2013年08月09日 08時00分 UPDATE
特集/連載

ホワイトペーパーレビューITILとサービスデスク改善の要点が分かる3つのホワイトペーパー

ほとんどの業務をITが支えている今、ITサービスの安定的な提供・運用を担うサービスデスク業務の在り方が収益向上の鍵を握っている。サービスデスク業務の改善ポイントが分かる3つのホワイトペーパーを紹介する。

[内野宏信,TechTargetジャパン]

 仮想化クラウドの浸透は、柔軟・迅速なITリソースの調達、配備を可能にした。だがその半面、仮想サーバが乱立したり、情報システム部門が関知しないSaaSが導入されたりと、ガバナンスの乱れにつながる例も増えた。またシステム構成の複雑化により、インシデントの種類、件数が増えて対応が遅れがちになるなど、ビジネスを安定的に遂行する上で、ITサービスを運用管理するサービスデスクの在り方が、あらためて問われている。

 本稿ではインシデント管理、構成・変更管理といったITサービスマネジメントの要点と、そのベストプラクティス集であるITILのポイント、支援ツールの意義が分かる、3つのホワイトペーパーを紹介する。

ITILの全容を分かりやすく解説 復習に最適

ALT 提供:ゾーホージャパン(4ページ)

 ITサービスの品質向上と運用管理コスト削減を両立させるためには、ITサービスの提供方法を標準化し、継続的改善を図ることがポイントとなる。本ホワイトペーパーでは、そうしたITサービスマネジメントのベストプラクティス集であるITILを基礎から解説し、そのポイントを分かりやすく説いている。

 注目すべきは、サーバ、ネットワーク、アプリケーションなど、各システム構成要素の仮想化が進んでいる他、クラウドサービスも多様化していることなど、企業を取り巻く現状に基づいてITILの意義を説いている点だ。仮想化、クラウドは、迅速かつタイムリーなITリソース調達・配備が1つのメリット。それゆえに確実に管理するためには、「限りなくリアルタイムに近いモニタリングと併せて、過去に何が起こったのかという履歴を参照することが重要」と説くなど、教科書的な解説ではなく、あくまで実践的なITIL解説書となっている点がポイントだ。

 近年、国内でもかなり認知度が向上したITILだが、その概念を具体的にはどう実践に落とし込むのか、あらためて自身の知識を点検してみてはいかがだろうか。

事例で学ぶ「ITILを目的化してはいけない」理由

ALT 提供:クレオネットワークス(9ページ)

 例えば「ネットワークプリンタの印刷トラブル」という同一のインシデントでも、「プリンタ/障害」「ネットワーク/故障」「ワード/印刷」といった具合に、対応したサービスデスクのスタッフによって問題分類の仕方が異なる、といったことは多くの企業でありがちな問題だ。これによって正確な現状把握ができず、対応履歴を残していてもサービスデスク業務の改善・効率化に生かせないという例もよく聞かれる。

 本ホワイトペーパーは、そうしたサービスデスクの運用でありがちな問題を、4社の事例を通じて紹介。各問題に対する解決方法を具体的に示している。例えば上記の問題分類に関する課題については、「まず問い合せ分類(カテゴリ)の定義を明確にする」「不要項目・重複項目を削除し、必要最低限の項目だけを残す」ことなどをアドバイス。そうすると、問題に対応したスタッフの「カテゴリを選ぶ」というアクションが、そのまま「次の改善へのアクションを促す一票となる」といった具合に、課題解決のポイントを簡潔に説いている。

 最大の読みどころは、「理想を追求して暗礁に乗り上げたITIL適用で、現実的な運用体制を構築して再立ち上げ」と題した4つ目の事例だろう。ITILの重要性を深く認識しているばかりに、ITILという手段にすぎないものが、いつしか目的化してしまう例が多いといわれている。ではこの事例では「2年がかりでも無理だった」ITIL適用をどのようにして実現できたのか? ぜひダウンロードして「ITILをただの道具と割り切って使う」までの経緯を知ってほしい。

ITサービスマネジメントの方法論を分かりやすく整理

ALT 提供:ビーエスピー(3ページ)

 ITサービスを真に意義あるものとするためには、エンドユーザーが必要とするタイミングで必要とする機能を提供する「有用性」、サービスを“利用したい時に利用できる状態”を維持する「信頼性」、要求するサービスをより早く、適切なコストで提供する「経済性」の3つがポイントとなる。そして以上3つを実現するためには、サービスデスク業務の「可視化による有用性の評価」「標準化による信頼性の向上」「自動化による経済性の向上」が不可欠となる――本ホワイトペーパーは、ITILに沿ったITサービスマネジメント実現への道のりを、このように非常にシステマティックに説いている点がポイントだ。

 特に可視化、標準化、自動化については、「提供するIT サービス単位でサービスレベルを定義・管理する」「業務プロセスを標準化して属人化を排除し、スキルに依存しない業務の割り振りを可能にする」「サービスの開発から変更、運用における構成情報の更新までを自動化することで、正確なシステム構成や影響範囲の把握を可能とする」など、その要点を具体的に解説している。

 また、サービスデスク業務の継続的改善を図る上では、サービス提供に関わる組織を横断的に管理する「SMO(Service Management Office)」を設置し、サービス提供、提供後のモニタリング、サービス改善といったPDCAサイクルを確実に回していくことの重要性を説いている。その実現を支援するクラウドサービス「LMIS on cloud」の活用事例も巻末に収録し、実運用を具体的にイメージできる点もポイントだ。ぜひ一読してはいかがだろう。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、サービスデスクに関する技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

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