SMB向けストレージ製品紹介:ネットアップ
拡張性に優れたSMB向けユニファイドストレージ「FAS2240」
ネットアップが2011年11月に発表したSMB向けストレージのエントリー機種「FAS2240」は、高い拡張性や管理の容易性などを実現するユニファイドストレージだ。
高まるユニファイドストレージへのニーズ
中堅・中小企業(SMB)のストレージに対する課題として、以前から「データ量の増加」「管理者の不足」「IT予算の制約」の3点が指摘されてきた。現在ではそれらに加えて、SMBでも普及してきた「サーバ仮想化環境におけるストレージ統合」に悩む企業が増えている。企業内のサーバを仮想化で集約する場合、そのデータを一元的に管理できるストレージ環境がなければ仮想化のメリットを享受できないからだ。しかし、SAN(Storage Area Network)やNAS(Network Attached Storage)などが混在する企業も多く、CIFSやNFS、ファイバーチャネル(FC)、iSCSIといったさまざまなプロトコルに対応するユニファイド(統合型)ストレージへのニーズが高まっている。
本稿では、ネットアップが2011年11月に発表したSMB向けストレージ製品群「FAS2000シリーズ」の新モデル「FAS2240」を紹介する。同社は2002年、自社のNASプラットフォームにブロック処理機能を追加した製品を発表するなど、マルチプロトコル対応のストレージを提供してきた。
単一アーキテクチャを採用する統合型ストレージ
FAS2240は、筺体サイズが2Uの「FAS2240-2」と4Uの「FAS2240-4」の2種類がある。シングルまたはデュアルのコントローラー構成を選択でき、物理メモリは12Gバイト(デュアルコントローラーの場合)。最大搭載ドライブ数は144。最大データ容量はFAS2240-2が374Tバイト、FAS2240-4が432Tバイト。SASディスクを搭載するI/O性能優先のFAS2240-2、SATAディスクを搭載する容量重視のFAS2240-4と、目的別の使い分けが可能だ。FAS2000シリーズには既存機種「FAS2040」があるが、同社によるとFAS2240では2~3倍処理性能が向上したという。
FAS2240の特徴は、独自OS「Data ONTAP」によってさまざまなワークロードとプロトコルをサポートしていることだ。Data ONTAPは、特許技術の「WAFL」(Write Anywhere File Layout)を採用したジャーナリングファイルシステムが基盤となっている。そのため、スナップショットやクローン、同期/非同期ミラーリングなどのデータ差分管理が容易にできる。また、iSCSIやCIFS、FC、NFS、FCoE(Fibre Channel over Ethernet)、pNFS(Parallel NFS)などに対応するアーキテクチャを採用し、サーバ仮想化に伴うストレージの統合を容易にしている。
ネットアップ 技術本部 パートナーSE部 シニアシステムズエンジニアの山田尚之氏は、「他社はストレージベンダーを買収することで製品ラインアップを増やしてきた。そのため、複数のOSやコマンドラインを併用しそれらをまとめて、いわば強引に“ユニファイドストレージ”と称している」と指摘する。それに対して「ネットアップは単一アーキテクチャで全てを管理でき、上位・下位機種間のハードウェア互換も保証している。また、管理ツールやコマンドを使い分ける必要がなく、管理しやすい点も強みだ」と、自社のストレージこそが真のユニファイドストレージであると強調する(関連記事:EMCとNetAppが比較されやすい理由)。
FAS2240では重複排除や圧縮、シンプロビジョニングなどのリソース効率化、スナップショットといったデータ保護・管理機能を提供するソフトウェアが標準搭載されている。
ノンストップでダウンタイムのないスケールアウトが可能
「Data ONTAP 8.1は、特にスケールアウト技術に注力して開発を進めた。システムをダウンさせることなくコントローラーとディスクの増設や交換が可能だ」(山田氏)
FAS2240でストレージ拡張が必要になった場合、NFSでは最大24ノードまでスケールアウトが可能だ。また、全ての製品ラインアップで同一アーキテクチャを採用しているため、ハイエンド機種「FAS6000シリーズ」やミッドレンジ機種「FAS3000シリーズ」など上位機種へのスケールアップもできる。さらにアップグレードの再、FAS2240のコントローラーモジュールを取り外して、外付けディスクシェルフとしても再利用できる。山田氏は「管理コマンド体系も同一なので運用管理手法をそのまま引き継げるなど、既存の投資を無駄にしない」と説明する。
SMB向けのストレージ管理ツール
FAS2240の管理は「OnCommand System Manager 2.0」(以下、System Manager)によって行う。System Managerは標準で提供されるストレージ管理ツールだ。WebブラウザベースのGUIやウィザード形式のナビゲーターを提供しており、専任のストレージ管理者がいない場合でもストレージの構成変更やディスク集約、プロビジョニング、スナップショットコピーの管理、仮想化アプリケーションのサポートなどの管理作業を実行できる。さらにストレージワークフローの自動化機能、可視化・アラート通知などのダッシュボード機能を活用できる。
柔軟性の高いストレージ環境を構築
ネットアップ 経営企画本部 本部長のダニエル・ハンソン氏は「SMBにとっては価格も重要な要素。攻撃的な価格付けでSMB市場に打って出たい」と話す。FAS2240-4の参考価格は、179万円(1Tバイト SATAディスク12基の最少構成の場合)。
ただ、ストレージのコストはハードウェアへの投資だけではない。運用コストや障害発生時のデータ復旧コストなども想定しなければならない。特に東日本大震災以後、ディザスタリカバリ(DR)サイトの設置を検討する企業が増えているが、あまりコストを掛けられないのが現状だろう。製品によっては、本番環境とDRサイトのストレージを統一する必要があるといった制約がある(関連記事:災害復旧におけるホット、ウォーム、コールドサイトの違い)。
「ネットアップなら本番環境がハイエンドのFAS6000シリーズであっても、DR側はFAS3000シリーズやFAS2000シリーズなどを活用できる。複数のアーキテクチャが混在する他社のユニファイドストレージと、ネットアップの単一アーキテクチャのユニファイドストレージとの柔軟性の差だ」(ハンソン氏)
ネットアップはSMB市場での展開に注力しており、2011年5月にSMB専門の営業・SE部隊を編成し、リセラーパートナーへのサポートを強化した。今後は主に中堅企業をターゲットにした新規開拓に取り込むという。
| FAS2240-2 | FAS2240-4 | |
|---|---|---|
| 筺体サイズ | 2U | 4U |
| 物理メモリ | 12Gバイト | 12Gバイト |
| 最大ストレージ容量 | 374Tバイト | 432Tバイト |
| オンボードGbEポート数 | 8 | |
| オンボード6Gb SASポート | 4 | |
| リモート管理機能 | あり | |
| 対応ストレージプロトコル | FCP、iSCSI、NFS、CIFS | |
| OSのバージョン | Data ONTAP 8.1 | |
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