64ビットOSをフル活用するために
サーバOSアップグレードには入念な事前チェックを
最近のサーバハードウェアはほとんどが64ビットだが、サーバOSの選択に当たってはハードウェア以外の要素も考慮する必要がある。
サーバOSを選択するのは、以前は至って簡単だった。WindowsにNetWare、そしてプロプライエタリなハードウェア用の各種UNIXしか選択肢がなかったからだ。今では有り余るほどの選択肢があり、いずれもIntelおよびAMDのCPUで動作する。
Windows Serverには、広く使われているメジャーなバージョンが2つある。Windows Server 2003とWindows Server 2008で、後者は先ごろ、大幅に機能が強化されたR2がリリースされている。Linuxも十数種類あり、UNIXもSolaris、Mac OS X、BeOSなどいろいろある。もちろん、1台のハードウェア(十分なCPUパワーとRAMを備えるもの)で複数のOSを動かせる仮想化プラットフォームもさまざまなものがある。
現在のところ、大きな線引きの基準の1つとして、「32ビットか、64ビットか」というものがある。Windows Server 2003は64ビット版もリリースされたが、ユーザーが使いたいようなハードウェアの多くでは、必ずしもドライバが提供されているとは限らなかった。6年が経過した今、Windows Server 2008 R2は64ビット版しかなく、32ビットプロセッサをサポートしていない。現在入手可能なほかのサーバOSの多くは、32ビット版と64ビット版が用意されているため、ユーザーはどちらを使うか判断する必要がある。64ビットOSでは、32ビットOSでサポートされている4Gバイトよりはるかに多くのメモリを利用できるほか、最新のプロセッサを有効に活用できることから、より高速かつ安定した動作が得られる。
ここ1年に出荷されたサーバハードウェアは、事実上すべて64ビットだ。このため、新しいハードウェアを購入する場合、まだ64ビットをサポートしていないアプリケーションやハードウェアを持っているのでなければ、64ビットOSを使わない理由はない。ほとんどの新しいハードウェアは64ビットドライバ(少なくとも、Windows Server 2008用の)が用意されている。しかし、ファイバーチャネルやInfiniBand HBA、10Gbpsイーサネット、あるいは特殊な製品、例えばマルチポートイーサネットカード、POS、シリアルポートカードなどを使わなければならない場合は、64ビットドライバが用意されているかどうかを、事前に慎重にチェックしておかなければならない。
同様に、既存ハードウェアのサーバOSをアップグレードしたい場合、そのハードウェアが64ビットOSをサポートするかどうかを注意深く確認する必要がある。この確認は型番だけを頼りに行うのは難しい。そのための完全なリストが整備されていないことが多いからだ。Microsoftは、特定のハードウェアがWindows Server 2008で動作するかどうかを前もってチェックできるツールを提供している。しかし、64ビット版Linuxについては、せいぜいニュースグループやベンダーのサイトを調べることしかできない。
新しいOSは場合によっては、64ビットプロセッサ以外にも厳しい要件があるかもしれない。VMware vSphereやMicrosoftのHyper-Vなどの仮想化製品は、CPUの仮想化支援機能(Intel VT-xやAMD-V)を必要とする。特定のプロセッサがこの機能をサポートしているかどうかを確認するには手間が掛かる。同じ製品ラインでも、サポートしているモデルとそうでないモデルがあるからだ。また、特定の機能を利用するためのハードウェア要件がある場合もある。例えば、Hyper-Vのライブマイグレーションを利用するには、Microsoftが提供するクラスタの共有ボリューム機能をサポートするドライバがストレージベンダーから提供されていなければならない。
まとめると、新しい64ビットOSを新しいハードウェアにインストールする場合は、特殊なハードウェアをインストールしたり、レガシーアプリケーションをサポートしたりする必要がなければ問題ないだろう。古いハードウェアを使う場合は、64ビットアプリケーションを動かすのはやはり容易ではないことが分かるかもしれない。
本稿筆者のローガン・G・ハーボー氏は、フリーランスの製品レビュアー、ネットワークシステムアナリスト、コンサルタント。ネットワークハードウェアおよびソフトウェアのレビューを専門としている。そのジャンルとしてはネットワークOS、クラスタリング、ロードバランシング、NAS、SAN、トラフィックシミュレーション、ネットワーク管理、サーバハードウェアなど。
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