バックアップ関連市場の最新トピックを紹介
SSDに重複排除ソフト──2011年下半期注目のバックアップ/リカバリ技術
2011年上半期のバックアップ/リカバリ分野ベンダーの動向を振り返り、これから特に注目すべき市場のトピックを探ってみよう。
EMCが「Project Lightning」でサーバサイドSSDを採用
2011年5月初めに開かれた「EMC World Las Vegas 2011」のテーマはビッグデータとクラウドだったが、開催初日の最大のサプライズは、サーバサイド用フラッシュドライブ「Project Lightning」の発表だった。これは米EMCのソリッドステートドライブ(SSD)戦略の新たな方向性を示す製品だ。
Project Lightningはコードネームで、製品リリースは数カ月先になりそうだが、同製品は米Fusion-ioがヒットさせたPCIeフラッシュカードと似ているようだ。EMCのパット・ゲルシンガー社長によると、自社の自動階層化ソフトウェア「FAST」をPCIeカードと連係することにより、データ配置の最適化を可能にするという。
「EMCはサーバ用フラッシュメモリ事業に参入する」とゲルシンガー氏はイベント初日の基調講演で語った。「フラッシュメモリをサーバに組み込み、サーバ用DAS(Direct Attached Storage)やサーバ用キャッシュとして利用するつもりだ」
重複排除アプライアンスに挑戦する重複排除ソフトウェア
ここ数年、重複排除ソフトウェアの信頼性が高まるとともに低価格化も進み、重複排除ハードウェアのユーザーにとって有望な選択肢となってきた。しかしユーザーやアナリストによると、多くの企業にとっては「重複排除アプライアンスの方が依然として妥当な選択だ」という。
米調査会社Forrester Researchのアナリスト、レイチェル・ダインズ氏によると、重複排除ハードウェアは特に、膨大な量のデータを保管し、高速なスループットを必要とする大企業に訴求するという。「ソフトウェア方式とハードウェア方式の重複排除アルゴリズムはほとんど同じだ」とダインズ氏は指摘する。重複排除ハードウェアはデータの重複排除用に最適化されており、単にディスク上でソフトウェアが動作しているのではない。重複排除アプライアンスは通常、自己管理機能を備えており、自身のプロビジョニングを行えるというメリットがある。またバックアップソフトウェアとの連係についても、複数の手段を備えたものが多い。
IBMがLinear Tape File Systemをサポート、テープライブラリに大容量ドライブを追加
米IBMは先ごろ、自社のデータ保護製品ポートフォリオを拡充し、テープライブラリでLinear Tape File System(LTFS)をサポートするとともに、「TS1140」テープドライブと「シャトル」と呼ばれる新技術を採用することにより、S3500ライブラリを2.7エクサバイト(データ圧縮時)まで拡張できるようにした。
さらにIBMは、自社のメインフレームとオープンシステム用の仮想テープライブラリ(VTL)製品を改善した他、Scale Out Network Attached Storage(SONAS)システムとIBM Information Archiveシステムのデータ保護機能にも改良を加えた。
眼科医院がSANなしで高可用性システムと仮想化を実現
医療機関の例に漏れず、米眼科クリニックCentral Plains Eye MDsの場合もストレージが重要な役割を果たしている。同医院のデータは急速に増加しており、高可用性システムと長期保存機能が必要とされている。大企業ではない同医院は、物理的なSAN(Storage Area Network)や専任のITスタッフなしでこれをやり遂げた。
Central Plains Eye MDsではデジタル画像記録が業務で重要な役割を果たしており、これらを長期的に保管しておく必要がある。これらの画像記録と業務記録を保護するため、同医院は24台の米Dell製サーバとDellのDAS(Direct Attached Storage)製品「PowerVault」を米MicrosoftのHyper-VハイパーバイザーおよびカナダのVM6 Softwareの仮想化製品と組み合わせてサーバ間での複製を実現した。
Central Plains Eye MDsは2008年に2人の医師と8人の従業員、そして約600人の患者で開業した。業務マネジャーのジョン・ピーダーソン氏によると、同医院は現在、16人の医師と約2400人の患者を抱えているという。ピーダーソン氏は当初から同医院の技術全般を統括しているが、それが自分の主要な任務だとは思っていないという。同氏は同医院に勤務するまで16年間にわたってIT業界に身を置いていたが、現在の主要な任務は業績を伸ばすことだと考えている。
SymantecのCEO、クラウドデータバックアップ、仮想化、買収戦略を発表
米Symantecのエンリケ・セーラムCEOは5月初めにラスベガスで開催された「Symantec Vision」で長時間にわたるインタビューに応じた。その中で同氏は、データ保護におけるクラウドデータバックアップの役割の増大、Symantecのアプライアンス戦略、米VMwareとの提携強化をどのように進めたか、データバックアップ/ストレージ管理ビジネスを売却する計画があるのかどうかといった話題について語った。
バックアップ分野でクラウドの利用が浸透すると思うか、また従来のストレージ分野でSymantecが果たす役割が変化すると考えるかという問いに対し、同氏は以下のように答えた。
総合的なディザスタリカバリソリューションの一環としてオンラインバックアップに興味を示す顧客が増えている。しかしデータの量が膨大であるため、データバックアップの形態はこれ以外に存在ないといったような流れにはなっていない。
データ量が少ない小規模企業の場合には、クラウドベースのデータバックアップが主要なバックアップ形態になると予想され、そこにビジネスチャンスがあると考えている。しかし大抵の企業では、オンプレミスバックアップに加えて、高可用性とディザスタリカバリ(DR)対策としてクラウドベースのバックアップを組み合わせた形になるだろう。当社では、ローカルストレージをクラウドに接続するハイブリッド型ソリューションを提供する予定だ。われわれは、この方式が今後の展開の1つになるとみている。というのも大量のデータを移動した場合、クラウドベースのバックアップではローカルストレージと同等のパフォーマンスを得られない可能性があるからだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー