米国で実施
スマートフォンで違法駐車を“スマート”に取り締まり、切符が多く切れる?
米オレゴン州のコーバリス市はモバイル電子切符ソフトウェアとスマートフォンを使用して違法駐車取締の近代化を実現した。この取り組みによって、違反切符を免れることはさらに困難になるだろう。
古くからの問題解決に、モバイルテクノロジーが使われることが増えている。また、使用されるアプリケーションとデバイスも多種多様だ。
取締官にモバイル端末と電子切符ソフトウェアを提供
米国中西部の医科大学の学生と教職員は、米AirWatchのエンタープライズモビリティ管理(EMM)製品「AirWatch」を経由して教科書やコラボレーションツールにアクセスしている。また、オーストラリアの国立科学機関では米harmon.ieの「harmon.ie」を使用している。ユーザーは、米Microsoftの「Yammer」「Microsoft Outlook」「Microsoft SharePoint」を関連付けるharmon.ieのインタフェースから情報を入手して共有することができる。
その他の例としては、米IBMの「Fiberlink MaaS360 EMM」が、ある企業のフィールド技術者の移動時間や交通費の削減に貢献している。また、米nCrypted Cloudの「nCrypted Cloud」は、最近、医療研究者が機密な患者の情報を安全に収集する一助となっている。このアプリは米Dropboxの「Dropbox」のセキュリティを確保する役割を果たしている。
それから、米太平洋岸北西部の学園都市では、米Googleの「Android」スマートフォン対応のソフトウェアが違法駐車取締の近代化とモバイル化に一役買っている。
米オレゴン州コーバリス市にはオレゴン州立大学の本校がある。そのため、毎年多数の人が訪れ、駐車違反が問題になる。そう語るのは、同市の管理情報サービス(MIS)部門の主任を務めるロベル・タデス氏だ。
コーバリス市は、取締官のシフトを拡大しつつミスを抑制できる機会を探った。彼らには現場の写真撮影に加え、現場で集めたデータをまとめるアプローチの効率化を図る必要もあったとタデス氏は語る。さらに、市内の駐車区画を2区画から10区画に再編成した。その結果、ある程度の戦略転換を余儀なくされた。
コーバリス市は、取締官にモバイル端末と併せて追跡に役立つソフトウェアを提供することが最善策だと判断した。「Officer Parking」は、カナダのパーキングソフトウェアベンダー、Gtechnaが開発した電子切符ソフトウェアだ。このソフトウェアを使用すると、法執行機関は任務執行や追跡を自動化できる。
他にも類似ソフトウェアはある。例えば、米United Public Safetyの「ForCite」、米Cardinal Trackingの「TickeTrac」、米T2 Systemsの「Unified Parking System」などだ。「コーバリス市は他の製品ではなくOfficer Parkingを選んだ。それは、クラウドではなくオンプレミス環境でシステムをホストする必要があったからだ」とタデス氏はいう。ForCiteとT2はクラウドベースプラットフォームしか提供しておらず、TickeTracはMicrosoftの「Microsoft SQL Server」上で実行する必要があった。
モバイルテクノロジーの実装
コーバリス市は4人の取締官に、Androidを搭載した韓国Samsung Electronicsの「GALAXY Note 3」スマートフォンを支給した。「私たちはモバイルテクノロジーへの移行に不安を感じていた」とタデス氏は振り返る。というのも、取締官は何年にもわたって自分の手で切符を切ってきたベテランだったからだ。
彼らがどのように新しいソフトウェアに適応していくか、タデス氏は非常に気掛かりだったが、彼らは操作性に感動していたという。そして「インタフェースがとても使いやすい」「手作業で行っていたときよりも多く切符が切れる」といった感想が寄せられている。
コーバリス市の駐車取締官は現在も個別に印刷機を使い、紙ベースの駐車違反切符を切っている。ただし、違反切符と駐車違反の追跡は、Androidデバイスにインストールされたソフトウェアで全て行っている。その情報は自動的に同市の切符裁決システムにインポートされる。
「以前はこの全てを手作業で入力していた。Officer Parkingはインタフェースが使いやすいだけでなく、当市によるバックエンド管理も最小限で済んでいる」とタデス氏はいう。
コーバリス市は将来的にOfficer Parkingの機能の追加を予定している。その一例は、特定の駐車区画における制限時間を管理する“デジタルチョーク”だ。これを使うと、ナンバーを記録した車両が駐車制限時間を超えると端末に警告が表示される。
「当市は、将来的にOfficer Parkingに追加してほしい機能をGtechnaに提案している。その中には音声記録機能も含まれている。現状に近い構想を実現しようと試みたことはあるが、当時のテクノロジーに状況を変えるほどの能力はなかった。以前はリアルタイムのコミュニケーションなどというものは存在しなかった。だが、今では違反切符を切った瞬間に、その情報がデータベースに保存されるようになっている」(タデス氏)
Gtechnaの広報担当者は、パーキングソフトウェアの価格設定の詳細を明かさなかった。だが、コーバリス市はシステムの初期費用として30万ドルを支払っている。これに追加でメンテナンス費用が発生している。タデス氏によれば、Officer Parkingではユーザー単位でライセンスが必要になる。当市が駐車取締官を増員すると、ライセンス費用も増加することになるという。
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