連結決算ソリューション製品紹介【第1回】
「連結」のニーズ変化に対応、定番パッケージ「DivaSystem」の強みは
連結決算ソリューションとして多くの実績を持つ「DivaSystem」。制度連結への対応機能だけではなく、高度な業務分析を行える管理連結機能がユーザー企業から支持されている。その理由と今後の方向は?
グループ企業に欠かせない連結決算ソリューション
財務・会計分野のITソリューションで現在注目を集めているものに「連結決算ソリューション」がある。国内での起源は、1990年代後半から企業会計の世界で取り組みが始まった「会計ビッグバン」にまでさかのぼる。日本の会計制度をグローバルスタンダードに近づけることが会計ビッグバンの目標だった。その過程において、上場グループ企業の連結財務諸表の開示が、2000年3月期に義務付けられたのだ。
それまでの日本の会計基準では、個別企業の財務諸表が重要視され、企業グループ全体の連結財務諸表はあくまでも付属資料的な位置付けだった。それが、2000年を境に両者の関係が一気に逆転することになったのだ。当然、グループ親会社における連結会計業務の重要性は一気に増し、その作業量も増えることになった。そこで、これを支援するためのITソリューションとして、連結決算パッケージソフトウェアが登場することになったのだ。
この分野では、欧米における連結重視の会計基準に対応してきた外資系のソフトウェア製品が先行していると思われがちだが、実は国産製品も広く普及している。その代表格といえるのが、ディーバが提供する「DivaSystem」だ。
DivaSystemは、連結決算が制度化される前の1997年に初代バージョンがリリースされており、連結決算ソフトウェアの市場では最も長い実績を持つ製品の1つだ。2011年6月末の時点で、国内654社の導入実績がある。また、連結決算のソリューションと聞くと大企業向けとのイメージを抱きがちだが、実際には同製品の導入企業の約3分の1は子会社数が10社以下の中堅企業だという。このことからも分かる通り、DivaSystemは中堅企業から超大手企業まで、幅広い規模のグループ企業で導入されている製品だ。
管理連結に強みを持つ「DivaSystem」
DivaSystemの基本的な機能は、グループ内の子会社から連結決算に必要な情報を収集し、それを連結決算の形にまとめ上げることだ。決算期ごとの連結財務諸表を出力することはもちろんのこと、さまざまな切り口による各種リポートを出力し、経営分析に生かすことができるようになっている。また、子会社から情報を収集する手段も、高度なシステム間連携からテキストデータの受け渡しまで、さまざまなインタフェースを用意している。
これだけを聞くと、同製品は連結決算に関する法制度に対応するためのソリューションという印象を持たれるかもしれない。確かにそうした側面はあるのだが、ここ10年の間で連結決算ソリューションのニーズは大きく変化し、制度対応以外のさまざまな要件が求められるようになってきた。ディーバ 第一事業本部 営業部長 寺島鉄兵氏は次のように説明する。
「連結決算が義務化された2000年前後は、多くの日本企業が海外の現地法人を閉鎖して国内市場の足元固めに意識が向いていた時期だった。しかしそれ以降、日本企業のグローバル進出が徐々に進み、海外現地法人の数も再び増えてきた。しかもここで特徴的なのは、以前のように低コストの労働力を求めて海外に進出するのではなく、製品を売るマーケットとして海外を捉えているという点だ」
マーケットを求めての海外進出となると、単に決算の数字を管理するだけでなく、海外市場における取引数字も連結ベースで管理していく必要がある。つまり、「どの製品が」「どの地域で」「どの期間に」「どれぐらいの」収益を上げたのかということを連結ベースで評価し、業績を管理していく必要がある。
「国内市場だけを見れば商品需要の予測は比較的立てやすいので、連結決算も最終的な開示だけを考えればいい。しかし、海外市場は国内と違い、需要動向がなかなか読めない。そこで連結決算も単なる開示情報としてではなく、需要動向をいち早くつかみ、適切な経営のかじ取りを行うための重要な経営指標として捉える必要がある」(寺島氏)
そのためにDivaSystemでは、製品別セグメントで連結ベースの数字を評価、分析したり、あるいはそうした数字を決算期だけでなく、月次や週次といった短い間隔で随時参照できる仕組みが備わっている。このように「制度連結」に対応するだけでなく、グローバル経営に不可欠な「管理連結」の機能も豊富に持ち、制度連結と管理連結を同一の情報基盤上に融合させた形で提供しているのが、同製品の最大の強みだという。
ディーバ 第一事業本部 ビジネスソリューション部長 山崎 恒氏によれば、実際に同製品のユーザーの間でも、こうした管理連結へのニーズは高まっているという。
「DivaSystemは、当初から設計コンセプトとして制度連結と管理連結の両方に対応することを目指して開発されている。この点が顧客に高く評価されて、管理連結に対応していない他製品からリプレースされたり、あるいは自社における将来的な管理連結への対応を見越して導入されるケースが非常に多い」
IFRS対応を着々と進める
グローバル対応という観点でもう1つ外せないトピックが、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)だ。本稿執筆時点(2011年11月)では、日本におけるIFRSの強制適用時期は流動的だが、ディーバではIFRS適用時期にかかわらず、当初立てたロードマップ通りにDivaSystemのIFRS対応を進めているという。2009年にリリースされたバージョン9.3では日本の会計基準のコンバージェンスに対応、2010年11月にリリースされたバージョン9.5ではIFRSアドプション(強制適用)対応のトライアル版機能が実装された(参考記事:複数会計基準対応の「DivaSystem 9.5」提供開始、ディーバ)。
そして、2011年11月末にリリースされるバージョン9.6では、アドプション対応機能が正式に搭載される予定だ。IFRSを取り巻く環境が大きく揺れ動いている今、あえてアドプション対応版をリリースする意図について、寺島氏は次のように説明する。
「現在のIFRSを巡る状況は、数年前に製品ロードマップを策定した時点では想定していなかった。しかし、DivaSystemのユーザーの中には、既にIFRSの早期適用プロジェクトを走らせている企業が10社ほどいる。これらの企業をしっかりサポートしていかなければならないのはもちろんのこと、そうした先行事例からわれわれもさまざまなノウハウを吸収できたので、それを生かして『現時点で決まっている制度に基づくアドプション版』は出せると判断した」
確かに、ここ数カ月の動向を鑑みて、制度対応のためにIFRS導入を検討してきた企業の中には、導入プロジェクトをストップするケースも多いという。しかしその一方で、IFRSを単なる制度対応としてではなく、管理連結の実現によるグローバル経営基盤の強化、つまり経営改革のチャンスと捉えている企業は、法改正の動向にかかわらずIFRSの早期適用をそのまま進めていると寺島氏は言う。
また、強制適用の具体的な時期が不透明になったとはいえ、中長期的にはいずれIFRSの適用は避けられないとみられている。そのためディーバでは、できるところから先行して準備を進めることをユーザーに推奨しているという。
「IFRSが強制適用されると、グループ親会社の経理の現場では業務負荷が相当高まることが予想される。そのため、業務の効率化や、制度連結と管理連結の融合などといったDivaSystemの強みを生かして、今からできることを先行してやっておいた方がいいとアドバイスしている」(山崎氏)
グループ統一会計を効率良く実現
ディーバが提供する連結決算ソフトウェア製品は、DivaSystemだけではない。連結決算業務そのものを支援する製品だけでなく、その周辺の業務までを支援するさまざまなパッケージ製品を提供している。例えば、連結決算の開示とIR業務を支援する「DivaSystem dSearch」と「DivaSystem eRules」、データウェアハウス製品「DivaSystem GEXSUS」(以下、GEXSUS)、BI(ビジネスインテリジェンス)ソリューション「DivaSystem MIPS」などがそれだ。
この中でも2010年12月にリリースされたGEXSUSは、DivaSystemの既存ユーザーをはじめ、数多くの企業から高い注目を集めているという(参考記事:ディーバ、連結と単体ERPを橋渡しする新IFRSソリューション)。同製品は、企業グループ内の子会社の経理情報を元帳ごと取得し、単一のデータベースに集約して管理するというものだ。こうしたソリューションが求められる背景について、寺島氏は次のように説明する。
「DivaSystemに集められた各子会社の情報は、主に連結決算作成のためのものなので、ある程度サマライズされたデータになっている。しかし、高度なグループ経営管理を行うためには、子会社の情報を明細レベルまでドリルダウンして参照したい。そのための方法として、グループ内でERPシステムを統一するという手があるが、これを実現するには多くの手間とコストが掛かる。そこで、いわば“折衷案”として、子会社の元帳データを1つのデータベースに集約するGEXSUSのようなソリューションが、現実的な選択肢として浮上してくる」
こうしたソリューションは、ガバナンスの観点からも極めて有用だという。各子会社の会計システムがそれぞれ独立しており、親会社の目が行き届かない状況下では、不正経理のリスクを監視するのは難しい。そこで、それぞれの会計システムから切り離したデータベースに全ての子会社の経理データを集約し、不正な操作ができない状況を作った上で親会社からその内容を監視することができれば、不正経理を抑制する効果があるというわけだ。
また、IFRSへの対応の一環としてGEXSUSを活用する企業の事例も増えてきているという。
「IFRSの連結決算に対応するためには、子会社側の会計システムに改修を加えなくてはいけないケースが多いが、子会社のシステムと親会社のDivaSystemの間にGEXSUSを挟めば、面倒な組み換えや調整の処理は全てGEXSUS上で行えるようになる。つまり、子会社側のシステム改修のコストをGEXSUSで吸収できるということだ。実際、こうした目的でGEXSUSの導入を進める企業が増えてきている」(山崎氏)
さらには、BIソリューションのDivaSystem MIPSを使えば、DivaSystem上の連結決算データをOLAPに取り込み、さまざまな切り口で分析できるようになる。またGEXSUSのデータや、外部のERPシステムのデータを付加情報として取り込み、経理データとともに分析の対象とすることもできる。
グローバル対応、IFRS対応を中心に機能強化
ディーバでは、ここまで紹介してきた各種ITソリューションの提供の他にも、連結決算業務のアウトソーシング事業も手掛けている。実はここに、同社のソリューションの強みの源泉があると寺島氏は述べる(参考記事:クラウド上の連結決算システムを運用代行、ディーバなど3社)。
「子会社からの情報収集から開示資料の作成支援まで、全ての連結決算業務をこなせるだけの人材が社内にそろっている。従って、単なるシステム構築にとどまらず、連結決算業務の高い専門性を生かした幅広いソリューションを提供できるのがわれわれの強みだ」
パッケージ製品についても、今後もこれまでと同様、法改正の動向やユーザーニーズを常に取り込みながら機能強化を続行していくという。特に、グローバル対応とIFRS対応の2点については、重点的に強化していく予定だ。
「今後、日本企業のグローバル進出はますます進んでいくと思われるため、われわれの製品も多言語対応を含め、よりグローバル対応機能を強化していかなくてはいけないと考えている」(寺島氏)
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