PC・プリンタ部門とエンタープライズ部門が分社
HPが2社に分割、歓迎する人と心配する人のそれぞれの理由
米Hewlett-Packard(HP)が2つの企業に分社化する。HPの新戦略は、果たして企業ITにどのような影響を及ぼすのか、また市場はどのような反応を示しているのだろうか。
米Hewlett-Packard(HP)は2014年10月、PC・プリンタ部門とエンタープライズ部門を2つの企業に分社化することを発表した。同社の新たな事業戦略は、企業の購買担当者らの注目を大きく集めている。
PC・プリンタ部門の社名はHP Inc.となり、エンタープライズ部門の社名はHewlett-Packard Enterpriseとなる。Hewlett-Packard Enterpriseでは、企業向けのサーバやコンバージドシステム、サービス、ソフトウェア、クラウド事業を展開する。アナリストらの予想によると、少なくとも短期的に見れば、今回の動きが企業のPCの購買活動に影響を及ぼすことはないという。
分社化に対する反応
「実際には、大半の企業において、PCおよびプリンタと、企業向けインフラストラクチャ、ソフトウェア、サービスで購買担当者が異なっている」と米調査会社Moor Insights and Strategyの創業者で社長を務めるパトリック・ムーアヘッド氏は話す。
HPは近年、1つの組織体として維持することに苦労してきた。特に2011年の米Autonomy買収とそれに伴う長期の組織再編が同社を苦しめた。今回の分社化により、さらに5000人の従業員を削減し、人員削減数は合計で5万5000人に達する。
「内部で双方が話をすることは決してなかった」と米調査会社のEnterprise Management Associatesでマネージングリサーチディレクターを務めるスティーブ・ブラセン氏は話す。「PC・プリンタ部門とその他の部門で融合することは一度もなかった。これについて驚きなのは、分社に至るまでにとても長い時間を要したということだけだ」(同)
一部の業界観測筋は、HPはもっと早い段階で分社化すべきだったと考えている。
「彼らは注力分野が分裂した状態を終わらせる時期にきている」と米大手製薬会社でモバイルイノベーション担当ディレクターを務めるブライアン・カッツ氏は指摘する。
一方で、この分社化は、バックエンドのインフラストラクチャからエンドポイントまで、全ての企業ニーズにワンストップで応えるという同社のこれまでの流れに反するものであるという見方もある。
HPに待ち受ける困難
その他の主要PCベンダーと同様、HP Inc.はPC市場に食い込むモバイルデバイスに対抗しなければならない。
「モバイルに対する意識がますます高まっている市場において、果たしてHPはどのように競争を続ければいいのだろうか」と米Creative Strategies Inc.の創業者であるティム・バジャリン氏は話す。
PCの買い替え需要は、同市場の安定化に寄与してきた。しかしながら、米IDCによると、2014年の世界のPC出荷台数は、前年から3.7%減となる見通しだという。同社は2014年の出荷台数が6%減になると予測していた。
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