「SSD」がさらに進化
次の本命「フラッシュストレージ」、その寿命を延ばす技術とは
SSD(Solid State Drive)が、コンシューマレベルのフラッシュドライブから、企業のデータセンターで使える高機能なフラッシュベースのストレージアレイに進化してきている。
フラッシュストレージは非揮発性のソリッドステートメモリであり、サーバからは従来のブロックベースあるいはファイルベースのストレージ装置のように見える。「フラッシュ」とは、シンプルなUSBメモリ、サーバに組み込まれたSSD(ソリッドステートドライブ)、さらには「IBM FlashSystem 810」のようなアレイ型エンタープライズストレージシステムなどのデバイスを総称する用語だ。そのインタフェース、書き込みサイクル回数などの指標、その他の機能はデバイスによって異なる。
企業ユーザーは、フラッシュストレージとワークロードを適切に対応させなければならない。フラッシュストレージの消費電力はHDDの約20%で、読み書き速度はHDDの約100倍だ。これは、データベースのように読み出しが激しいワークロードにとっては明らかな利点だ。だがフラッシュメモリの書き込み速度は遅く、書き込みサイクルの限界に達すると不安定になるため、書き込みが頻繁に行われるアプリケーションの場合はレイテンシが増大する恐れがある。
書き込みサイクルあるいはプログラム/消去サイクルが一定限度を超えると、フラッシュストレージのセルは不安定になる。フラッシュメモリデバイスは一般に、10万回の書き込みサイクルが保証されているが、最新のフラッシュチップでは100万回の書き込みサイクルに対応している。企業向けのフラッシュデバイスでは、今後もこのレジリエンス(障害復元性)の改善が進むだろう。
フラッシュストレージシステムの寿命を延ばす手法も進化している。最も一般的なのがウェアレベリングという手法だ。これは、書き込みが発生するたびにストレージブロックの再マッピングを動的に実行するというもの。書き込みサイクルの影響がメモリ全体に分散するため、頻繁に書き込まれるブロックが早期に不良になるという事態を避けられる。不良ブロック管理という技術を採用しているフラッシュストレージシステムも多い。これは、再マッピングによって空きブロックが不良ブロックをリプレースする手法だ。その他にも、チップレベルのチェックサムやエラー訂正コードといったメモリ整合化手法が存在する。
RAIDシステム用のフラッシュストレージモジュールでは、RAID0(ストライピング)でウェアレベリングを実現したり、その他のRAIDレベルでレジリエンスを強化したりできる。
スタンドアロン型フラッシュストレージシステム
データセンターの多くはフラッシュストレージをサーバ内に置いているが、独立したエンタープライズストレージシステムにフラッシュストレージが配備されるケースも増えている。この種の製品としては、「IBM FlashSystem 710」および「同810」、米Nimbus Data Systemsのフラッシュストレージシステム「E-Class」および「S-Class」、米Tegileのストレージアレイ「Zebi」などがある。
スタンドアロン型エンタープライズストレージシステムの差別化要因となるのは接続性だ。2Uサイズのラックでフラッシュストレージ容量が4.4Tバイトの「Zebi HA2800」は、12個のギガビットイーサネット(GbE)ポートを装備する。この製品は、デュアルポート型4/8Gbpsファイバーチャネルあるいはデュアルポート型10GbE用に構成することが可能。iSCSIやファイバーチャネルなどのSAN(Storage Area Network)、NFSやCIFSなどのNAS(Network Attached Storage)といった標準のストレージプロトコルもサポートする。
Nimbus S-Classフラッシュメモリシステムは最大100Tバイトのストレージ容量を提供し、最大16個のGbEポート、最大16個の10GbEポート、最大8個の8Gbpsファイバーチャネルポート(または最大8個の40GbpsのQDR《Quad Data Rate》InfiniBand)を装備する。フラッシュストレージシステムで最大限の性能を得たいのであれば、データセンターに配備された既存のLANまたはストレージネットワークをアップグレードする必要があるかもしれない。
フラッシュベースのエンタープライズストレージシステムを選定するに当たっては、自社のデータセンターのOSとハイパーバイザーがサポートされているかを確認する必要がある。例えば、Nimbus S-ClassはWindows Server 2003/2008、Linux、Solaris、HP/UX、AIXに対応し、ハイパーバイザーとしてはHyper-V、VMware ESX/ESXi、XenServerおよびVirtual Ironをサポートする。
フラッシュストレージシステムはさまざまなデータセンター環境をサポートできる。とはいえ、ストレージ製品の要件と仕様を調べ、自社のデータセンターで長期的にその製品を利用できるかどうか確認することが大切だ。1種類のOSとハイパーバイザーにしか対応していないフラッシュストレージシステムを採用するのは、自社が後に異なるOSやハイパーバイザー、ストレージネットワークアーキテクチャに移行した場合に問題になる。
なお、同じワークロードに対して従来のストレージを使用した場合とフラッシュストレージシステムを使用した場合のパフォーマンスベンチマークの比較には、実証試験が効果的だ。
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