「Microsoft Azure」のネットワークサービス11選【後編】
Azureのネットワークサービス「Traffic Manager」「Azure ExpressRoute」「Private Link」「Network Watcher」とは
「Microsoft Azure」のネットワークサービスのうち、「Traffic Manager」「Azure ExpressRoute」「Private Link」「Network Watcher」の4サービスはどのような特徴があるのか。適した用途とは。簡潔に説明する。
ユーザー企業はMicrosoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」を使うときに、Azureがそろえる複数のネットワークサービスを用いてデータ転送の負荷を軽減したり、インターネットを使わない閉域網でオンプレミスインフラとAzureインフラを接続したりすることができる。中編「『VPN Gateway』『Azure DNS』とは? Azure2大CDN『Azure CDN』と『Azure Front Door』の違いは?」に続き、Azureの主要なネットワークサービスを説明する。
Traffic Manager
管理者は「Traffic Manager」を使うと、エンドユーザーのデバイスから仮想マシン(VM)などのサーバへのアクセスを分散させることができる。これによりネットワークの可用性を向上させ、ダウンタイム(停止・中断時間)の発生を防止できるようになる。Traffic ManagerはDNSベースのルーティング(以下、DNSルーティング)により、負荷分散を実現する。以下の6種類のDNSルーティング方法を利用して、エンドユーザーのデバイスからのアクセスを最適なサーバに誘導できる。インフラの継続的な監視や自動フェイルオーバー(切り替え)も可能だ。
- データ転送先の優先順位を指定する「優先順位ルーティング」
- 最もデータ転送が速いインフラを指定する「パフォーマンスルーティング」
- 任意のAzureデータセンターを指定する「地理的ルーティング」
- データ量に基づいて転送先を指定する「重み付けルーティング」
- データ転送先のIPアドレスの範囲を指定する「サブネットルーティング」
- 複数の転送先にデータを転送する「複数値ルーティング」
Traffic Managerはオンプレミスインフラを保有し、クラウドサービスへのバースト(オンプレミスインフラからの一時的な切り替え)やクラウドサービスへの移行、フェイルオーバーを計画するユーザー企業に人気がある。
Azure ExpressRoute
「Azure ExpressRoute」を利用すると、サードパーティーのインターネットサービスプロバイダー(ISP)が提供するネットワークサービス経由で、企業のオンプレミスインフラとAzureインフラ間を閉域網接続できる。インターネットより低遅延で信頼性の高い接続を可能にする。Azure ExpressRouteを提供するISPには、ComcastやAT&T、Equinixなどが名を連ねている。
Private Link
IT部門は「Private Link」を利用することで、特定の仮想ネットワーク内に存在するデバイス(プライベートエンドポイント)経由で、仮想ネットワーク外のさまざまなAzureサービス、自社がAzureにホストしているシステム、Microsoftパートナーのサービスにアクセスできる。Azureインフラでデータ転送を実行するため、Azure ExpressRouteや仮想プライベートネットワーク(VPN)サービスなどを利用する必要がない。オンプレミスのネットワーク内にあるデバイスからでも、プライベートエンドポイントと接続するAzureインフラにアクセスできるようになる。
Network Watcher
「Network Watcher」はAzureネットワークサービスをまとめて監視するためのサービスだ。Azureの仮想ネットワーク内にあるネットワークリソース(仮想ネットワークやロードバランサーなど)の監視や問題の診断、ネットワークリソース数の表示、ログの分析など多様なツール群をそろえる。Azureはサービスごとに標準の監視機能を提供している。Network Watcherは、Azure VMやAzure仮想ネットワークなど、Azureリソースで構成されたネットワークをより包括的に監視しやすくしている点が特徴だ。企業はリソースの使用状況だけでなく、リソース間の接続状況を確認することもできる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
[コパード株式会社] 約9割が負担を実感 Salesforceのテスト業務に関する実態調査で見えた課題とは -
市場調査・トレンド
[コパード株式会社] 「Salesforce」開発・運用におけるAI活用実態調査レポート -
事例
[テクバン株式会社] 1画面でITサービスデスク業務が完結 太陽ホールディングスに学ぶデバイス管理 -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] ライセンス無料 Drupalベースの「多言語ECサイト開発用パッケージ」の実力は? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 日本発グローバル企業用Drupal「Risley(リズリー)」の実力とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
「レガシーシステム・老朽化システムの運用課題と刷新」に関するアンケート
-
5
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の運用管理と統制機能を徹底比較
-
6
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
7
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
8
1回で分かる:仮想マシンを丸ごとバックアップする「VADP」の仕組み
-
9
セキュリティは「情シス任せ」が過半数 漏えい発生時やSCS評価制度の課題は?
-
10
データセンター事業者が「脱VMware」をした“例のライセンス問題”じゃない理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
3
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー