CIOの役割も変わってきている
IT予算停滞は勘違い? 大きく変わったIT支出“5つの傾向”(1/2 ページ)
ニュースでは、企業のIT予算の拡大が鈍化傾向と報じられている。しかし、ビジネスのデジタル化が進み、ITに関する予算は大きく動いている。どのように動いているか5つの傾向を紹介する。
ここ数年のニュースでは、企業IT部門の予算拡大が鈍化しており、場合によって停滞する場面もあると一貫して報じられている。だがこのニュースの背後にあるデータは、企業の実態に即しておらず、デジタルテクノロジーの熱狂や、それに関連して大半の企業で進むIT部門の変化を表していない。
数字が大きければ注目が集まる。そのため、IT部門の予算の増減に関心が集まるのは仕方がない。デジタル化によってIT部門の目的や運用モデルが大きな変化を余儀なくされているのは事実だ。この場合のデジタル化は、顧客中心のサービス開発をするための次世代テクノロジーやビッグデータの使用を指す。企業IT部門全体の予算が拡大していないとしても、注目すべきことが何も起きていないからIT部門の予算が伸び悩んでいると考えるのは誤りだ。
2016年夏、CEBは、全世界約150社からIT部門の予算データを収集した。調査対象企業のITへの支出は約400億ドルに上る。本稿の分析では、各社のITへの支出に5つの異なる傾向があることに注目した。各傾向は、IT部門の将来の職務に重要な意味を持つと考えられる。
1:IT部門の予算の大半は横ばいではない
企業IT部門の予算はここ数年3~5%成長しており、2017年度の予算は平均して横ばいだと予測されている。ただこの結果が個々の企業で起きている変化を見えにくくしている。全体は横ばいに見えても、調査対象企業の約90%はIT部門の予算が増減しており、10%を超える変化が起きている企業も25%に達する。
全体と個別で食い違いが起きている原因は、IT部門の予算が常にビジネスの背景と結び付いている点にある。以前は、運用効率の向上を最優先にテクノロジーが使われていた。そのため企業支出は、テクノロジーの導入や全体的な経済情勢に関する幅広い傾向をそのまま映し出していた。今日のデジタル化は、テクノロジーへの支出が特定のビジネス戦略と密接に関連する。それは、企業がデジタル化をどの程度まで進めているかによって支出が異なってくることを意味する。
2:IT部門の予算の見方を変えるビジネス部門主導のIT支出
競争で優位に立つためにテクノロジーが不可欠な手段となるにつれ、ビジネス部門は独自でテクノロジーへ投資するようになっている。CEBの調査では、現在企業のテクノロジーへの支出の3分の1はIT部門以外から投資されていることが明らかなっている。このビジネス部門主導のテクノロジーへの支出は、IT部門の予算よりも圧倒的に速いペースで上昇している。つまりIT部門の予算という観点だけからテクノロジーへの支出を見ると、不完全な結論を導き出すことになる。これが、予算が企業ごとに大きく異なるもう1つの理由でもある。
同時に、ビジネス部門がITへの支出を主導することで、IT部門のテクノロジーへの支出の種類が変わってきている。ビジネス部門がテクノロジー確保への支出に対する関わりを強めているとしても、企業のIT部門は基幹インフラを継続的に構築し、安全性を確保して維持しなければならない。その結果、IT部門内の予算配分が変化する。例えばIT部門の予算は、情報セキュリティとデータ分析に振り分けられる割合が増える。どちらも、企業全体で共有されるためだ。2016年の情報セキュリティに関する支出はIT部門予算の4.5%、セキュリティスタッフへの支出は3.5%に達し、どちらも前年に比べ増加している。
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