあるのかも論じられた。ネットワーク停止の原因はどこにあるのか。それをうまく回避できるクラウドサービスプロバイダーはあるのだろうか。筆者は結局のところサービス停止は回避できない問題だと考えている。人為的ミスが原因の場合もあれば、そうでない場合もある。その点、事業者間で大きな違いはない。世間はサービス停止について騒ぎ立てすぎているのではないではないだろうか。
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