Windowsサーバクラッシュの3大原因とその回避策(後編)
互換性のないストレージドライバによるWindowsクラッシュ
Windowsサーバをクラッシュさせる原因を詳しく説明し、その回避に必要なベストプラクティスを紹介する。
前編の「古いウイルス対策ソフトウェアによるWindowsサーバクラッシュ」に引き続き、1000件近いWindowsクラッシュの分析を通して分かった3大原因を紹介する。今回は「互換性のないストレージドライバ」「多過ぎるフィルタドライバ」などによって引き起こされるクラッシュの詳細な内容と、それらの回避に必要なベストプラクティスを紹介する。
互換性のないストレージドライバ
サーバクラッシュの中で、「古いウイルス対策ソフトウェア」の次に多いのが「互換性のないストレージドライバ」に起因するものだ。ご存じのように、サードパーティーストレージベンダーは、HBA(ホストバスアダプター)の制御とストレージデバイスへのアクセスに使われるデバイスドライバを提供している。米Qlogic、米Emulex、米Hewlett-Packard(HP)など、ベンダーごとにデバイスドライバはそれぞれ異なるが、それらはいずれもMicrosoftのStorportというドライバに依存している。Storportドライバは、こうしたベンダー固有のドライバがI/O操作時に使用する一般的なルーチンセットを提供する。
互換性のないストレージドライバの問題は、ウイルス対策ドライバの問題と同様の理由で起こる。ベンダー固有のドライバが変更された場合、それらをStorportの現行バージョンに対して再テストし、互換性が保たれていることを確認しなければならない。Storportが更新された場合についても同じことがいえる。全てのHBAドライバを再テストし、新しいStorportドライバと組み合わせて利用できることを確認しなければならない。だが、それは大変な作業だ。例えば、Windows Server 2003では、Storportに関する修正プログラムが50件以上公開されたからだ。
Storportを更新する際は、サードーパーティーベンダーのHBAドライバが更新されていないかを事前に確認しておき、HBAドライバを更新する際はStorportが更新されていないかを事前に確認しておくのが原則だ。では、どのストレージドライバがStorportに依存しているのかは、どうすれば識別できるのか。幸い、ドライバ間の依存関係を調べられる「Dependency Walker(depends.exe)」という無料ツールがある。
このツールの圧縮ファイルをダウンロードして展開し、depends.exeを実行し、[File]メニューで調べたいドライバを開く。この例では、Hpcisss2.sysドライバを選択した。このドライバは、HP Smart Arrayのために使われている。以下のように、このツールは、Hpcisss2ドライバが「STORPORT.SYS」と「NTOSKRNL.EXE」の両方に依存していることを示している。
多過ぎるフィルタドライバ
Windowsサーバのクラッシュの中で3番目に多いのが、「インストールされているフィルタドライバが多過ぎる場合のスタックオーバーフロー」に起因するものだ。I/O要求を途中で受信して付加的な機能を実行するドライバは、全てフィルタドライバと考えられる。ウイルス対策ドライバがフィルタドライバと考えられることは既に見た通りだ。さらに、例えばディスククォータ管理、ディスクミラーリング、バックアップエージェントなどもフィルタドライバだ。
フィルタドライバが多数インストールされていても、それ自体は問題ではない。しかし、それらのドライバが相互再帰的にやりとりし、限られたカーネルスタック領域を使い果たしてしまう恐れがある。カーネルスタック領域は、コンピュータアーキテクチャによって異なり(x86では12Kバイト、x64では24Kバイト)、これらの限られたカーネルスタック領域を全てのデバイスドライバが使用する。カーネルスタック領域が使い果たされると、Stop 0x7Fエラーが発生し、バグチェックが行われてシステムがクラッシュする。これは、Microsoftの何百もの記事で説明されている。
多くのフィルタドライバに対応してカーネルスタック領域を増やすことはできない。唯一の選択肢は、これらのフィルタドライバを特定し、不要なものを無効にするか、アンインストールすることだ。Windows Serverに搭載されている「FLTMC(Filter Manager Controlプログラム)」というツールを使えば、どのようなフィルタドライバがインストールされているかを把握できる。
お分かりのように、Windows Serverはさまざまな原因でクラッシュする。だが、こうしたサーバ停止の大部分は、以上の3つの問題に起因している。これらの問題によるサーバ停止は、Windowsのアップグレード時や関連する修正プログラムの適用時に、必ずサードパーティードライバも更新することに加え、使われていないフィルタドライバの数を抑えることで回避できる。
本稿筆者のブルース・マッケンジーロウ氏は、MCSE/MCSAの資格を持ち、米Hewlett-Packard(HP)でマスターコンサルタント兼システムソフトウェアエンジニアとして、同社の全世界の顧客にWindowsベース製品に関するサポートを提供している。コンピュータ業界での20年以上の経験を生かし、クラスタ、SAN、ネットワーキング、システムの内部機構にかかわる非常に複雑な問題を解決する専門家として有名。キャリアを通じて豊富な講師歴を持ち、技術についての熱弁で聴衆を沸かせてきた。
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