グローバルSCM製品紹介【第3回】
日立「SCPLAN/MRP」、高速エンジンが生産計画で果たす役割とは
市場の変化が激しい製造業では生産計画をいかに迅速、柔軟に変更するかがポイントになる。日立製作所の「SCPLAN/MRP」は高速なMRP(資材所要量計画)エンジンを持ち、生産計画の迅速な変更処理や影響分析を支援する。
製造業をはじめとするさまざまな業種では在庫をいかに減らすかがビジネスの鍵になっている。在庫を持つことで収益が悪化するからだ。在庫を減らすポイントは市場の動向に基づいて適切な数の製品を製造すること。だが、突発的な市場の変化に対応し、生産計画を迅速に変更するのは難しい。今回紹介する日立製作所の「SCPLAN/MRP」は、この生産計画の迅速な変更を支援する製品だ。
日立のSCM製品「SCPLANシリーズ」は、需要予測、在庫補充計画、需給計画、生産計画と複数のフェーズに対応する製品を持つ。SCPLAN/MRPはその中で生産計画変更による影響分析と、対策案の提示を行うことができる製品。例えばあるパートナーから製品の部品が入手できなくなった際に、製品の生産やその後の販売にどのような影響があるかを「高速エンジンでシミュレーションし、実現可能な計画を立てる」(日立製作所のソフトウェア本部 第1AP基盤ソフト設計部 主任技師 五十嵐 健氏)ことができる。
日次や受注ごとの生産計画分析が可能
SCPLAN/MRPは「高速MRP」と呼ぶエンジンを持つ。市場の変化や部品の欠品など、当初の生産計画に変更が生じた際に、その影響を高速MRPで分析することができる。分析の機能自体は他社のSCM製品でも見られるが、SCPLAN/MRPはメモリ技術を活用した高速な分析が売り。例えば計画対象期間が6カ月、計画数が1万2000、40万点の対象品目数の分析を5分で終えることができる。日立の試算では他社の製品では4時間かかってしまうという。
従来の時間のかかるMRPでは月次や週次の生産計画分析が一般的だったが、高速MRPを使うことで日次分析や、受注ごとの分析も可能になる。生産計画の精度が増し、納期順守率を高められるなどのメリットがある。
「納期を守るには」の視点で影響を調査
高速MRPを使うことでシミュレーションの精度も増す。例えば「サプライヤーからの部品納入が遅れた場合や欠陥がある」「販売部門から納期や納入数変更の要請がある」「製品の設計変更がある」などのケースで生産プロセスのどの部分に影響があり、どのような問題を解決すれば変更に対応できるかが分かる。このような経営層や現場の意思決定をサポートするのがSCPLAN/MRPの特徴の1つといえる。
生産管理現場の視点だけではなく、「納期を守るにはどうすればいいか」という営業現場の視点でシミュレーションをできるのもSCPLAN/MRPの特徴だ。部品が欠品した場合では納期を守るために、他の製品の生産を遅らせて、その部品を流用するなどの解決策がSCPLAN/MRPで提示される。
処理性能の向上で全品目の管理が可能に
高速なデータ処理性能を生かすことで、製品にかかわる部品の全品目の監視が可能になる。従来のMRPでは処理性能の不足で、重要な部品だけを監視し、それ以外の部品は大まかな管理しかしていないケースがあった。そのため在庫切れでその部品を発注する場合、ロット単位でしか発注できずに結果的に過剰在庫となることがあった。SCPLAN/MRPでは、全品目のロットサイズや入庫までのリードタイムを管理できるため、生産管理と同期した適切な数量、タイミングで部品を発注できる。「ある部品の在庫切れが1週間前に分かれば、余裕を持って発注することができる」(五十嵐氏)
また、SCPLAN/MRPでは生産管理に「場所の概念」を加えて計算することができる。日本の製造業では一部工程の外注や代替工程による処理が不可欠となっている。SCPLAN/MRPでは生産管理の特定のプロセスを外注に出す場合、外注先の工場が存在する場所を計算し、輸送時間を加味したシミュレーションを立てる。外部のパートナー企業だけではなく、自社の複数の工場で1つの製品を生産するケースでも、場所の概念を含めてシミュレーションすることが可能だ。
部品の状態を直感的に理解可能
分析やシミュレーションの結果はステータスを色によって表示し、直感的に理解できるようにしている。生産計画では、色によって部材の在庫状態を把握でき、確保や発注が必要な部品がすぐに分かる。例えば下図では「部品仕掛」「在庫引当」「発注予定」「部品不足」などと生産計画にかかわる部品の状況を色で示す。五十嵐氏は「生産計画には工場や資材管理などさまざまな人がかかわる。色による表示でシステムに慣れていない人でも簡単に状況を判断できる」と狙いを語る。
海外拠点向けにSaaSでの提供も開始
SCPLAN/MRPは既存の生産管理システムとは別に単体で動作させることができる。そのため導入しても生産管理システム自体には影響を及ぼさず、生産管理システムの情報を基に分析機能だけを利用できる。SAPなど主要なERPに対してはインタフェースをテンプレートとして持っていて、連係も容易だという。導入期間は半年程度。ライセンス価格は約5000万円からだ。
SCPLAN/MRPは組み立て製造業での利用が多く、主に電機や精密機器、自動車部品などの企業で使われている。
SCPLAN/MRPはSaaSでの提供も始まっている。主に海外拠点での利用を想定している。ハードウェアを用意する必要がなく、迅速にSCPLAN/MRPの機能を利用開始できる。価格は月額50万円から。
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グローバルSCM製品紹介
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