予測分析製品紹介: SAPジャパン編
インメモリDBも「R」も使える予測分析製品「SAP Predictive Analysis」
ビジネスの現場では、過去に起こったことを見るよりも、今後起こり得ることを予見することが重要になった。「SAP Predictive Analysis」を提供開始したSAPジャパンの意志もそこにある。
ビッグデータ関連技術やコンピューティング技術の進化を競争優位性の向上に生かしたい――。こうしたユーザー企業の声に応えるべく、ベンダー各社は予測分析ソフトウェアの開発を活発化させつつある。SAPジャパンもその例に漏れず、2013年5月30日に「SAP Predictive Analysis」の国内提供を開始した。SAP Predictive Analysisは単体でも導入は可能だが、インメモリデータベース製品など、同社の他製品との組み合わせで真価を発揮する。
連載:予測分析製品紹介
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製品の概要:幅広いデータソースから手軽に分析
「Oracle Database」や「IBM DB2」などのリレーショナルデータベース(RDB)、「Microsoft Excel」ファイルといったさまざまなソースからデータを収集・加工し、結果を視覚化するのがSAP Predictive Analysisだ。大量データから自動的にルールやパターンなどを検出し、将来のデータ推移を予測することができる。
バスケット分析や決定木、クラスタ分析などの主要な分析手法を活用し、チャート化、クラスタの密集度、散逸度などを可視化できる(図)。データ分析を実行するためのインメモリデータマイニング機能や予測分析アルゴリズムがあらかじめ搭載されており、利用に当たって複雑なコーディングは不要だ。オープンソースの統計分析言語「R」のライブラリに含まれる分析用関数も利用できる。
ユーザーインタフェース(UI)を工夫し、ドラッグ&ドロップといった操作だけで分析プロセスを定義できるようにした(画面)。
「データサイエンティストだけが使える予測分析ではなく、現場に近いビジネスアナリストでも使えるプラットフォームを提供できるようにした」。こう語るのは、SAPジャパン ソリューション営業統括本部 ビジネスアナリティクス営業開発部 マネージャーの瀬尾直仁氏だ。
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他社製品に対する特徴:SAP HANAなどとの連携で強みを発揮
SAP Predictive Analysisは、インメモリデータベース「SAP HANA」やビジネスインテリジェンス(BI)製品群「SAP BusinessObjects」など、他のSAP製品との連携で真価を発揮する。「特にSAP HANAとの併用で、従来にはない高速なスピードで大量のデータを扱い、ビジネスを加速するための分析を本格的に実行できる」と瀬尾氏は語る。
製造業を例に取ると、製品の中に組み込んだセンサーからの大量なデータを基に、どのタイミングで製品が故障するのかを予測し、機器の故障の予防保全に役立てることができる。さらに同社のERPパッケージ「SAP ERP」へ分析結果をフィードバックすることにより、サービスパーツの在庫最適化によるサービスレベルの高度化といった業務改善を進めることが可能だ。
ソーシャルメディアの書き込みを自然言語処理エンジンで分析するサービス「SAP Social Media Analytics by NetBase」との組み合わせで、購買の意欲や人間の心情を分析することも可能になる。製品に対する思い入れの強さなどを考慮した、より深い洞察が得られる。
導入事例:わずか開始2分でエンジンの全件テスト成否を予測するメルセデスAMG
リリースされて間もないSAP Predictive Analysisだが、既に海外を中心に活用事例は豊富にある。「メルセデスベンツ」ブランドの自動車のチューニングを手掛ける独Mercedes-AMG(メルセデスAMG)はその1社だ。同社は、エンジン開発にSAP Predictive AnalysisとSAP HANAを活用している。
一般的なエンジン工場とは異なり、全てのエンジンを対象にした全件テストを実施するメルセデスAMG。エンジン内には約300個のセンサーがあり、テスト時にはそこから得られる毎秒3000~3万件ものデータを解析する必要がある。これまでは開始から終了まで最短で50分かかり、仮に不具合やデータ収集の失敗などが発生しても、テスト終了後にしか判明しないという課題を抱えていた。
そこで、センサーデータを全て収集してSAP HANAに投入し、そのデータをSAP Predictive Analysisで分析するシステムを構築。テスト開始から2分後には、テストが成功するか失敗するかを判断できるようになり、無駄なテスト作業の発生を抑制できるようになった。
製品価格:40%割引のバンドル製品も用意
SAP Predictive Analysisの提供価格は、他のSAPジャパンの主力製品と同様に非公開だ。ただしライセンスの考え方は公開しており、ネームドユーザーで、最小5ユーザーから。保守サポートは契約金額の22%である。
また、SAP Predictive AnalysisとSAP HANA、SAP BusinessObjectsをバンドルした「SAP HANA Insight」も提供済みだ。SAP HANA Insightは、各製品を個別に導入するよりも価格が40%引きの価格で購入できるという(各製品の価格が非公開であるため、絶対値でいくらの減額となるかは不明)。既にSAP HANAやSAP BusinessObjectsを導入済みのユーザー企業に向けて、SAP HANA Insightへ安価に移行するためのアップグレードパスも用意するという。
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