タレントマネジメント製品紹介【第11回】
「COMPANY」がタレントマネジメントで目指す“進化するベストプラクティス”
国産の人事・給与パッケージとして大企業を中心に広く使われている「COMPANY」。同社はユーザー企業の要望を受けて数年前からタレントマネジメントの機能を製品に盛り込んできた。その特徴とは。
ワークスアプリケーションズが開発・販売する「COMPANY」は、大手企業向け業務パッケージ市場で長くシェア上位を維持する国産ERPパッケージ製品。財務会計、人事・給与、販売管理など、さまざまな業務領域に対応するモジュール群で構成されるが、特に人事・給与分野に関しては豊富な実績を持つ。
COMPANYの人事・給与関連機能は、「人事管理/給与計算」「申請/ワークフロー」「勤怠/プロジェクト管理」「教育/研修管理」の4つのモジュールで構成される。それぞれの中に、日本企業の人事部の業務に最適化したさまざまな機能が実装されているが、ここ数年で特に強化を図ってきたのがタレントマネジメント関連の機能だという。その背景について、ワークスアプリケーションズ グローバルビジネスサポートグループ マネジャー 板倉大樹氏は、次のように説明する。
「数年前から、数は少ないながらも、サクセッションプラン(後継者計画)をはじめとするタレントマネジメント機能の要望が、何社かのユーザー企業から寄せられていた。弊社としても、タレントマネジメントは日本企業の人事部門に新たな価値を提供できると判断し、かなり早い段階からタレントマネジメント関連の機能をバージョンアップごとに実装してきた」
COMPANYには、特に「タレントマネジメント」や「人材育成」を銘打ったモジュールは存在しない。だが、既存4モジュールにそれぞれ埋め込まれた形で、タレントマネジメント機能が一通りそろっているという。同社 プロダクトソリューション事業本部 ソリューションプランニンググループ チーフコンサルタント 松本耕喜氏によれば、まさにこの点において、COMPANYのタレントマネジメントソリューションの特徴が表れているという。
「最近よく見られるタレントマネジメント製品は、既存の人事システムに外付けして利用する形が多い。しかし、既存システムと切り離されていると、マスターデータの二重持ちなどに伴い運用が煩雑化し、結局活用されなくなってしまう。またSaaS形式で提供される製品もあるが、タレントマネジメントは基幹業務の一部であり、本来はPDCAサイクルを回しながら長期的に取り組んでいくべきもの。SaaSで一時的にアドオン的な使い方をするものではない」
その点、COMPANYは従来の人事業務とタレントマネジメント機能が一体となって提供されるため、これまでの業務の延長上でタレントマネジメントの取り組みを根付かせていくことができるという。
人材育成は日本流と欧米流の2本立て
COMPANYが実装する代表的なタレントマネジメント機能の1つが、人材検索機能だ。ある特定のポストにふさわしい人材を社内で探す際、人事情報データベースからさまざまな条件や切り口で人材を検索し、その一覧を表示することができる。また、人材を9ボックスのチャートにプロットして表示するような、他のタレントマネジメント製品が備える機能も提供する。
しかし、COMPANYが備えるこうした機能は、海外製のタレントマネジメント製品の機能とは若干異なる考えで設計されているという。
「海外製品の機能は、社内の各ポストで求められる人材の要件がきちんと定義されていることが利用の前提となっている。その上で、システムがその要件に合致する人材を自動的に抽出したり、あるいはサクセッションプランを立てたりする。しかし、日本企業ではポストの要件を厳密に定義する文化はなく、後継人材を選ぶ際もシステムで一律に抽出するよりは、関係者の合議の上で決めるという習慣が根強い。そのため、日本企業は海外製のタレントマネジメント製品の機能を活用できないことが多い」
その点COMPANYは、たとえポストの要件が定義されていなくても、「ある条件の組み合わせを一定以上満たしている」といったような、曖昧な条件で候補人材を絞り込める機能を備えており、日本企業の文化に即した利用が可能だという。またこれ以外にも、組織編成のシミュレーション機能や、MBO(目標管理)のプロセスを支援するWebワークフローなどのタレントマネジメント機能が、各モジュールの基本機能と一体化された形で提供されている。
ただし、ビジネスのグローバル化が進展し、海外拠点における人材管理に課題を抱える日本企業が増えてきている今日、「欧米流のタレントマネジメント機能のニーズも将来的には増えてくるはず」と同社 製品開発本部 HR Division ゼネラルマネジャー 竹市栄治氏は述べる。
「現時点では、本社の人事部の目が海外拠点まで行き届かずに、現地の優秀な人材を競合他社に流出させてしまっているケースが多くの企業で見られる。そこで、まずは日本流のやり方で、海外拠点の人材管理をシステム的にフォローするのが第一ステップだと考えている。それができた上で、次に第二ステップとして海外流の人材管理を海外拠点に適用していく。COMPANYでは現在、第一ステップの日本流のタレントマネジメントソリューションに重点を置いている。欧米流の割り切ったやり方に比べ、日本流の方がはるかに複雑なので、これが完成すれば自ずと第二ステップも容易に実現できると考えている」
バージョンアップで常に最新のベストプラクティスに対応
COMPANYは製品の機能以外でも、その特徴的な周辺サービスで知られる。その1つが、「永続的な無償バージョンアップ」という独自の保守ポリシーだ。一般的な業務アプリケーションは、製品の保守期間が切れ、新たなバージョンを導入する際には、少なからぬコストが掛かってしまう。しかしCOMPANYは、一度導入すればその後の製品バージョンアップを年間保守料金だけで受けられる(参考記事:「COMPANYシリーズ」を貫く“本来のパッケージ”という開発思想)。
これは、人事・給与関連のモジュールだけでなく、COMPANYの全てのモジュールに対して適用されるポリシーだが、特に人事・給与分野ではそのメリットが高いと板倉氏は述べる。
「タレントマネジメントのベストプラクティスは、現時点ではサクセッションプランだといわれているが、これが3年後、5年後にも同じかどうかは分からない。むしろ、過去に提唱された『成果主義』『コンピテンシー評価』といった人事分野のトレンドのその後を振り返ってみれば、現在のベストプラクティスが将来にわたって有効とは限らない。むしろ、今後どんどん形を変えて進化していくだろう。その点COMPANYであれば、その時々のベストプラクティスに対応した新機能を、保守料金だけで利用できる」
また、「ギャランティメンテナンス・サービス」という独自の保守サービスにも特徴がある。このサービスでは、一般的な技術サポートに加え、ユーザー企業におけるCOMPANYの運用状況や活用法のコンサルティングを提供する。
「定期的にユーザー企業とミーティングを開いて、業務課題をヒアリングしたり、COMPANYの活用法を提案したりしている。また、COMPANYを使った人事業務改善のMBOも行っている。期首にユーザー企業が抱えている業務課題を棚卸して、それをCOMPANYでどのように改善していくか、目標を立てる。そして期末には、その目標をどれだけ達成できたか、評価付けを行う。こうした支援を通じて、ユーザー企業と共に人事業務の課題解決に取り組んでいる」(松本氏)
その際には、他のユーザー企業におけるCOMPANY利用事例から得られたさまざまなノウハウもフィードバックされるという。COMPANYは、ワークスアプリケーションズによる直接販売でユーザー企業に届けられ、また同社が直接コンサルティングサポートサービスを提供するため、自ずと運用・活用ノウハウが豊富に蓄積されるのだという。
「特に人事・給与関連のモジュールはCOMPANYの中でも最もユーザー数が多く、6000社以上の導入実績があるため、豊富なノウハウが集まってくる。それらを弊社からユーザー企業に提供できる他、ユーザー企業同士が集まって意見交換を行うユーザー会も頻繁に開催している。そこでは、企業の人事部門の現場が実際に直面している人材育成やタレントマネジメントに関する課題について、生の声を得ることができる。われわれは、そうして得られたユーザーの声を、直接COMPANYの機能にフィードバックし、常に『進化するベストプラクティス』に追随できるよう、製品開発を続けている」(板倉氏)
こうした取り組みを通じ、同社は「一過性のはやりで終わらない」タレントマネジメントソリューションを提供していきたいとしている。
「タレントマネジメントは現場の運用に負担が掛かる取り組みなので、はやりに乗って軽く『やりましょう!』とは決して言えない。ただ、人材の管理や育成に明確な課題意識と目標を持っているユーザー企業に対しては、現場と一緒になって支援していく。COMPANYにはそのための機能は既に備わっているし、今後も継続的に機能強化を進めていく」(板倉氏)
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