モバイルBIは企業でどのように使われている?
導入企業が語るモバイルBIの真のメリット
「当たり前に、特に意識することなく使っている」「もはや従業員をデスクに縛り付けておくことはできない」。米企業のテクニカルアーキテクトが、モバイルBIがもたらす恩恵を語った。
ビジネスインテリジェンス(BI)をモバイル端末で利用することは以前から可能だった。だが近年、より高性能なスマートフォンやiPadのようなタブレットの普及により、モバイルBIはいよいよその真価を発揮するときを迎えている。「人々はデスクに向かっているばかりではない。これは経営幹部に限った話ではなく、誰にでも当てはまることだ。もはや従業員をデスクに縛り付けておくことはできない」と語るのは、信用情報サービスを手掛ける米Kroll Factual Dataの主任テクニカルアーキテクト、クリストファー・ステフェン氏だ。
そして実際、人々はデスクに縛り付けられてはいない。米Gartnerによると、2013年にはBI機能の33%はモバイル端末から利用されるようになっている見通しという。また米コンサルタント会社Dresner Advisory Servicesの社長兼最高調査責任者でBIアナリストのハワード・ドレスナー氏によると、同社が2011年に実施した調査では、BIは企業ユーザーの間ではメールとカレンダーに次いで3番目に人気の高いモバイルアプリとなっている。同社が顧客企業や全世界のソーシャルメディアサイトから170社を抽出して実施した調査では、モバイルBIについて「業務に不可欠」または「非常に重要」と答えた企業が全体の68%と、2010年の52%より増加している(関連記事:米国企業各社がモバイルBI導入を推進するわけ)。
「この数値は、CRMよりも、ERPよりも、ソーシャルメディアよりも高い」とドレスナー氏。ただし、企業によるモバイルBIの採用率が高いのは驚くべきことではないと同氏は言う。「今ではどこにでも情報が付いてきてくれるため、人々は本当に重要なことや、実際に起きていることに意識を集中できる。会社の戦略に対し、社内の足並みをそろえるのにも役立つ」と同氏。
「モバイルBI」はいずれは単なる「BI」に
米リスクコンサルタント会社Krollの子会社であるKroll Factual Dataにとって、モバイルBIは特に目新しいものではない。同社は3年前にモバイルBI戦略の実装に着手しており、独自のアプリも開発済みだ。
「われわれはダッシュボードなどの機能をモバイル端末で快適に利用できるアプリの開発を目指した。そしてその目標を達成した。今ではあまりに当たり前に、特に意識することなく使っている」とステフェン氏。モバイル端末の普及により、近い将来、多くのITリーダーはモバイルBIについても同じように感じることになるだろうとアナリストは予想する。「いずれはモバイルBIではなく、単にBIと呼ばれるようになるだろう。現在、関連ベンダーは各社とも何かしらの製品を提供しており、サプライヤーの間でもかなりの投資が行われている」とドレスナー氏。
モバイルBIの恩恵を最も享受できるのは?
企業の経営幹部はiPadなどのモバイル端末を社外で使う機会が多いが、モバイルBIがあれば、そうした幹部らは社外からでもビジネスの状況を正確に把握できる。またモバイルBIは、企業の中でも最も「遊動的」な働き方が求められる販売部門のスタッフにもうってつけだ。「販売部門のスタッフには、顧客や見込み客との打ち合わせ前に関連データをその場で確認できるというメリットがもたらされる。これは本当に大きな強みだ。そしてモバイルBIは徐々にその他の部門にも広がっていくことになるだろう。結局のところ、モバイルBIはBIを使う全ての人にとって必要なものだからだ」とドレスナー氏。
KrollのモバイルBI戦略はまず経営幹部を対象に実施され、その後、適用範囲が拡張されている。ステフェン氏によると、同社の幹部は今では、ビジネス環境で何が起きているかの概略をモバイルBIアプリ経由でいつでも確認できる状態にあるという。
「膨大な情報量に聞こえるだろう。確かに情報の量は膨大だ。だがわれわれは実際、BIアプリから引き出した情報に対して、大量のトレンド分析や予測を行っている」とステフェン氏。同氏によれば、例えば、経理部であれば、ローン申請のトレンド分析や信用報告書など各種のデータに基づき、会社の利益予想をほぼ1セント単位の細かさでいつでも確認できるという。
「モバイル戦略は今日からでも始めるべきだ。業務効率の他、競争上の差別化や戦略の合致などの点で、実に大きなメリットをすぐにも実感できるだろう。先延ばしにする理由はない」とドレスナー氏は語っている。
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