タレントマネジメント製品紹介【第3回】
サバ・ソフトウェアの人材管理ソリューションが他社と違う理由
グローバル展開する大手企業での採用が多いサバ・ソフトウェアの人材管理ソリューション。タレントマネジメントについての機能はもちろん、企業の人材戦略を総合的に支援する。
米国発の人材ソリューションとして、世界の数多くの企業で採用されているのが、米サバ・ソフトウェアが提供する「PEOPLE SYSTEM」である。全世界で約1700社が同社の人材ソリューションを採用しており、中でもFortune Global 100企業の内の51社が導入するなど、グローバル大手企業における評価が高いソリューションとして知られる。日本国内においても、製造業および金融業を中心に大手企業での採用例が多い。
PEOPLE SYSTEMは、いわゆる「タレントマネジメント」と呼ばれるソリューションを含むソフトウェア製品だが、それだけにとどまらずより幅広いソリューションを志向している。同社 日本法人の代表取締役を務める尾藤伸一氏は、むしろ日本における昨今のタレントマネジメントソリューションの受け止められ方に疑問を呈す。
「現状では、タレントマネジメント製品は単なる『人材情報ビュワー』としての使われ方にとどまっているという印象を受ける。本来は、データベースに人材情報を収集して可視化した後に、『それを使って何をやるか』が重要なはず。現状ではまだ、タレントマネジメント本来のあるべきソリューションと、ソフトウェアツールの機能との間にギャップがあると感じる」
尾藤氏によれば、人材ソリューションの本来の役目は、企業のビジネスゴールを達成するために必要な職務(ロール)と、その遂行に見合う能力(コンピタンス)を持つ社員を適切にマッチングすることにある。しかし、こうした人事管理に対する考え方は欧米流のものであり、日本流の人事考課の伝統とはなかなか相いれない部分があるという。
しかし、近年になりビジネス環境が大きく変化した結果、日本企業の人材管理に対する考え方も少しずつ変わってきているという。
「最も大きな環境変化は、グローバル化の流れだ。新興国のマーケットに進出するために海外に多くの拠点を設けるようになれば、世界中の拠点間にまたがって人材資源の現状把握と最適配置を行わなければならない。また、近年急増している企業買収や事業統合に際しても、各部門・各関連会社が抱える人材の把握と配置が重要になってくる」
サバ・ソフトウェアでは、この「人材資源の現状把握と見える化」、そしてその結果を基にした「適切な人材を適切なロールに配置」という一連の人材管理プロセスを支援するソリューションを「トランスフォーメーション支援」と定義し、そのために必要なソフトウェア製品およびコンサルティングサービスを提供している。
PEOPLE SYSTEMを構成する4つの機能モジュール
このトランスフォーメーション支援を実現するためには、現在、市場で提供されているタレントマネジメント製品の機能だけでは足りないと同社では考えている。そのため同社はタレントマネジメント以外の機能モジュールも含め、計4つのモジュールでトランスフォーメーション支援を実現するとしている。
1つ目が、タレントマネジメントの機能を提供する「Sabaタレントスイート」。主に人材資源の情報を一括管理し、さまざまなリポートの形で分かりやすく可視化するのがこのモジュールの主な機能だ。しかし、ここで管理される人材情報は社員の単なるプロファイル情報だけではなく、その社員がどのようなスキルを持ち、どのような実績とキャリア志向を持つかといった情報まで含む。つまり、企業のロールと社員のコンピタンスをマッチングするという本来の目的を達成するために必要不可欠な情報を含んでいるのだ。
2つ目が、社員の目標設定とその達成プロセスを管理する「Sabaパフォーマンススイート」。このモジュールも、単に日本企業の伝統的な人事考課のやり方に沿うのではなく、トランスフォーメーション支援に合致した、欧米流の「MBO」(目標管理制度)の考えに基づいた人材評価の仕組みを実装している。
3つ目が「Sabaラーニングスイート」。研修やeラーニングなど、社員が行う各種トレーニングや学習のプロセス全般を管理する機能を持つ。単にトレーニングのプロセスを管理することが目的ではなく、ある特定の職種の人にはどのような知識が必要になるのか、すなわち「スキルモデル」をベースにロールとコンピタンスのフィット&ギャップを見ていく。もともとサバ・ソフトウェアのソリューションは、こうした学習管理の領域からスタートしており、非常に得意とする分野だという。
そして4つ目が、社内コラボレーションの活動を促進・支援するための「Sabaコラボレーションスイート」である。具体的にはWeb会議やオンラインセミナー、アプリケーション共有による遠隔教育など、上記の学習管理のプロセスをサポートする機能がメインになっているが、近年では社内SNSの導入による情報共有の仕組みも取り入れているという。
以上4つの機能モジュールを持つPEOPLE SYSTEMだが、その最大の特徴はこれらのモジュールが同じデータベースを共有し、シームレスに連携している点にある。
「タレントマネジメントだけでなく、これら全てのソリューションがソーシャルネットワークのプラットフォーム上で複雑に絡み合うことで、トランスフォーメーション支援を実現できると考えている。他社でも、これらのソリューションを別々の製品で実現しているところはあるが、データベースを全て統合している例はないだろう。サバ・ソフトウェアのソリューションは非常に規模が大きいグローバル企業での採用事例が多い。これもデータベースが統合されている点が高く評価された結果だ」(尾藤氏)
クラウドサービス「Sabaピープルクラウド」
これまで紹介してきた各種ソリューションは、ソフトウェア製品をオンプレミス導入することで実現する。サバ・ソフトウェアでは別途クラウドサービスによるソリューション提供も予定している。それが「Sabaピープルクラウド」と呼ばれるサービスだ。このサービスで提供される機能は、基本的にはオンプレミス製品と変わらないが、柔軟にカスタマイズができるオンプレミス版とは異なり、ほぼノンカスタマイズでの利用が前提になる。そのため、オンプレミス版とは異なり、社員数2000~3000人程度の中堅企業が主なターゲットになるという。
「ノンカスタマイズが前提とはいえ、これまでオンプレミス版を利用してきたグローバル大手企業における各種ベストプラクティスを基に機能が実装されている。そのため、マネジメント改革のために思い切って新しい人材管理のプロセスを導入しようと考えている中堅企業での利用に向いている」(尾藤氏)
また、クラウドサービス特有の「導入のしやすさ」「安価なライセンスコスト」といった点も、同サービスの大きな特徴だという。尾藤氏いわく、「これまでの製品と比べ、圧倒的に安い価格で提供する予定」。
これに加えSabaピープルクラウドは、モバイル端末からのアクセスと、ソーシャルネットワークの機能に強みを持つ。特にソーシャルネットワーク機能は、単独ツールとしてではなく、同社が今後提供するソリューション全ての基盤として位置付けられている。それも、個人ユーザー向けのSNSを単に模したものではなく、企業ユースに特化した機能を数多く盛り込んでいるという。
例えば「pQスコア」という機能は、ソーシャルネットワーク上で情報を公開したり、質問に答えたり、発言を行うなど、業務上有益な活動が行われた場合に、その影響力を測定する。また、企業側が社員のソーシャルネットワーク利用を促したり、あるいは統制できる機能も備えている。
日本国内におけるSabaピープルクラウドの提供は、2012年6月に開始される予定だ。
コンサルティングサービスも提供
同社では、ソフトウェア製品を導入するだけで次世代の人材管理が実現できるとは考えていない。尾藤氏は、まずはビジネスプロセスの改革が必要だと説く。
「人材情報の収集・可視化と、それを基にした人材資源の適正化、そして適正化を行うための具体的な施策。これら一連のビジネスプロセスをまずは一通り整備する必要がある。これが確立できなければ、どれだけ優れたソフトウェアツールを導入しても実効性は期待できない」
これらのビジネスプロセスが確立された後に初めて、それを具体的なIT施策に落とし込んでいくことができる。サバ・ソフトウェアが提供するソリューションの特徴的な点として、このビジネスプロセス確立の作業を支援するコンサルティングサービスを提供していることが挙げられる。
「企業におけるマネジメント改革を実現するためにはどのような人材ソリューションがふさわしいのかという観点に立って、ビジネスプロセスの提案をしている。そのようなビジネスプロセスが実現できれば、企業がグローバル時代を勝ち残っていくために必要な、真の人材ソリューションが可能になるだろう」(尾藤氏)
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