データ分析で電話の問い合わせも予測
「夏休みはここに旅行したいでしょ?」、米Expediaがトラベル予測技術を開発
Hotels.comなどの大手旅行サイトを運営する米Expediaは、顧客の行動履歴から旅行プランや旅程の変更といったニーズを予測する技術を開発している。旅行客の行動を先読みすることで、顧客サービスの向上につなげる。
「Hotels.com」や「Hotwire」「Trivago」といった世界最大級の旅行サイトを運営する米Expediaでは、旅行の予約やホテル、航空券の予約確認など、顧客が行動を起こす前にそのニーズを予測するテクノロジーを開発している。
同社コールセンターは顧客から電話を受けると、どういった問い合わせであるかが前もって分かる仕組みとなっている。電話内容の予測は、顧客の旅行や旅程、履歴などのデータを横断的に分析することで導き出している。
便利? それともおせっかい?
Expediaはまた、飛行機の遅延や旅程の変更などの問題を旅行者にテキストで知らせ、代替プランを提案するサービスの提供を計画している。
同社は現在、顧客サービスの向上に注力しており、今回の取り組みもその一環となる。Expediaで製品管理担当シニアマネジャーを務めるミッコ・オリラ氏は英Computer Weeklyのインタビューに応じ、旅行サービス業界は現在、苛烈な価格競争が進んでいると説明した。
「顧客へのサービスを改善できれば、旅行者は安全と安心を感じることができる。これは、顧客ロイヤルティーを高めるためにわれわれが努力できる領域の1つだと考えている」(オリラ氏)
プロジェクトに年間数百万ドルを投じるExpediaでは、米Pegasystemsのツールを導入し、顧客の要求に合わせたサービスを提供する計画だ。
顧客からの電話および予約の管理には、社内開発したJavaベースの予約管理ソフトウェアとケース管理ソフトウェア「Customer Process Manager」(CPM)を組み合わせて使っている。
今後は、CPMのデータ分析機能を導入し、顧客が検索しそうな旅行プランを顧客履歴から予測するシステムを構築する計画である。
Expediaの最終的な狙いは、顧客のニーズを予測することで、顧客が電話をかける必要をなくすことである。
万が一、飛行機の遅延やキャンセル、あるいはホテルの予約変更が発生した場合、システムが旅行者に連絡を取り、2つか3つほどの代替プランを顧客から連絡を受ける前に提案する仕組みだ。
また、顧客がコールセンターに連絡した際も旅行プランを照会する必要はない。担当者には問い合わせ内容が先に分かっており、その要求に応える提案も用意されている。オリラ氏はさらに、次のように話す。
「担当者の受け答えはこのようなイメージだ。『○○様ですね。飛行機の予約を水曜日に変更するお問い合わせでよろしいでしょうか』」
このシステムの支援によってコールセンタースタッフは「ラスベガスに行きたいのだけど、どうすればいい?」といった顧客の漠然とした要求にも、妥当な選択肢を提案することができるようになる。
さらには、顧客の興味を引きそうなものを予測し、適切なプランを提案することも可能となる。例えば、小さな子どもが2人いる家庭であれば、ディズニーランドや遊園地への旅行に興味があると推測するのが自然だろう、とオリラ氏は説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
製品資料
[株式会社ウェーブスプリッタ・ジャパン] 100Gbps対応の光トランシーバーはどう選ぶ? 10分で分かる選定のポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
2
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
3
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
4
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
5
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
6
AWS障害でも補償ゼロの衝撃 サイバー保険で情シスが見落とす「細則の壁」
-
7
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
8
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
9
マンガで解説:採択率は3割台? デジタル化・AI導入補助金申請の落とし穴
-
10
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー