ブランドを守るセキュリティ【後編】
まずは明確なセキュリティポリシー 攻撃に強くなる“5点チェックリスト”とは
企業はサイバー攻撃に対抗し、ブランド価値を守るために、標的になるリスクを認識しなければならない。デジタル技術の活用とともにセキュリティを確保するにはどうすればいいのか。5つのポイントをまとめた。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)をきっかけとして、企業はデジタル技術の活用に本腰を入れている。そうした企業はセキュリティに注目すべきだ。ブランドの価値を損なう可能性のある攻撃を防ぐことは企業にとって死活問題となる。前編「セキュリティは万全か? デジタル技術を活用する前に考えておきたいこと」に続き、後編となる本稿はセキュリティ対策において何を重視すればいいのか、5つのポイントに沿って紹介する。
「対処」より「回避」 攻撃を先読みする“あの技術”に投資すべし
企業はデジタル技術の活用に本格的に取り組むことによって、セキュリティ面でさまざまな課題に直面する。サイバー攻撃に備え、ブランド価値を守るためにはどうすればいいのか。
併せて読みたいお薦め記事
増えているサイバー攻撃に備えるには
失敗しないための「サイバーセキュリティ保険」の知識
1.攻撃を大きなリスクとして認識する
地震は必ず起きると考え防災グッズを用意するのと同様に、攻撃も大きなリスクとして認識することが第一歩だ。企業は明確なセキュリティポリシーを定めて、経営層からIT部門やビジネスの現場まで、全組織にセキュリティポリシーを徹底させる必要がある。
2.「対処」するより「回避」する
攻撃されたときに対処するのではなく、そもそも攻撃されないための取り組みが最も重要だ。これはずっと昔から言われていることだが、デジタル技術がかつてないほどビジネスを支えている今だからこそ、肝に銘じておきたい。つまりデジタル技術を優先的に利用する「デジタルファースト」と、セキュリティを最優先に考える「セキュリティファースト」はセットだ。攻撃に強い組織づくりは、従業員全員が高いセキュリティ意識を持たなければならない。
3.全体像を見る
攻撃の入り口になり得るポイントは自社のシステムだけではない。メーカーの場合を考えてみよう。メーカーは部品を調達する企業や販売店など、さまざまなビジネスパートナーを持っている。そうしたビジネスパートナーのシステムとの接点もセキュリティ戦略に含める必要がある。視野を社外に広げ、商品の「企画」から「販売」までの全過程においてセキュリティ対策を実施しなければならない。
4.AI技術に投資する
AI(人工知能)技術を利用すれば、攻撃の予兆を捉え、事前に対策を講じることができる。AI技術の中核を成す機械学習はシステムが人間の脳のように「学ぶ」ことを可能にし、知識を深めながら徐々に防御力を高めることができる。
5.セキュリティを統合する
最高情報セキュリティ責任者(CISO:Chief Information Security Officer)を配置し、横断的にセキュリティ強化に取り組むことが重要だ。部門の垣根を越えてリスクを可視化し、それに適したセキュリティ対策を導入すれば、組織全体として攻撃に対抗できるようになる。
本稿が触れたのは未来の話ではない。デジタル時代は到来しており、企業はセキュリティの新しい手法が今すぐに必要だ。リスク評価の見直しはもちろんのこと、IT部門以外のリーダーも巻き込んで「全体」を考えた対策が欠かせない。企業がブランド価値を守り、激変の時代を生き抜くためにはセキュリティが出発点になる。
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