認定資格制度や社員同士の教育も
Cisco、GE、Microsoftの「IoT向け技術トレーニング」はここまでやっている(1/3 ページ)
モノのインターネット(IoT)普及に伴い、関連ソリューションを提供する大手IT企業が、次々とIoT関連教育プログラムを充実させている。Cisco、GE、Microsoftそれぞれの取り組みを通して、その意図を探った。
あらゆる機器がネットワークを通して通信を行う「モノのインターネット(IoT)」あるいは「コネクテッド環境」は、大手ハイテク企業の多くに普及している。そうした企業は、IT部門の担当者に対して、社内のIoT環境に適応するためのトレーニングを提供している。
過去3年間、こうしたIoTトレーニングのほとんどは、産業機械の分野に集中していた。それには、正当な理由がある。
調査会社Forrester Researchの主席アナリスト、ミケーレ・ペリーノ氏の専門分野は、事業の基盤作りと経営学だ。同氏は、ITとそれを運用する側(OT)の両分野の専門家による緊密な協力関係が、現在ますます重要になりつつあると話す。
「IT部門の担当者は、従来、3つの要因に特に注意を払ってきた。それはスケーラビリティ(拡張性)、セキュリティ、(コネクテッドデバイスやセンサーも含めた)自社システムに接続されている機器の一括管理だ」と、ペリーノ氏は語る。「例えば、医療施設では、医療事務チームが患者の入退院手続などの電子化に懸念を訴えるケースもある。ITとOTの綿密な連携へのニーズは、こうした場面に現れている」(同氏)
Cisco Systems(以下、Cisco)やGE Digital、Microsoftなど、多くの企業がIoTのトレーニングコースや認証制度を開始している。これによってITとOTのギャップを埋め、両者の連携を図っているのだ。
CiscoのIoT認定とトレーニング
Ciscoの教育部門で事業戦略分野の責任者を務めるスダルシャン・クリシュナムルシ氏によれば、同社は、製造業向けIoT分野に長年取り組むRockwell Automationと提携し、両社が共同で構築した産業用オートメーションシステムに関するトレーニングコースなどを提供しているという。
同社は2015年、技術者を対象にした公式認定資格付き教育プログラム「シスコ技術者認定プログラム(CCNA: Cisco Certified Network Associate)」に「産業IoT」向け認定資格を新たに加えた。クリシュナムルシ氏によれば、同資格は、製造や工程管理、石油、ガスなどの各分野で働くエンジニア向けのもので、セキュリティやデータサイエンス、コンバージドネットワークの管理などの知識に重きを置いているという。
「われわれは(受講生に対して)ITの知識を一から教えているわけではない。コースの一部では、全てのコネクテッドデバイスからデータを収集し、知見を得る方法を受講生に考えさせる。得た知見をより的確な意思決定や効率改善などに生かし、事業の成果を最大限に引き出すためだ」と、クリシュナムルシ氏は語る。同氏は、製造業界やエネルギー業界のIT部門で働くエンジニアが「もはやネットワークにつながったデバイスの管理にとどまらず、施設全体の無線LANも管理する立場だと理解すべき」と話す。
Ciscoは、今後Rockwell Automationをはじめとする産業機械分野にトレーニングの対象を絞り、医療や小売業などの分野にも徐々に進出したい考えだ。同社は、コネクテッドホーム(スマートホーム)分野でもパートナー企業と協力し、2017年中には教育カリキュラムを開発する予定だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
4
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
5
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
AIの導入効果はどう測る? DMM.comのエンジニア組織に学ぶ効果検証のノウハウ
-
8
「何から始めればいい?」 情報漏えい対策で悲鳴を上げる中小企業のリアル
-
9
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
-
10
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー