注目サービスの機能を紹介
iWorkだけではない、「Microsoft Office」の代わりになる無料クラウドサービス
多くの企業が導入している「Microsoft Office」やバージョン管理ツールなどを代替するクラウドサービスが登場し、利便性を求めるユーザーの支持を集めつつある。
最近、続々と登場しているクラウドベースのオフィスコラボレーションソフトウェアの中には、企業が導入している「Microsoft Office」やバージョン管理アプリケーションを代替するサービスが多数存在する。
米CloudOnは、同社のオフィスコラボレーションソフトウェアの主要コンポーネント製品を2014年にエンタープライズ市場に投入する準備を進めている。また、米Perforce Softwareは、クラウドベースのドキュメントバージョン管理サービスを提供している。
CloudOnは先ごろ、同社ソフトウェアを大幅に改め、既存のiOSおよびAndroidのサポートの他に、PCブラウザ機能のサポートを追加した。また、ファイルの保存場所に関係なく、エンドユーザーが文書の共同作業を行えるようにもなった。
CloudOnの新版は、Microsoft Officeに代わるクラウドベースのコラボレーション製品の中で、現時点で最新のサービスであるにすぎない。このところ、英HuddleはConnected Desktopのエンタープライズ向けサービスを発表。また、IBMはSmartCloudスイートをアップグレードしている。米GoogleはQuickofficeを無料で提供する予定で、米Appleは新しいiOS端末には無料でiWorksを提供するようになった。さらに、米Boxは先日開催したユーザーカンファレンスで「Box Notes」を発表している。
「CloudOnが他のアプリケーションと一線を画しているのは、複数のファイル共有ストレージサービスを操作できる点だ」と語るのは、独SAPのモバイルイノベーションプログラムのアソシエイトパートナー、ブルース・ジョンソン氏だ。数年来のCloudOnユーザーであるジョンソン氏は、CloudOnを「私が外出時に使うクラウドベースの文書編集パッケージ」だとする。
会社が複数のクラウドベースのファイルストレージサービスの使用を認めているとは限らないが、多くの従業員はプライベートでも仕事でもDropboxやGoogle Driveを使っている。
「ITのコンシューマライゼーションのおかげで、(1つの組織の中に)10人のユーザーがいれば、恐らく、それぞれ異なるファイルサービスを使用する」と語るのは、エンタープライズ調査会社の米Current Analysisで、ビジネステクノロジーおよびソフトウェア担当リサーチディレクターを務めるブラッドリー・シミン氏だ。「現在、(CloudOnが)飯のタネにしているのは、Microsoftユーザーにとっての一時的な問題だ。いずれ大手ベンダーは異なるサービスを統合せざるを得なくなるだろう」
業界はまだ、認証、ガバナンス、セキュリティ、ファイル管理機能と併せて、複数のファイルストレージサービスを利用できる段階には達していない、とシミン氏は言う。
2014年末までにCloudOnは、シングルサインオン(SSO)などエンドユーザーの機能ニーズも考慮しつつ、IT担当者が必要とするエンタープライズ管理、リポート作成、コンプライアンス、マネジメントの実現を図り、エンタープライズ向け機能を強化する予定だ。
「CloudOnは、拡張性があり、エンタープライズレベルのセキュリティと暗号化が可能であることを実証しなければならない」とジョンソン氏はアドバイスする。
現在、新しいCloudOnは、FirefoxとInternet Explorerの他にChrome、Safariもサポートしている。また、ユーザーやチーム単位で、ドキュメントに関する編集、処理、メッセージをリスト形式のログとして一元的に記録できるアクティビティストリーム機能も用意している。
CloudOnには、基本の編集および表示機能が無料で付属する。Pro版には、Wordの変更管理、ドキュメントへのオブジェクトの挿入、関数およびピボットテーブルの操作などの機能も含まれ、PowerPointプレゼンテーションには画面切り替えなどの効果も適用できる。Pro版は2013年末まで、月額2.99ドルまたは年額29.99ドルで利用できる。2014年以降のPro版の価格は決定されていない。
Perforce、コラボレーション分野に参戦
一方、Perforce Softwareは、新しいコラボレーションサービス「Commons Cloud」をリリースした。この新しいクラウドサービスは、ドラッグ&ドロップで操作できるファイルストレージで、バージョン管理とアクティビティフィード機能を備えているため、ドキュメントの共同作業時に最新バージョンをメンバー同士がメールで連絡しなくても済む。
Commons Cloudは無料のサービスで、プログラマーが大量のソフトウェアコードを追跡するためのソフトウェア開発ツールであるPerforceのエンタープライズ向けバージョン管理アプリケーションを基盤にしている。Perforceの顧客には、米Disney PixarやNASAが含まれる(関連記事:火星探査から科学者コミュニティーまで、NASAのAWS活用を聞いた)。
米Altair Engineeringのテクニカルスペシャリスト、スコット・ギリーランド氏は、「開発グループの外には、旧態から脱けられず、会社のウィキ(Wiki)を使い、メールを交わして、(バージョン)管理を試みるユーザーが多数いた」と話す。Commons Cloudは、Perforceを使う場合の複雑さが取り除かれ、開発外のユーザーが使えるシンプルなツールだと、ギリーランド氏は評価している。
Perforceの製品マーケティングディレクター、ドゥルヴ・グプタ氏は、「Commons Cloudは、完全な機能がそろったエディタの代わりにはならないが、それなりの機能を備えているのは確かだ。ドキュメントを共同で扱うことができ、複数のユーザーが並行して作業でき、変更は自動的にファイルに反映されるサービスだ」と語る。
Commons Cloudは20ユーザーまで無料でサポートし、オンプレミス版はエンタープライズ向けになる予定だ。
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